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  • 掲載:2024年05月31日 更新:2024年07月09日

インテリアデザイナー飯島直樹氏の「デザイン手法出版記念の会」イベント参加レポ

インテリアデザイナー飯島直樹氏の「飯島直樹のデザイン手法出版記念の会」開催|すまいリング(Special Interview)
2024年5月17日(金)東京デザインセンター(ガレリアホール)にて「Melting Function/溶ける機能ー飯島直樹のデザイン手法」の出版記念の会が開かれました。

溶ける機能の著書である飯島直樹は、武蔵野美術大学工芸工業デザイン専攻卒業。
時代を急激に駆け上がる西武百貨店に所属。1976年にスーパーポテトに飛び込みます。
本書のインタビューで触れているようにスーパーポテトの暴力的な今までの、生々しいデザインの現場を経験し、1985年に飯島直樹デザイン室を設立。自らのデザインを構想します。

初期と中期までの仕事を印象記録のように振り返る、最初の著作『カズイスチカ』を2010年に刊行。『カズイスチカ』に続く、2冊目のモノグラフ『Melting Function/溶ける機能』の刊行を記念し、以下の方々を発起人として開催されました。
発起人
乃村工藝社A.N.D小坂竜、建築家 東京大学名誉教授 難波和彦/
建築家・プロダクトデザイナー 二俣公一/
コンテンポラリーデザインスタジオディープラス 林登志也/
日本デザインコンサルタント協会代表 船曳鴻紅/
インテリアデザインマガジンアイドレート編集長 山倉礼士/
松下産業代表取締役社長 百田貴宏 (五十音順)


本の紹介の中で、『Melting Function/溶ける機能』のタイトルに関しては生みの親である笹山央氏(かたちブックス主幹)より語られています。

「本をつくるにあたって、(飯島さんの)過去の文章とかエッセイ、対談で発言されていることなど色々と記録を読んでいて、流れとか動きのデザインとかそういう表現がよく見られました。要するに流動性やそういう流れとかのコンセプトがありました。 それらの動きの中に機能が溶けているという決定な表現されている箇所があってこれだ!と思ったんです。

工芸の世界には「用の美」という言葉にあるが、現代の工芸は、否定したり肯定したり。そこによりかかったりして、「用の美」を対立的に捉えていく。無限論的に捉えていくそういう紹介がありますけれども、何となくそれが窮屈な感じをずっと持っていましたので、動きの中に機能が溶けているという表現がそうだこれだと思いました。」

用の美とは・・
道具は使われてこそ美しいという考え方で、実用性の中に美しさがあるという意味。民藝運動の創始者である柳宗悦(やなぎ むねよし)は、美術品とは異なり、実用性を備えた日常の生活道具に宿る「用の美」を説いています。


飯島直樹氏と難波和彦氏とのミニトークセッションや、本を出版した経緯についてのお話等もありました。
※詳しくは、『Melting Function/溶ける機能』にて語られております。


出版記念会には、合計200人以上の方々が集まり、飯島氏のお人柄やインテリア業界を率先され、数多くのデザイナーに影響を与えられてきた偉大さをより実感する機会となりました。


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2010年から2023年にかけて手掛けたSTONES(FRAME AWERDS受賞)、工学院大学、オフィスビルPMOなどのインテリアデザインである作品をとりあげ、飯島氏のデザイン観を語るロングインタビューや作品解説や評論などが収録されています。 
飯島直樹(いいじま なおき)プロフィール
1949年 埼玉県生まれ
1973年 武蔵野美術大学造形学部産業デザイン科工芸工業デザイン専攻卒業
1976〜1985年 スーパーポテト
1985年 飯島直樹デザイン室設立
2004〜2014年 社団法人日本商環境設計家協会
(現・一般社団法人日本商環境デザイン協会(JCD))理事長
2008〜2014年 KU/KANデザイン機構理事長
2011〜2016年 工学院大学建築学部教授
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