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- 掲載:2024年07月31日 更新:2024年11月07日
【会期は8月25日(日)まで!】WHAT MUSEUM「感覚する構造 - 法隆寺から宇宙まで -」を開催中 寺田倉庫株式会社
WHAT MUSEUM 展示風景 「感覚する構造 - 法隆寺から宇宙まで -」
Photo by ToLoLo studio
寺田倉庫株式会社(代表取締役社長:寺田航平)が運営する「WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)」は、2024年4月26日(金)から8月25日(日)まで「感覚する構造 -法隆寺から宇宙まで -」を前期展の「感覚する構造 - 力の流れをデザインする建築構造の世界 -」から作品を大幅に入れ替え、スケールアップして開催。
建築の骨組みを創造してきた「構造デザイン」に視線を向けた展覧会となっており、現存する世界最古の木造建築「法隆寺五重塔」から、現在開発中の月面構造物までの貴重な構造模型総数100点以上が、一気に見られる展覧会となっており、圧巻です。
建築の骨組みを創造してきた「構造デザイン」に視線を向けた展覧会となっており、現存する世界最古の木造建築「法隆寺五重塔」から、現在開発中の月面構造物までの貴重な構造模型総数100点以上が、一気に見られる展覧会となっており、圧巻です。
展覧会風景
開催中の展覧会では、建築家の仕事を支える構造家の知られざる観点を見られると共に、専門性の高い構造デザインの世界を建築の「骨組み」の模型を見たり模型に触れたりと建築の仕組みが体感できます。
WHAT MUSEUM 展示風景 「感覚する構造 - 法隆寺から宇宙まで -」
Photo by ToLoLo studio
WHAT MUSEUM 展示風景 「感覚する構造 - 法隆寺から宇宙まで -」
Photo by ToLoLo studio
重力や風力といった力の流れや素材と真摯に向き合い時代とともに創造してきた構造デザインの仕組みを分かりやすく紹介しています。
また、後期展ではサステナブルな建材として注目が高まる木材を用いた建築に着目し、
未来の木造建築の可能性を考察しています。
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なぜ今、木造建築に注目が集まっているのか?
木材は再生可能な資源であり、金属類やコンクリートなどに比べて製造や加工に必要なエネルギーが少ないことが特徴です。木造建築は二酸化炭素を吸収した状態の木材を使用することで長期間炭素を固定することが可能であり、脱炭素に貢献するサステナブルな建物であるともいえます。
また、木材を活用し適切に森林を循環させることは環境の保全につながります。木は環境の変化を受けやすい素材ですが、構造上の工夫を加えることで、その特性を補うことができます。さらに、木質建材の発展や法改正を受け、木造建築は進化し続けています。近年では、新しい材料を用いた「STROOG社屋」や、「水戸市民会館」、「Port Plus 大林組横浜研修所」のような大型の木造建築が増えています。
日本には古くから木造建築が多く、特有の技術が蓄積されており、さまざまな技法や構造があります。本展では、小さな木材を組み合わせている「錦帯橋」や「エバーフィールド木材加工場」、直径1.2m程の大きな柱を用いた「東大寺大仏殿」などの模型を通して、同じ木造建築でも木材のサイズや構造に違いがあることがわかります。
また、木材を活用し適切に森林を循環させることは環境の保全につながります。木は環境の変化を受けやすい素材ですが、構造上の工夫を加えることで、その特性を補うことができます。さらに、木質建材の発展や法改正を受け、木造建築は進化し続けています。近年では、新しい材料を用いた「STROOG社屋」や、「水戸市民会館」、「Port Plus 大林組横浜研修所」のような大型の木造建築が増えています。
日本には古くから木造建築が多く、特有の技術が蓄積されており、さまざまな技法や構造があります。本展では、小さな木材を組み合わせている「錦帯橋」や「エバーフィールド木材加工場」、直径1.2m程の大きな柱を用いた「東大寺大仏殿」などの模型を通して、同じ木造建築でも木材のサイズや構造に違いがあることがわかります。
WHAT MUSEUM 展示風景 「感覚する構造 - 法隆寺から宇宙まで -」
Photo by ToLoLo studio
注目してほしい!ピックアップポイント
ある大工がたった1人で制作。法隆寺五重塔模型1/10
法隆寺五重塔模型 1/10
所蔵 :本多哲弘
制作 :田村長治郎
写真 :稲口俊太
制作 :田村長治郎
写真 :稲口俊太
「法隆寺五重塔」の模型は、田村長治郎さんという大工が図面から一人で制作したものです。田村氏は伝統的な建築にも関わった経験があり、現存する世界最古の木造建築である法隆寺に興味を抱きました。「どうやって作ったのかを知りたい、一度自分で作ってみたい」という好奇心から、昭和九年から行われた「昭和の大修理」の資料を取り寄せ、部材をひとつずつ作り、組み上げました。当時の実測の記録から数値を割り出す過程で、数値的な構造の美しさに気付き、建立時(飛鳥時代)の技術の高さに改めて驚きを覚えたといいます。
現存する五重塔は、度重なる地震にも耐えています。その理由は、塔の上から下まで通った心柱(しんばしら)が制振構造のような動きをしているためと言われています。この仕組みは、東京スカイツリーにも応用されています。本展では、法隆寺の鍵となる骨組みを、古代から近代までの幅広い木造建築の模型と比較しながら鑑賞することができます。
現存する五重塔は、度重なる地震にも耐えています。その理由は、塔の上から下まで通った心柱(しんばしら)が制振構造のような動きをしているためと言われています。この仕組みは、東京スカイツリーにも応用されています。本展では、法隆寺の鍵となる骨組みを、古代から近代までの幅広い木造建築の模型と比較しながら鑑賞することができます。
実は身近な「構造デザイン」
月面構造物(飛び移り試験用実大モックアップ/滞在モジュール)
東京大学大学院 新領域創成科学研究科 佐藤淳研究室
写真 :稲口俊太
写真 :稲口俊太
日常生活において、私たちは無意識に構造デザインに触れています。家をはじめとする建物はもちろん、身の回りのさまざまなものも力の流れを考慮した構造になっています。例えばキャンプに行くときには、テントをコンパクトに畳んで持ち運び、目的地で広げてその中で過ごすことができます。畳んだ状態から展開すること、また広げて安定させるということには、どちらにも構造の考え方が見て取れます。
これに通じるのが、JAXAと東京大学大学院 新領域創成科学研究科の佐藤淳准教授らが開発中の「月面構造物」です。月での長期滞在を想定したものですが、実現するには建築材を軽量かつ小型化し、ロケットで月に運ぶ必要があります。また、宇宙空間においては作業の工程を少なくし、スムーズに展開することが求められます。そのために、「飛び移り現象」が活用されます。これは、凹凸のある面で裏返りが生じる現象であり、髪を留めるピン(パッチン留め)の動きでもみられます。
このように身の回りの物事を紐解くと、物にかかる力の流れや物の仕組みが明らかになります。構造デザインは、建築物以外にも有効な視点といえるのです。本展では、月面構造物の開発過程を模型でみることができます。紙やプラスチック、アルミなどのさまざまな材料を使い、より小さく折りたたんで、月面で展開するための構造を試行錯誤してきた様子を展示しています。
これに通じるのが、JAXAと東京大学大学院 新領域創成科学研究科の佐藤淳准教授らが開発中の「月面構造物」です。月での長期滞在を想定したものですが、実現するには建築材を軽量かつ小型化し、ロケットで月に運ぶ必要があります。また、宇宙空間においては作業の工程を少なくし、スムーズに展開することが求められます。そのために、「飛び移り現象」が活用されます。これは、凹凸のある面で裏返りが生じる現象であり、髪を留めるピン(パッチン留め)の動きでもみられます。
このように身の回りの物事を紐解くと、物にかかる力の流れや物の仕組みが明らかになります。構造デザインは、建築物以外にも有効な視点といえるのです。本展では、月面構造物の開発過程を模型でみることができます。紙やプラスチック、アルミなどのさまざまな材料を使い、より小さく折りたたんで、月面で展開するための構造を試行錯誤してきた様子を展示しています。
寺田倉庫が「建築模型」にフォーカスする理由
建築模型は、設計者の思考プロセスを伝える重要な資料としてアーカイブの価値が高まっています。しかし、その形状やサイズにより国内では保管スペースの確保が難しく、十分に模型が保管されてこなかったという背景があります。
そこで、寺田倉庫は2016年にWHAT MUSEUMの前身である「建築倉庫ミュージアム」をオープンしました。「保管=展示」をコンセプトに、適切な温度・湿度、照度を保つ空間で建築模型の保管・展示をはじめました。現在はWHAT MUSEUMの「建築倉庫」にて、建築家や設計事務所からお預かりした600点以上の建築模型を保管し、その一部を公開しています。
そこで、寺田倉庫は2016年にWHAT MUSEUMの前身である「建築倉庫ミュージアム」をオープンしました。「保管=展示」をコンセプトに、適切な温度・湿度、照度を保つ空間で建築模型の保管・展示をはじめました。現在はWHAT MUSEUMの「建築倉庫」にて、建築家や設計事務所からお預かりした600点以上の建築模型を保管し、その一部を公開しています。
WHAT MUSEUMについて
2020年12月、東京・天王洲にオープンした「WHAT MUSEUM」。寺田倉庫が作家やコレクターからお預かりしている貴重なアート作品を中心に公開する芸術文化発信施設。倉庫会社としての美術施設はどう在るべきかを模索し、たどり着いたのは「倉庫を開放、普段見られないアートを覗き見する」というユニークなコンセプト。
作家の思いはもちろん、作品を収集するコレクターのこだわりを大切な作品とともに展示。アートとの出会いの場を創出します。倉庫内で静かに光を放つ文化的価値を暗示した、WHAT(WAREHOUSE OF ART TERRADA)の名のもとに展示されるのは、平面や立体のアート作品をはじめ、建築模型、写真、映像、文学、インスタレーションの数々。
これらの多様な芸術文化を、倉庫会社ならではの美術館のかたちとして、新たな切り口で企画・展示を行っています。
作家の思いはもちろん、作品を収集するコレクターのこだわりを大切な作品とともに展示。アートとの出会いの場を創出します。倉庫内で静かに光を放つ文化的価値を暗示した、WHAT(WAREHOUSE OF ART TERRADA)の名のもとに展示されるのは、平面や立体のアート作品をはじめ、建築模型、写真、映像、文学、インスタレーションの数々。
これらの多様な芸術文化を、倉庫会社ならではの美術館のかたちとして、新たな切り口で企画・展示を行っています。
開催概要
展覧会名
感覚する構造 - 法隆寺から宇宙まで -
開催場所
WHAT MUSEUM(〒140-0002 東京都品川区東品川 2-6-10 寺田倉庫G号)
開催日
2024年4月26日(金)~8月25日(日)
※月曜休館(祝日の場合、翌火曜休館)
※月曜休館(祝日の場合、翌火曜休館)
入館時間
火曜—日曜 11:00 — 18:00(最終入館 17:00)
入館料
一般:1,500円
大学生/専門学校生:800円
高校生以下:無料
大学生/専門学校生:800円
高校生以下:無料
アクセス
東京モノレール 天王洲アイル駅 徒歩5分
東京臨海高速鉄道りんかい線 天王洲アイル駅B出口 徒歩4分
JR品川駅 港南口 徒歩15分
東京臨海高速鉄道りんかい線 天王洲アイル駅B出口 徒歩4分
JR品川駅 港南口 徒歩15分
公式サイト
あとがき
寺田倉庫が運営するミュージアムにて期間限定の展覧会です。
普段なかなか見る機会がない模型をじっくりと見る事が出来、日常生活にある建物を上から見てみることで見えてくるもの、どうやって考えられ作られたかなど、新たな発見や出会いを楽しむことができます。
是非この機会に訪れてみてはいかがでしょうか。
是非この機会に訪れてみてはいかがでしょうか。