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掲載:2023年08月22日 更新:2023年08月22日

セカンドライフリフォーム入門①〜オリエンテーション&設備選びのポイント〜

老夫婦

「セカンドライフリフォーム?まだまだ先のこと。リタイアしてから考えればいい…」
と、リフォームの計画を先送りしていませんか?
人間が年をとるのと同じように、住まいも年をとり、築20年から25年でリフォームが必要な時期を迎えます。

本コラムでは、筆者がこれまでに担当したセカンドライフリフォームのお客様の事例を踏まえて、後悔しないセカンドライフリフォームのために大切なポイントを2回に分けてご紹介します。

「そろそろリフォームすべきだけど、一体何からはじめたらいいのか…」
というかたは、ぜひ、チェックしてください。

1.築20年〜25年、子育て卒業世代は「セカンドライフリフォーム」予備軍


リフォーム

新築で購入したマンションや戸建住宅は、通常20年〜25年でリフォームが必要になります。
この時期のリフォームは、内容によって、以下の2つの要素に大別できます。

● 経年劣化したキッチンや浴室などの設備を交換する、設備機器類の交換リフォーム
● 子どもの成長・独立など家族構成や暮らし方の変化に合わせたライフスタイルリフォーム

日本では、一般的に子どもの小学校入学の時期にマイホームを購入するケースが多いのですが、その場合、暮らしはじめて20年前後で、設備機器類の交換時期と、こどもの成長独立に伴う子育て中心の住まいから夫婦主体の住まいへと移行する時期が重なります。

このライフスタイルの変化にマッチするように、古くなった設備機器の交換に加えて、間取りや動線を見直すことが「セカンドライフリフォーム」です。

「キッチンや浴室を新しくするのはすぐに依頼できそうだけど、ライフスタイルの変化に合わせたリフォームはどうすればいいの?」と、戸惑う人も多いと思います。
そこでまずは、セカンドライフリフォームの流れを見てみましょう。


2.セカンドライフリフォームの流れ


図面

セカンドライフリフォームは、古くなった設備の交換に加えて、子育て中心から夫婦中心の暮らしにマッチしたリフォームの計画が重要です。
リフォームで後悔することのないように、以下の手順を踏みましょう。

図面を用意して、要望を書き出してみる


住まいの状況を把握するために、既存の図面とノートを準備しましょう。

いきなりリフォーム会社に相談に行かずに、まずは家族で現在の住まいの問題と、要望を整理します。合わせて、リフォームにどの程度の予算をかけられるかも検討しておきます。

ネットやショールームなどで情報収集する


リフォーム会社の施工例などを中心に、自分たちのイメージに合う施工例を掲載しているリフォーム会社を探します。
施工例の中で重視したいのは実際に工事を依頼した依頼主のコメントです。良いことも、残念なところも率直な声が出ているリフォーム会社は、見方によっては誠実な会社といえます。

逆に、大手で派手な広告をしていても、施工実例や施主の声が掲載されていない会社への相談は慎重に行いましょう。

提案力のある、自分達の話をよく聞いてくれる依頼先を選ぶ


リフォームの要望がまとまったら、通常は2,3社のリフォーム会社に相談して、自宅で現況をみてもらったうえで、リフォームプランの提案・見積もりを依頼します。一般的には初回の見積もり提案は無料で実施するリフォーム会社が大多数です。

複数の会社にリフォームの見積もりを依頼する場合は、企業でいう「コンペ」と同じような流れですすめるとよいでしょう。

  1. リフォームの要望を伝える
  2. どうしたらいいのかわからないが、こまっていることも、具体的に書き出す
    例:寝室とトイレが離れているので不便。トイレと寝室の動線を短縮できないだろうか? というように、リフォーム会社の問題解決能力を判断できる課題を出して、対応をみる
  3. 無理なく拠出できるリフォーム予算を提示しておく

生活財を整理する


依頼先を決めるまでの間に、同時平行で、住まいの中の生活財の整理・見直しを行います。
住まい全体を改修する場合、平均すると約4ヶ月間程度、仮住まいでの暮らしを余儀なくされます。

セカンドライフリフォームを経験したお客様が口をそろえておっしゃるのが「モノの整理の大変さ」。着なくなったけれど愛着のある衣類やアクセサリー、こどもさんの作品など家族の思い出に連なるモノは、単純に処分できないものです。

データ化して、携帯やタブレットでいつでも見られるようしたり、衣類などはボランティア団体に寄付をするなど活用方法を考えて整理をしましょう。

リフォーム内容を決めて、工事請負契約を締結する


提案内容や見積書を比較検討して、依頼先を決定、工事請負契約を取り交わします。
同時に工事の工程や仮住まいの手配を行います。

仮住まいに引っ越して、リフォーム工事期間中も詳細の打ち合わせ


フルリフォームの場合、通常3〜4ヵ月の工事期間を見込んでおきます。仮住まい期間中に、カーテンブラインドなどの窓まわり、照明器具や家具などインテリアに関わるものを決めます。長年使っていたソファなどをリペアに出す場合もあります。
リフォームした住まいと同じように家具類も手入れによって生まれ変わることができるので、ぜひ検討してください。

工事後引き渡しを受け、リフォーム後の新居に引っ越す


通常、依頼先が決まり、工事請負契約締結後、竣工するまでに約4~6ヵ月前後かかります。


3.セカンドライフリフォームで検討したい設備


家事

本コラムの冒頭で、セカンドライフリフォームには、

● 経年劣化に伴う設備機器の交換
● 家族構成や暮らしかたの変化に合わせたライフスタイルリフォーム

二つの切り口があると書きましたが、まずは実際にセカンドライフリフォームで提案して好評だった設備をご紹介します。

<リビングルーム>床暖房と床暖房対応フローリング




セカンドライフを迎え、在宅時間が増えるとLDKの居心地が重要になってきます。 頭寒足熱で安全な床暖房は、シニア世代のLDKの主暖房として人気を集めています。

建材ナビでは、リフォーム工事で設置可能な床暖房を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。床暖房対応可能な無垢材のフローリングを使うと、年間を通じて、足触りの良いLDKを楽しめます。

<キッチン>IHクッキングヒーター・IH専用レンジフード・タッチレス水栓・食洗機




子育て中は、揚げ物や炒め物でフル可動だったキッチンも、セカンドライフでは重視する機能が変わってきます。 夫婦二人でふだんは揚げ物をあまりしない家庭も多く、加熱調理機器を手入れが簡単で、安全なIHクッキングヒーターに変更したり、夫が1人でもかたづけられるように食洗器を導入するケースも増えています。

建材ナビではIHクッキングヒーター専用の壁付けタイプのレンジフードをご紹介していますので、チェックしてください。
さらに、コロナ禍以降、蛇口に直接ふれないで使えるタッチレス水栓が注目されています。

<浴室・洗面脱衣室>浴室暖房乾燥機・タオルウォーマー




高齢者の家庭内の事故は、階段と浴室で起きることが多いとされています。
近年のシステムバスは、出入り口の段差を解消し、洗い場の床をすべりにくく乾きやすく加工したり、必要なところに手すりを設置するなど、バリアフリーで手入れが楽なタイプが主流となっています。

セカンドライフリノベーションで、実はもっとも喜ばれる設備の一つが浴室暖房乾燥機です。冬場の暖房装置として、また洗濯物の室内干しで活用するほかに、入浴後に短時間乾燥運転をすることで浴室が乾燥して、手入れがとても楽になります。

寒冷地の戸建て住宅などで、浴室や洗面脱衣室にも床暖房を検討する場合、電気式超薄型埋設ヒータータイプの床暖房も設置できる場合がありますので、検討してみましょう。

<トイレ>独立した手洗い器とフロートタイプの便器・手すり




将来、杖や車いすが必要になった場合を考えて、便器の前面に幅90cm奥行80cm以上の転回用のスペースを確保しておきましょう。
トイレの手すりは設置すると「頑丈な手すりが複数つけられて窮屈になった」と感じる場合もあります。将来に備えて下地を準備して、いざという時にはすぐに設置できるようにしておくのも一案です。
便器そのものは、掃除のしやすさを優先すると 上の画像のようなフロートタイプが便利です。
また、手洗い器は便器とは別に独立して設置するタイプがおすすめです。




著者(藤江 薫)プロフィール

二級建築士・宅地建物取引士・インテリアコーディネーター。
電鉄会社の「住まいと暮らしのコンシェルジュ」として、7年間で1,000組以上の住まいの進路相談を担当。
不動産購入・売却・新築・建て替え・リフォーム・住みかえなど、問題解決のために、さまざまな選択肢を提案。







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