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メーカーインタビュー
  • 掲載:2023年06月16日 更新:2024年08月05日

EVが身近にある環境が、あらゆる社会課題の解決に繋がる
Terra Motors株式会社

Terra Motors株式会社

Terra Motors株式会社
Terra Motors株式会社
取締役会長
徳重 徹
〒105-0004 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル802
TEL : 03-6823-4959
https://terramotors.co.jp/
1970年生まれ山口県出身、九州大学工学部卒。住友海上火災保険株式会社(当時)にて商品企画・経営企画に従事。退社後、米Thunderbird経営大学院にてMBAを取得し、シリコンバレーにてコア技術ベンチャーの投資・ハンズオン支援を行う。2010年にEV事業を展開するテラモーターズを起業、アジアを中心に展開。その後、2016年にはドローン事業を展開するテラドローンを設立し、世界で勝てる事業の創出へ挑んでいる。
TERRA CHARGE…電動自動車向け充電インフラ。初期コスト・運用コスト無料。工事手配やメンテナンスも不要。EVの充電設備だけでなく、充電時間の設定や料金決済を行う専用アプリ、管理クラウド、サービスの提供開始に必要なマンション管理組合等へのご説明、充電設備の設置工事、ハードおよびソフトの管理運営までを一貫して担っている。

Terra Charge事業の主軸、「EVコンセント」

一押し製品を教えてください。

徳重:日本で2022年4月に新規立ち上げをした「Terra Charge」事業の、EVコンセントが一押し製品です。EVの充電設備は設置場所によって最適なハードが異なり、弊社も複数ラインナップしていますが、EVコンセントはマンションや事務所など、車の保管場所に適しています。

弊社のEVコンセントは、アプリに充電料金の決済機能があり受益者負担モデルで運用ができる、設置場所を選ばないコンパクトな本体、充電ケーブルの盗難防止ロック付き、バッテリーに負荷がかかりにくい充電速度など、複数の方がお使いになる環境下において、最高の製品です。
Terra Motors株式会社
設置場所を選ばないコンパクトな本体。既設マンションに無料で導入できる。Panasonic社のコンセントとTerra独自のloT機器で高機能ながら無料を実現。

設備代・ランニングコストが無料

競合他社が多い中、どのような差別化を図っていますか?

徳重:EV充電の設備代やランニングコストが無料であるということが一番の差別化ポイントです。競合他社でも期間限定で月額が無料になったり、現実的には難しい条件下での無料提案はあっても、顧客の課題解決を主眼にした無料を実現できているのは、弊社の強みです。また、マンション設置に特化した小型ハードも含め、幅広いスペックの充電設備を提供できていることも弊社の強みです。

長年通信機能を持つEVを手掛けて来ているからこそ、ひとつのアプリで複数種類の設備を制御するソフトの開発力と、充電設備本体のハードの開発力、いずれにも大きな自信を持っています。

製品の主なターゲットとなる使用者や場所などはどのように想定してますか?

徳重:メインターゲットは、基礎充電と目的地充電です。基礎充電とは自宅や事務所など、車の保管をする場所での充電です。
弊社ではとりわけマンションやオフィスをターゲットにしています。目的地充電とは、移動の目的地となるお出かけ先での充電です。宿泊施設や観光地、商業施設などが該当します。 EVの補給は、ガソリンと異なり一定の時間が必要となります。そのため、駐車時間が長いところや、長くなっても他にやることがある場所へ、充電環境を整備することに力を入れています。

製品への信念、こだわり、コンセプトなどお聞かせください。

徳重:弊社が事業開発において大切にしていることは、マーケットに拡張性があること、そしてマーケットで求められるものであることです。 EVは世界的な流れを見ても、これからのマーケットに期待ができることは言うまでもありません。EV充電も同様にマーケットの成長はこれからです。

我々は決して参入が早かった訳ではありませんが、社会課題を解決するソリューションの提供ができたことで、日本のEV充電サービスの中でも大きな注目を集めることができています。日本でも2022年のEV販売台数は前年比3倍以上となり、弊社もさらなる成長を目指しています。また、マーケットで求められる製品であることも重視しています。

弊社のインフラは使っていただかないと利益が出ないビジネスモデルであるため、そういった点でも、導入数を伸ばしながらユーザーに求められ続けるサービスである必要があります。常に使い続けていただけるように、価格、機能、利便性などにもこだわっています。
Terra Motors株式会社
充電所へ到着したら車載充電器を接続し、アプリから充電開始ボタンをクリック。アプリで充電を途中で終了することも可能。

Terra Motorsの過去と未来

過去、大きな失敗を適切な対処で切り抜けたなどのエピソードはおありですか?

徳重:過去に、海外事業で予定されていた出資が突然頓挫したことがありました。完全に先方都合だったので、当時は非常に悔しい思いをしました。
しかし、たとえ失敗があっても会社が倒れないよう、常にバッファー経営をしています。リスクをとっても会社を安定的に運営することができる、資本体力の強靭さは我々の強みのひとつです。

現在我々が提供しているEV充電は、これから新たなインフラとなり、長い期間を共にする存在です。弊社はインフラの提供事業者として、企業としてのサステナビリティを実現することと、メンテナンスも含めて安定提供をするために日本製であることにこだわっています。

将来の日本のEVを取り巻く環境はどのようになると思われますか?

徳重:EVに乗る、EVを充電するということが当たり前の未来が来ると考えています。マンションの駐車場には、1車室に1基のEV充電設備が付き、夜寝る時にスマホを充電するのと同じように、家に帰ったらEVを充電するようになります。お出かけ先でもあらゆる場所で充電できるようになり、長距離移動後に宿泊施設や商業施設で充電をしたり、どうしても途中で補給が必要な際には、サービスエリアなどの急速充電設備を利用することもあるでしょう。それらすべて、みなさんが当たり前に、違和感なくやるようになると思っています。

また、「走る蓄電池」と言われるEVの電力を活用する動きも強まるでしょう。電力需給ひっ迫が取り沙汰される中でEVは普及しないと言われることもありますが、決して恒常的に電力が足りていない訳ではなく、ピークタイムは1%に満たないと言われています。そのピークタイムに、逆にEVから電力供給すれば、電力の安定化に寄与することができます。
他にも、災害時に電力を供給したり、電力を運んだりと、EVが身近にある環境がつくられれば、あらゆる社会課題の解決に繋がっていくだろうと考えています。

EV充電インフラ業界で貴社にもとめられる役割は何だと思いますか?

徳重:これまで、EVの充電インフラはなかなか普及してきませんでした。それは誰のせいでもなく、初期費用や維持費がかかる一方で、EVが少ない、つまりは充電ユーザーが少なく採算が取れないがゆえに、気軽に導入ができるものではなかったためです。
企業が事業として展開したとしても、利益を見込む必要があるため、費用面の導入障壁を下げることが非常に難しかったのです。誰かがやらねばならないならば、テラモーターズがやろうと、一大決心しました。当面の採算化が難しいため、資本と思い切りは必要ですが、だからこそ我々にしか出来ないのだと、毎日頑張っています。
Terra Motors株式会社
管理組合から駐車場での充電設備の設置を請け負い、テラモーターズ製EV充電器と、クラウド一括管理のためのIoT機器を設置します。

企業としての今後の方向性や在り方、または将来への展望などをお聞かせください。

徳重:日本のEV充電インフラとして、シェアを拡大しようとしています。すでに業界内外からご注目いただいており、2022年上半期で1500基というハイスピードの受注を達成しています。
日本中どこでもEVを身近に感じていただけるように、EVの充電にハードルを感じないでいただけるような環境をつくりたいと考えています。



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