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メーカーインタビュー
- 掲載:2023年09月01日 更新:2024年09月04日
繊維産業の抱えている環境問題から生まれた「NUNOUSⓇ」で人の新たな関係を結ぶ 株式会社セイショク
NUNOUSⓇ
NUNOUS®(ニューノス)は、布の色や質感を損なわないアップサイクル方法を可能にすることで、 「見えない大量の廃棄」を「美しく見える化」。見えない廃棄の存在を伝え、廃棄物と企業、 人の新たな関係を結びます。
NUNOUS®(ニューノス)は、布の色や質感を損なわないアップサイクル方法を可能にすることで、 「見えない大量の廃棄」を「美しく見える化」。見えない廃棄の存在を伝え、廃棄物と企業、 人の新たな関係を結びます。
- セイショク株式会社
- 代表取締役
姫井 明 - 〒700-0804
岡山県岡山市北区中井町2丁目8-7
TEL : 090-4133-1229 - http://seishoku.co.jp/company/
明治大学卒業後、丸美屋食品工業株式会社で勤めたのち、セイショク株式会社入社と同時に田窪株式会社へ出向。2011年セイショク株式会社岡山工場へ赴任。2012年31歳で11代目代表取締役社長に就任。2012年末より新規事業部門を立ち上げ、NUNOUS®(ニューノス)プロジェクトがスタート。
ワーキングユニフォーム生地や皮革の染色を得意分野として、色の再現性・安定性を技術面での強みとしているセイショク株式会社。「もったいない」から生まれた唯一無二のアップサイクル素材「NUNOUSⓇ」の開発の経緯から今後のビジョンについてセイショク株式会社の代表取締役、姫井様にお話を伺いました。
「もったいない」から生まれた「NUNOUSⓇ(ニューノス)」
新素材「NUNOUSR(ニューノス)」はどのようにして開発されたのでしょう
姫井:
布積層新素材「NUNOUSⓇ(ニューノス)」開発の背景には、繊維産業の抱えている環境問題と、廃棄する布が、「もったいない」から何とかして生かしたいという想いから。
染めた布の納品基準は日本では特に厳しく、「C品」とされた布は自社が買取の上、廃棄されます。布には複数の繊維が含まれるため、リサイクルが難しく、焼却処分にもなります。生じる温室効果ガスは日本だけでも年間約12億tにものぼると推計されます(※1)C品の少なさで実績を上げてきた弊社でも約1%の布を廃棄しています。
本業である染色事業は布の産地や気象条件に左右され、多くの熟練工を必要とする繊細な仕事です。「従業員が皆で一生懸命作ったものを、なぜ捨てなければならないのか?もったいない!」という想いからC品(=出荷規格外品)を活かす道を試行錯誤すること2年。
数百枚の布を重ねて固め削り出したところ、布の表情そのままに全く別ジャンルの素材が現れました。「キレイじゃないか、これだ!」繊維業界の垣根を越えた瞬間でした。
※ 1 経済産業省生産動態統計年報 繊維・生活用品統計編より算出
染めた布の納品基準は日本では特に厳しく、「C品」とされた布は自社が買取の上、廃棄されます。布には複数の繊維が含まれるため、リサイクルが難しく、焼却処分にもなります。生じる温室効果ガスは日本だけでも年間約12億tにものぼると推計されます(※1)C品の少なさで実績を上げてきた弊社でも約1%の布を廃棄しています。
本業である染色事業は布の産地や気象条件に左右され、多くの熟練工を必要とする繊細な仕事です。「従業員が皆で一生懸命作ったものを、なぜ捨てなければならないのか?もったいない!」という想いからC品(=出荷規格外品)を活かす道を試行錯誤すること2年。
数百枚の布を重ねて固め削り出したところ、布の表情そのままに全く別ジャンルの素材が現れました。「キレイじゃないか、これだ!」繊維業界の垣根を越えた瞬間でした。
※ 1 経済産業省生産動態統計年報 繊維・生活用品統計編より算出
「NUNOUSR(ニューノス)」の製法と、特徴を教えてください
姫井:
捨てられてしまう布を積み重ね、サトウキビの非可食部分由来のポリマーを含侵+圧縮させる特許製法を使います。圧縮し、積層面に対して、水平にスライスすることでゆがみやたわみが美しい模様となって現れます。
木目や大理石の柄は布の厚みや織り柄で変わり、2つとして同じ柄が生まれない有機的な美しさを生みだし、建築やインテリア業界を中心に次々と採用されるようになりました。
また、原料である布をクライアント由来の布に置換えオリジナルのアップサイクル(※2)品ができ、自ら使えることも他には無い大きな特徴。
ある大手ゼネコン様では、従業員が着古した制服で作ったオリジナルNUNOUSRを、エレベーターホールやトイレ、室名などのサインとして内装のアクセントにご採用頂きました。他にもホテルのベッドシーツ、企業ユニフォーム、アパレルの廃棄ウェアなど、1つ目の製品本来の役目が終えても、オリジナルNUNOUSRの原料にすることで、それぞれに新たな美しさが現れ、自分たちの廃棄品を美しく蘇らせ自分たちで使うという循環の強いストーリー性を表現できる点が強みになります。
※ 2 捨てられるはずの廃棄物を付加価値を付けて再利用し、新たな製品価値として生まれ変わらせること
木目や大理石の柄は布の厚みや織り柄で変わり、2つとして同じ柄が生まれない有機的な美しさを生みだし、建築やインテリア業界を中心に次々と採用されるようになりました。
また、原料である布をクライアント由来の布に置換えオリジナルのアップサイクル(※2)品ができ、自ら使えることも他には無い大きな特徴。
ある大手ゼネコン様では、従業員が着古した制服で作ったオリジナルNUNOUSRを、エレベーターホールやトイレ、室名などのサインとして内装のアクセントにご採用頂きました。他にもホテルのベッドシーツ、企業ユニフォーム、アパレルの廃棄ウェアなど、1つ目の製品本来の役目が終えても、オリジナルNUNOUSRの原料にすることで、それぞれに新たな美しさが現れ、自分たちの廃棄品を美しく蘇らせ自分たちで使うという循環の強いストーリー性を表現できる点が強みになります。
※ 2 捨てられるはずの廃棄物を付加価値を付けて再利用し、新たな製品価値として生まれ変わらせること
実際に使用された事例など教えて下さい
姫井:
マンションやレジデンスでの壁面装飾が多く、オフィスや商業空間の什器・ディスプレイ・家具の天板部などの表面材・仕上材としても実績多数です。ホテルのヘッドボードやルームサイン、ランプシェードや、各種サイン計画の素材としても実績が増えており、使い方は建築士様やデザイナー様のアイデア次第に対応できますので、まだまだ用途が拡がりそうです。
他の素材にはあまり見られない、汎用性の高い素材であることが特徴です。
他の素材にはあまり見られない、汎用性の高い素材であることが特徴です。
多くの注目を浴びる「NUNOUSR(ニューノス)」
お客様からは製品に対し、どのようなニーズや要望がありますか
姫井:
NUNOUSⓇは他にはない美しいアップサイクル素材ですので、より付加価値を付与したいと考えられる多くのデザイナー様から壁・床・天井に使用できないか?と沢山のお問合せを受けております。
ただ、残念ながら現段階では、準不燃認定を取得しておりませんので、インテリア関係でも可動物扱いできる製品に対してご使用頂けるものとなっております。多くの方から「壁面全体に使用したい」と準不燃認定取得を渇望されているのを日々感じておりますので、数年内に取得して、内装空間ならどこにでもご使用頂ける製品にしたいと考えております。
ただ、残念ながら現段階では、準不燃認定を取得しておりませんので、インテリア関係でも可動物扱いできる製品に対してご使用頂けるものとなっております。多くの方から「壁面全体に使用したい」と準不燃認定取得を渇望されているのを日々感じておりますので、数年内に取得して、内装空間ならどこにでもご使用頂ける製品にしたいと考えております。
百貨店やグローバルに展開するホテルへの導入や、アパレル分野の欧州トップブランドとコラボ商品のプロジェクトなど、業種の垣根を超えたSDGsを具現化する取り組みを進めている。
捨てられてしまう布からできる唯一無二の素材
NUNOUSR「ニューノス」は他の素材と比べて、どんな利点や優位性があるのでしょう
姫井:
捨てられてしまう布を原料にすることで「社会課題解決に正面から取り組んでいるストーリーに共感」しつつも、それを全く感じさせない「洗練された見た目の美しさ・独特のテクスチャー」を併せ持つ唯一無二の素材であることの2つの点を皆さん気に入って頂いております。
空間にアクセント+αの価値を付けられるだけでなく他には無いオリジナリティを打ち出せる事や、スライスするまで分からない意匠性もデザイナー様からはワクワクするとのお声も頂いております。
空間にアクセント+αの価値を付けられるだけでなく他には無いオリジナリティを打ち出せる事や、スライスするまで分からない意匠性もデザイナー様からはワクワクするとのお声も頂いております。
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建築建材メーカーに業界のこと、製品のこと、施工実績のことなど、モノづくり企業としての想いを語って頂くインタビュー記事です。