- 掲載:2024年06月13日 更新:2024年12月05日
遊具を介して心と身体の成長、そして学年をこえた交流を目指す 立教女学院小学校 ✕ 株式会社アネビー
- 立教女学院小学校
- 校長
児玉 純 - 東京都杉並区久我山4-29-60
TEL:03-3334-5102 - https://es.rikkyojogakuin.ac.jp/
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東京学芸大学卒業。
東京都の公立小学校で42年間勤務し、コロナ禍真っ最中の2021年4月に立教女学院小学校校長に着任。
「讃美と祈り、笑顔があふれる立教女学院小学校」を合い言葉に、子ども、保護者、教職員全てが信頼し合える学校作りを目指す。
- 株式会社アネビー
- 東京支社/営業課係長
廣瀬 紅絹 - 東京都渋谷区元代々木町33-8
元代々木サンサンビル5F
TEL:03-3465-4828 - https://aneby.co.jp/
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自分自身が幼少期にアネビーの遊具で遊んでいたことや、学生時代に幼児教育を学んだ経験から2016年にアネビーに入社。現在は都内の小学校、幼稚園、保育園への営業を担当。
プライベートでも、子どもの野外キャンプのスタッフを務める。
新たに導入した遊具を通して成長していく子どもたちへの想いや遊具の評判、導入した経緯についてお話を伺いました。
対談(立教女学院小学校 ✕ 株式会社アネビー)
大人の介入しない遊びの中で子どもは成長する
廣瀬
貴校におかれましては、子どもたちの心と身体の健やかな成長を考慮した学校環境へのこだわりをお持ちのことと思います。今回、遊具の入れ替えという形で「アネビーの遊具」をご導入いただきましたが、そのきっかけとなった、学校環境についての理念や展望などについてお話をお伺いできればと思います。
児玉校長
学校の基本的な考え方として、「子どもは遊びの中で育つ」という理念があります。もちろん学習の中で、こちらが意図的にいろいろな仕掛けをするというのも大事ですが、子どもというのは、遊びの中でいろいろ身体の動かし方を学び、それに伴ってだんだん体力がついてきますし、遊びの中で人間関係も出来上がっていきます。自分も小さいころに経験がありますが、子どもは遊びの中でいろいろ工夫したり、いたずらしたり、喧嘩したり、そしてまた仲直りしたりと、大人が介入しない中でいろいろできるようになり、成長するものです。
本校の低学年のカリキュラムの中に「なかよし」という授業があります。「なかよし」は担任も一緒にいろいろな遊びをする中で、環境を作り、学級を作っていこうという時間です。そのように本校では遊びというものをとても大切に考えています。
独自性のある遊具を取り入れたい
廣瀬
今回、その環境を遊具の入れ替えという形で変化させているわけですが、その際のこだわりなどはございましたか。
児玉校長
本校において特別な独自性というものが欲しかったということです。
前の遊具を導入した際も、おそらく小学校としてはかなり先進的な取り組みだったと思います。
そういう意味で注目も浴びていましたし、実際に導入してみたら、大変良かったというのもありました。その後、他校においても、いろいろ導入していると伺いましたが、やはり本校ならではの遊具ができたらよいな、という願いが大きかったと思います。
きっかけは遊具の老朽化
廣瀬
今回遊具を入れ替えることになった直接のきっかけをお教えください。
児玉校長
それは遊具の老朽化ですね。部分的にガムテープを巻いたり、木の部分がささくれになってしまったり、ねじがゆるくなり浮いていたなどという箇所もあり、修理しながら使っていました。設置してから10年以上経っていましたので、前々から「そろそろ入れ替えですね」という声も多くなっていました。
藤原(建材ナビ)
その中でやはり先生方も、どういった遊具があるのだろうかなどと調べられたのですね。
児玉校長
はい、皆でいろいろ調べました。アネビーさんについては、建材ナビでネット検索して連絡先を知りました。
廣瀬
建材ナビに掲載してよかったです(笑)老朽化がきっかけであり、いくつか候補を上げていく中でアネビーのことをみつけてくださったということですね。
児玉校長
正直言いまして、前の遊具は子どもたちもとても愛着を持っていて、大好きな遊具でした。しかしいろいろと安全性などを考えた結果、入れ替えることになりました。
遊び方が無限大にある遊具作りを目指す
廣瀬
実際に出来上がった環境や遊具などを見た時のご感想などはありますか。
児玉校長
高さもありましたし、大きくなったなというのが第一印象ですね(笑)
廣瀬
先生も子どもたちが遊んでいない時や遊ぶ前などに、遊具をお試しになりましたか。
児玉校長
はい、ちゃんと教員全員で試しましたよ(笑)
二学期の始業式の時ですが、子どもたちに「新しい遊具ができたよ。みんなに公開する前に、先生たちも皆でちゃんと安全に使えるかどうか試してみたから、もう大丈夫だよ」と言いましたら、子どもたちは「きゃー!わー!ずるーい!」など、どう見ても先生たちが遊んでいてずるいという反応でしたね(笑)
廣瀬
大人の先生方も楽しまれたということですね。
児玉校長
特に小学生がいない時は中高生もよく遊んでいますよ。
廣瀬
年齢問わず楽しめる、遊べる、いろいろな年代の方が遊べるというのも私どもの遊具の一つの特徴かなと思います。遊び方に一定のルールはなく、どこからでもアプローチできて、自分たちの創意工夫で遊び方が無限に増える。そんな遊具づくりを目指しています。
児玉校長
わたしは一度、4年生に誘われて鬼ごっこをやりました(笑)
遊具を巡って生まれる他学年との交流
廣瀬
子どもたちが前の遊具をとても大切にしていたというエピソードを先ほどおっしゃっていましたが、新しい遊具が導入され、子どもたち自身の遊びの様子の変化などが感じられるところがあればお聞かせください。
児玉校長
変化と言えば、新しいというのもあると思うのですが、休み時間になると遊具に向かって一気に集まってきます。学校の伝統として6年生が1年生のお世話をするという校風があるのですが、それだけではなく本当に、学年を問わず皆が一緒に遊んでいます。「オービット」などは、6年生が回してあげることもあれば、逆に1年生が回してあげるなど、学年をこえた交流ができています。
今、6年生と面談しているのですが「卒業までに何をしたい」と聞くと、学年をこえて今まであまり話したことがない低学年の子たちや中学年の子たちと仲良くなりたいという話をしていますので、やはりそのためにもこのような交流は大変よいことだと思います。
廣瀬
回転する「オービット」や「フレディ」のような揺れるものは、多人数で遊べるのが特徴かなと思いますが、学年をこえた交流などは、このような遊具がきっかけになるのでしょうか。
児玉校長
他の遊具でも低学年と高学年の交流は見られるのですが、特にこの揺れる遊具は低学年の子だと、力が足りなくてあまり揺らせないので、上級生に「揺らして」と声を掛けることで、良い関係性が生まれることはよくあります。
遊びながら、基礎的な動きを身に付けられる
廣瀬
保護者の方々も、お子さんたちが遊具で遊んでいるのを見る機会などあるのでしょうか。
児玉校長
はい、授業参観などの時に見る機会はあります。また、校舎見学の際に今年受験する子どもたちも遊ぶことができるのですが、受験生の親御さんも「校庭で遊んでいる子どもたちが楽しそうですね」「子どもにとって魅力的な遊具ですね」などと言ってくださいました。
廣瀬
遊び場が充実していて魅力的だなと、思われたのでしょうね。
児玉校長
受験当日集まった受験生の子どもたちが、遊具で一緒に遊ぶうちに、お互いにコミュニケーションが生まれ、お友達が出来てしまうので帰りたがらないという話もよく聞きます(笑)
在校生の保護者の方々も、先ほど話したように、休み時間などを見る機会があれば、子どもさんが自分の学年だけじゃなくて学年問わず遊んでいるというのを見るとやはり嬉しいと思っていただけるのではないでしょうか。
廣瀬
親御さんにも気に入っていただけたというのも嬉しい限りです。ほかに、
気が付かれたことなどはございますか。
児玉校長
そうですね、前の遊具も子どもたちは大好きだったのですが、「オービット」は想像以上にすごく回るので、子どもたちは飛ばされないよう必死でしがみついています。わたしも最初乗った時はギブアップしましたね(笑)
でも、こういう遊具はメーカーさんの狙いどおりだと思うのですが、普段使わないような筋肉を使ったり、全身を動かしたりという基礎的な動きを身に付けることができます。昔の子どもたちが遊びの中で自然に身に付けていた、よじ登る、潜り抜ける、ぶら下がるなど、今の子どもたちの生活の中ではほとんど無い動きを、経験させてくれるのですから、いいですね。
廣瀬
先程、お話に出てきた「高さ」についてですが、高さを作るということは自然な遊びの中ではなかなか難しいと思います。学校に高い場所があることで高さに対する自分の限界を知ったり、回転や揺れの体験を通して危険察知能力を高めたりできることは大変良いことだと思います。
児玉校長
そういう色々な体の動き、くるくる回ったり、フワッと動いたりというのは大事なのですが、学習の中でやらせようと思っても、怖いと思った子どもはできなくなるのですが、遊びの中でやれば、少しずつでも自然にできるようになっていくというメリットがありますね。
廣瀬
そうですね、前回見学させていただいた時に感じたことなのですが、低学年のお子さんは、公園や身近なところで遊ぶ機会があると思うのですが、高学年になるにつれ、そもそもあまり公園などに行かなくなりますよね。でも高学年になっても、ああやって気兼ねなく遊具で思い切り遊べるというのは、いいことだと思います。普段できない動きが思い切りできるという環境は、年齢が上がれば上がるほど楽しいのではないかと思います。
児玉校長
そうですよ、放課後になると低学年がいなくなるので、もう高学年が我が物顔で遊んでいますね(笑)自分達で楽しめる遊びっていうのをやっていますが、それはそれで楽しそうです。
コンセプトで選びぬかれた遊具
廣瀬
最後に、今回多くの他企業の中から、アネビーの遊具をご採用いただいた決め手を教えていただけますでしょうか。
児玉校長
今回の採用に当たっては教員全員に意見を聞きました。本当に様々な意見が挙がったのですが、決め手は「プレゼンテーション」ですね。正直言いまして最初は、大半の教員が以前のメーカーを推していたのです。
廣瀬
やはりこれまで使ってきた信頼感もありますよね。
児玉校長
「三本の木」というコンセプト~感覚とからだ遊びが育む根っこ力~が決め手でしたね。このコンセプトを出してきたので、あれで教員たちは「なるほど」となりました。
廣瀬
ますますこれから遊具を通して、お子さん達の健やかな体の発達と、それに伴う心の発達をサポートするお手伝いができればいいなと思っております。
本日はありがとうございました。
児玉校長
こちらこそありがとうございました。
昔話から誕生した「THREE TREES」
インタビュー(株式会社アネビー)
今回、立教女学院小学校様に採用された遊具について教えてください
廣瀬
3つのタワーを有する"UniPlay複合遊具"には、多数の昇り降りのアイテムが付いています。タワーにつながるタテの動線と、渡りアイテムによるヨコの動線がぐるぐると絡み合い縦横無尽な遊び動線を生み出します。
「タテ」「ヨコ」の回遊性のある遊び動線には、からだをダイナミックに動かす「クライミングウォール」や、ネットの上にゴロンとなってまどろむ「フラットネット」など、「動」と「静」の遊びが混在しており、メリハリのある遊びが体験できます。
そして、身体を思いっきり動かしてあそぶ『動の遊び』、何かに見立てたごっこ遊びや1人もくもくと集中して遊ぶための『静の遊び』、どちらの要素も遊具に必要と考え、設計しています。
"フレディ"の大きな長方形の座面は、小さな子や座位がとれない子、医療機器を常時つけている子でも乗れるように設計しています。どんな特性の子どもでも「一緒に」を実現します。
"オービット"は、天体の軌道のように、遊ぶ子どもに応じた速度でぐるぐる回して楽しむ回転遊具です。1 ~多人数で多種多様に遠心力を楽しみ、瞬発力を鍛えます。
立教女学院小学校様とお仕事に至った経緯を教えて頂けますか
廣瀬
今回入れ替えをした元々の遊具を15年程前に入れる際にお問い合わせをいただいており、その時は弊社遊具の納品には至りませんでしたが、その頃から弊社を知っていただいていたとお聞きしております。
今回、建材ナビのサイトを通してカタログ請求をしていただき、その後お話を伺い、ご提案をさせていただけるという形になりました。
コンペ形式で複数社のプランから、弊社のプランをお選びいただきました。
遊具納入の前に、立教女学院小学校様からのご要望などありましたか
「いまの遊具から難易度を落としたくない」こと、「落下した場合の安全対策をしてほしい」の2点をご要望いただきました。
立教女学院小学校様へプレゼンテーションをするにあたり特に意識したことがありましたら教えてください。またプレゼンテーションの雰囲気はどうでしたか。
廣瀬
弊社では『新五感』と呼んでいる『発達と遊びの関係性』についてのご説明に時間をかけてお話させていただきました。プラン内容としては、遊具を通じて得られる「運動」「挑戦」「協力」は、学校の教育目標である「健康で明るい子」「積極的な行動をとる子」「周囲の人を大切にする子」とも連動するように提案させていただいた旨や、校庭にある3本のシンボルツリーをイメージして3つのタワーを中心に設計させていただいたこと等をご説明しております。
プレゼンテーション時は、質疑応答の時間に沢山の先生方から様々なご質問をいただき、緊張感はありながらも和気あいあいとした雰囲気でした。
教育施設向けの遊具について貴社のこだわりなどをお聞かせください
廣瀬 遊びを通して、子どもたち一人ひとりが自分の潜在能力を引き出し、独自の価値観を見つけ出せるような遊具に焦点を当て、その設計に取り組んでいます。
貴社の今後の展開、または将来の展望などをお聞かせください
廣瀬
アネビーは「子どもの遊びを真剣に考える」という考えを持ち、全国の幼稚園や保育園、公園、商業施設など、たくさんの遊び場を手掛けています。数多くの幼稚園や保育園での遊び環境づくりのノウハウを活用し、商業施設向けのキッズスペースや発達支援施設向け室内環境づくりにも役立てています。
アネビーは、「園の文化を育み伝え、物語が生まれる遊び場」を創りたいという想いで、これまで多くの園庭や遊び場、保育室を生み出してきました。その背景には、「遊び環境を遊具の力」で変えることができると考えるからです。
近年、あらゆる人が一緒に遊べるインクルーシブな遊び場や、保護者同士の憩いの場にもなる子育て支援施設などのご依頼も増えております。時代や地域のニーズに寄り添いながら、今後も子どもたちの発達に貢献していけるよう、尽力いたします!土台を作るのは遊びから。
これからも遊びを真剣に考え、質の高い教育空間を生み出していきます。
遊び場のことなら、なんでもご相談ください。