建築何でもQ&Aチャンネル

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2011-09-24 09:47:50
契約に関して
yumyum さん
建築主の契約に関して。

建築主は一定の規模の建築に対して工事の設計監理者を選任しなければならないとありますが、ここでいう「選任」の解釈を教えていただきたいです。

例えば建築主が建設業許可のみを持っている工務店に建築工事の依頼をした場合、設計・監理の契約は「設計・監理委託費用」として工務店と契約するかたちでよいのか、直接建築士と契約を結ばなければならないのかどちらなのでしょう。

明確に内容が明記されている条文などがあれば共に教えていただきたいです。
回答
回答数
1
【回答1】
小野誠一 さん
建築の「設計」「監理」は、建築規模によって、一級建築士、二級建築士、木造建築士のみでしか行ってはいけない業務になります。(建築士法第3条から第3条の三にあります。)しかし、この建築士法では、100㎡未満の木造建築の新築、増築、改築等は、対象になっていません。(セルフビルド可能なのもこの規模範囲内です。)この規模を超える場合は、建築士事務所登録をされた建築士でなければ設計をしてはいけないことになっていますので、基本的には、建築主さんが信用できる建築士さんを選んで業務をしていただくのが本来です。建築士は、公正に業務を行う目的のために作られている資格ですので、本来、建築主さんの側に立ち、工務店の仕事を第三者としてチェックする役割になります。ですので、建築主さんが信用できる人と直接委託契約を行うことが本来なわけです。
例えば、建築確認申請などの際、設計者名、監理者名など記載することになります。そして建築主さんの記名捺印で申請するわけですので、必然として選任していることになるわけです。
(ちなみに小さな増築などでも準防火地域指定内の地域でしたら、建築確認申請は必要です。)
なので、本来会ったこともない建築士が設計者として記載されている状況というのは、いわゆる「名義貸し」行為ということになります。この工事で問題が起きて建築主さんから訴えられた場合、記名の建築士の責任も逃れられません。
それでも世の中では、まだこうした関係で仕事をされている工務店とそこから仕事をもらっている建築士という図式が残って成立しているのは、両者の信頼関係という図式があってのことからだと思います。
建築士の設計監理は施工と分離すべき、とあちらこちらでも出てくると思いますが、それは、建築士の本来の役割によるところがあるからです。
どんな規模の内容か分かりませんが、最終的にはyumyumさんが納得して進められることが大切だと思いますので、率直に、工務店、そこに関わっている建築士にも実際にお会いして話をしてみることはしてみても良いのではないかなと思います。

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