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掲載:2020年01月26日更新:2020年01月26日

耐震・制震・免震構造の費用を比較!メリット・デメリットは?

阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震・・・日本ではこれまで全国各地で数々の大きな地震が起こってきました。「南海トラフ地震」や「首都直下地震」など、これから先も大きな地震が起こる可能性があると言われており、全国どこに住んでいても地震対策は欠かせません。では、これから新築で家を建てる方や、既存住宅で地震への対策に不安がある方は、どのような対策をしていけば良いのでしょうか。

今回は、耐震・制震・免震の考え方とそれぞれのメリット・デメリット、そして費用の違いについて解説します。

耐震・制震・免震構造とは?

住宅の地震対策には、耐震・制震・免震の3種類があります。この3つは似たような言葉に感じますが、そもそもの考え方が大きく異なります。

耐震

「耐震」とは、家の強度を上げて、地震に「耐えられる」強い構造にするという考え方です。建築基準法では、どのくらい強い構造にするか「耐震基準」が設けられており、新築時の基準をクリアした住宅が建てられています。
阪神淡路大震災などいくつかの大きな地震を契機に基準は変更されてきており、1981年と2000年に大きな改正がなされています。改正以前の古い建物では、耐震性能が不足していることがあり、耐震診断をおこなって適切な補強をすることが求められています。
詳しくは「木造住宅の耐震リフォームにいくらかかる?耐震補強の種類と費用」


制震

「制震」とは、建物内部に「ダンパー」などの部材を組み込み、地震や台風などによる揺れを吸収するという考え方です。耐震とは違って、地震の揺れそのものが抑えられるため、建物の損壊・倒壊だけでなく、家具の転倒などの被害も軽減する効果が期待できます。

詳しくは「制震ダンパーの種類はどれを選ぶ?メリット・コストの違いを比較」


免震

「免震」とは、建物の基礎と建物の間に免震装置を設置し、地面からの揺れを建物に伝えにくくするという考え方です。コストが高くメンテナンスも必要なため、一般住宅ではなかなか取り入れられていません。



耐震・制震・免震のメリット・デメリットを比較

耐震・制震・免震のメリット・デメリット


耐震・制震・免震の費用を比較

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  費用の目安
耐震 新築なら本体価格に含まれる。
耐震補強は1棟150万円程度
制震 1棟50万円程度~
免震 1棟200万円程度~

耐震

耐震については、法律で一定の耐震強度にすることが定められているため、家を新築する費用に含まれていると考えて良いでしょう。リフォームで耐震補強する場合、費用の目安は1棟150~200万円程度です。屋根の軽量化、筋交いや耐震壁の追加、柱や梁などの接合部の補強などの工事がおこなわれます。

制震

制震は、新築時なら1棟50万円程度の追加料金で取り入れられます。比較的、コストも安いため、最近は新築時のオプションで設置する方も増えてきています。建物の大きさや補強工事の有無、ダンパー設置後に使う壁材の種類などによっても値段は変わります。
新築だけでなく、リフォームとしてダンパーを追加することも可能です。内壁もしくは外壁を一度解体してから取り付ける場合は、ダンパー設置費用に追加で、壁のリフォーム費用20~150万円程度もかかります。開口部の仕口に取り付けるダンパーなど、取り付けが容易なダンパーもあります。

免震

3つのなかで最も高額なのが、免震を取り入れるケースです。免震装置は一戸建てなら200~300万円程度プラスで費用がかかるため、なかなか一般の住宅には取り入れられていないのが現状です。免震装置は基礎と建物の間に設置するため、既存の住宅に追加する場合は、建物を持ち上げたり解体したりすることに。さらに高額な費用がかかるため、あまり現実的ではありません。



まとめ

・耐震=建物を強くする
・制震=揺れを吸収する
・免震=揺れを伝えにくくする

このように、この3つはそもそもの考え方が大きく違います。最も効果が高いのは免震といわれていますが、コストも高いのが現状です。
新築住宅では高い耐震性能をもたせ、可能であれば制震ダンパーをプラス。既存の住宅には、耐震補強や制震ダンパー追加などを組み合わせるのが主流です。耐震性能の向上はもちろんのこと、より安全性を高めたいなら制震や免震の考え方も採用しましょう。



著者(村田 日菜子)プロフィール

住宅専門ライター






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