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家を建てたり、リフォームするのは一生にそう何度も経験できるものではありません。キッチンをもっと機能的に、そして愛着を持って長く使うためには、自分の好みや使いやすさを見極める力が必要になります。そんな選択を迫られる時はプロのアイデアを借りでみてはいかがでしょうか。

数多くの取材を重ねるジャーナリストの本間美紀さんが、選んだ理由を教えてくれました。

手元でカチカチ、吐水を開閉する感覚がこんなに心地いいなんて。最近、私のキッチンにはリズミカルな音が響いている。なんと水栓金具です。
ドイツのシャワー・水栓金具の老舗ブランド、アクサーの"チッテリオ セレクト"というもの。私は長くキッチンやその設備を取材しているのですが、この製品の説明を受けた時に、内心「面白いものが出た!」と思っていたのです。吐水口を引き出して、手元のクリックで水の出し止めしができるんです。

吐水口上部のボタンで水の出し止めができるので、カウンター上に濡れた手からの滴が垂れることがありません。

ひねる蛇口から、レバーを操作する水栓へ。そして今は使う人が手元で開閉できる機能へ。デザイン系の水栓金具は、ヘッド引き出し型が増え、ホースを伸ばして使うことが主流になっています。シンクの中を洗うのはもちろん、お鍋や電気ケトルにお水を入れる時もカウンターに置いたまま、水栓を伸ばせばいいのです。その時に手元で開閉ができるって本当に便利だと思いました。

実は私のキッチンはちょっと変わっていて、シンクに蓋をしてすっかり隠せるようになっています。これまではレバーを水栓側で開閉する一般的なタイプを使っていました。普通のキッチンなら全く問題ないのですが、うちの場合は蓋を閉めるのでワークトップに水栓を取り付けています。濡れた手でレバーを操作すると、どうしても水栓の根元に水がかかり、汚れがたまってしまうのが気になっていました。手元で開閉できるセレクト機能に変えてから、汚れもぐっと減ったのです。

もうひとつ気に入っているのは形です。オープンキッチンなので、水栓金具のフォルムが美しいことが大切でした。これはアントニオ・チッテリオのデザインで、キッチンのデザインを選ばずにタイムレスな感じがします。特にお気に入りは先端のT字型の形状。手にぴったりフィットし。水栓金具をこんな風に使う日が来るなんて、時代は変わりました。私の持論は「水栓金具はキッチンツール」。包丁やレードルやしゃもじのように、毎日手にとって使うもの。気に入ったものを選ぶことがとても大切だと思います。

今日もカチカチ、快適なキッチンワークです。

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