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  • 掲載:2008年09月01日 更新:2008年09月01日
施工事例

自分らしく生きる女性を応援。思いを形にする「住まいづくり」

野尻 美奈江
ピュアスタイルデザインオフィス
野尻 美奈江(MINAE NOJIRI)
二級建築士
大阪府大阪市
<経歴>
内装業を営む家庭に生まれ、幼少の頃よりクロスやカーテンに親しみ、インテリアのセンスを自然と体得する。思春期時代より、これからは女性の時代、インテリアの仕事は、必ず女性の仕事になるはずと考え、デザイン専門学校でインテリアを学ぶ。卒業後は、インテリアデザイン事務所に就職するが、内装だけでは飽き足らず、広く建築分野の素養を身につけることを決意。
建築設計事務所に入社してマンションの間取り設計のノウハウを修得する。既成でお仕着せの設計ではない、さまざまな居住者のライフスタイルに合わせたマンションリフォームを提案・実現するために、独立して設計デザイン事務所を開業する。
「共に創りあげる関係」を大切にし、相手の立場に立って思いやりながら仕事をする姿勢が顧客から支持されている。特に「女性の目線」からを重視した空間設計やデザインが、数多くの女性ファンを生み、受注する仕事のほとんどは、顧客からの紹介による。マンションリフォームのほか、女性オーナーのいる店舗設計も手がけ、好評を得ている。
経験豊富ながらも話しやすいキャラクターのため、顧客の要望を上手に引き出すことが得意。
「できないと思っていたことが実現できた!」「思いを形にしてくれた!」と感謝の言葉が途切れない。
事務所名の「ピュアスタイル」は、「純粋な関係」「お互いの姿勢」や「その人に合ったその人のためのデザイン」を目指そうという意味を込めている。


~取材にあたり~

時代と共に私たちの暮らしは大きく変遷し、住宅設計における「理想的な住まい」という観点も「家族団欒」という画一的なライフスタイルで集約することは困難になりました。
中でも近年目覚しい女性の社会進出に伴い、自立する女性や働くシングル女性からは独自の「自分らしいライフスタイル」を嘱望する声が高まっています。
そんな新しい時代を生きる女性たちのために「自分の好きな空間で自分らしく楽しく生きる」をテーマに住宅づくりを提案するプロフェッショナルが、注目を集めています。
自ら同じ女性の目線で「女性のためのマンションリフォーム設計士」として活躍されている建築家、野尻美奈江氏にお話を伺いました。



自分らしく生きる

「自分らしく生きていますか?」
何か、堅苦しい感じがしますが、人間にとってとても大切なことですよね。私は自分の好きな事で仕事ができ、自分の好きな空間や物に囲まれて毎日を楽しく暮らしています。
そうです、自分が望む暮らしの中で生活をしています。そういうことが「自分らしく生きる」ことだと思っています。
私が建築士として、お客様に提供したいことは、その人が望む自分らしい暮らしを提案することです。




「女性の目線」からの提案とは

私が自分の仕事に対する使命を意識するきっかけになったのが、一人の女性のお客様でした。
このお客様は賃貸マンションで長く暮らすには、もったいないのでマンション購入を考えておられました。しかし、なかなか自分に合ったマンションがないとの事で中古マンションを購入してリフォームしたいとの、ご依頼でした。その理由に新築マンションを数件内覧されたようですが、既製のものばかりで自分の気に入る間取りや自分仕様のものがないとのことでした。それはそのはず、このお客様は、ご自分の仕事を持ち、ご自分の意見を持ち、ライフスタイルをしっかり持っておられる方でした。お仕着せの間取りや簡単な収納では納得いかないのです。

物件が決まってからは、しっかりとご自分の意見がおありでしたのでスムーズに完成竣工まで進みました。間取りは開放的な空間でリラックスできるように考慮し、女性にとって重要な収納部の玄関収納・生活収納・キッチン収納・クローゼットなどは、細かい打合せをして決めました。
幸いなことに私は女性ですので、女性の目線からお客様とお話しができ、その方のライフスタイルに合った、使い勝手の良い収納を提案することができました。またキッチンや洗面カウンター、コンセント、スイッチの高さなどは、背の高さに合った位置を考慮しました。出来上がった空間に、お客様はとても喜んでいただけました。「毎日、仕事から早く帰って来たい!と思うようになりました。」ととても嬉しいお言葉をいただきました。
もともと前向きな方ですが、お客様の好きなホームパーティにご招待いただいた時には一段とイキイキされていらっしゃいました。私はその姿を見て、まさに「自分らしく生きる」をされているのだと実感しました。このような経験で、お客様には「自分らしく生きる暮らし」を提案し、また応援していくことが自分の使命だと思いました。




ライフスタイルが決めるそれぞれの快適な「住まい」

人は一人一人性格が違いますし、好みも違います。女性でも料理をしない人もいれば、お化粧をしない人もいます。男性にしても同じです。また家族になっても違います。それぞれ、暮らし方も違うのです。
住まいとは、日々の仕事の疲れを癒す場所でもあり、素の自分に戻ることができ、明日の自分のためにリセットできる場所でもあります。規格化された空間で自分が合わせて暮らすのではなく、自分に合った空間で暮らしていただきたいのです。
今一度、「住まい」について考えてみませんか?収納が少なく、いらない物や片付けられない物の中で暮らしている自分、使い勝手の悪い間取り、疲れて帰ってきて寝るだけの生活、本当に楽しいですか?
もしかしたら、いろんなことに気づくかもしれません。自分が「自分らしく生きる」ことに、住まいはとても重要なことなのです。

ARCHITECT
設計士インタビュー
シーズン毎で取材させて頂いている設計士へのインタビュー記事です。2007年秋にスタートして四半期毎に新しい記事の更新をしています。住宅、集合住宅、商業施設、公共施設など設計士の体験談をお楽しみください。
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