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メーカーインタビュー
  • 掲載:2023年09月16日 更新:2024年09月04日

地域に密着したものづくりのエキスパートとして、新たに3Dスキャナーを導入
株式会社ヒラミヤ

株式会社ヒラミヤ
メルセデスベンツ和歌山
日本最大級の体験型ショールームのレストランにマッチするカウンター製作。直線を基調とする幾何学的なデザインは、ヒラミヤだからこそ実現できるアルゴリズムによる設計。

株式会社ヒラミヤ
株式会社ヒラミヤ
代表取締役
平宮 健美
〒213-0032
神奈川県川崎市高津区久地3-4-1
TEL : 044-811-5760
https://www.hiramiya.co.jp/
グラフィック工学科を卒業後、家業である町工場の板金屋に就職。 幼少期に経験をした地域のお祭りでのイベント終了後の達成感が忘れられず、ものづくりの面白さや難しさを若者たちに伝え続けている。 先人に感謝をして、最新の技術と組合わせたものづくりに日々挑戦中!

創業から50年、金属加工の技術とデジタルテクノロジーを融合した工業製品から建築空間までを提案している株式会社ヒラミヤ。持続可能な社会に貢献できるものづくりへの想いを胸に、地域住民に向けたオープンファクトリーやイベントへの参加など、ものづくりの楽しさや創造性を次世代の人たちに伝えることで地域産業の活性につながることを目指している株式会社ヒラミヤの代表取締役、平宮様にお話を伺いました。

デザインアワード金賞を受賞したメルセデスベンツ和歌山様のカウンターテーブル

メルセデスベンツ和歌山様のカウンターテーブルを作成されたプロセスとコンセプトをお聞かせください

平宮:建築事務所(施主)からのコンセプト・意匠・ご要望をカタチにするという大前提を基に次の3点を条件として作成に当たりました。

❶メルセデスが表現するカウンターであるため、カウンターテーブルは蹴とばしても凹まないこと。
❷つなぎ目は、シャープであること。
❸要所要所に合わせた形状の変更が可能であること。

どのような加工方法でしたか。

平宮:加工方法は、次の3点です。

❶ライノのグラスホッパーと手加工の金物加工技術を組み合わせたものづくり。
❷3角1枚が約40㎏×4.5㎜の鋼板の目地はピン角に仕上げている。
❸すべてを仮組することで、現場で組み立てが出来ないことは発生しない。

重厚で強靭なカウンターでありながらも、シャープで繊細なラインを表現出来ていることで、レストランにご来場されるお客様のメルセデスに対するイメージをカウンターテーブルが表現出来ていると感じています。

この作品で、建築事務所さんがデザインアワードで金賞を受賞されたとのことですが

平宮:私たちを活用頂けたことで建築事務所が金賞を受賞出来たことは、私たちにとっても嬉しいことです。ご依頼者の作品に掛ける思いをカタチに出来たことは、今回の受賞につながったと思います。

3D技術を活用したものづくり

これからのものづくりへの取り組みで大切なことは

平宮:私たちは次世代を担う人たちと地球を守るために事業を営む企業として活動を続けます。
また、3D技術を活用したものづくりによるムダの削減や廃材の再利用にも尽力しています。具体的な事例は比較をしていないので不明ですが、金属の廃材はすべて溶かして再利用するなど、余分な部材購入削減・人工時間削減・工期短縮・廃材削減を可能としています。

作業効率をあげる「大豆選別機」の販売

食の循環を見直すという「大豆プロジェクト」について教えてください。

平宮:参画することになった背景として、自然栽培農家の方より大豆を栽培するにあたり、一番大変な作業が大豆の選別と聞き、機械化出来ないかと相談を受けたことが最初です。

現在、全国北は北海道から南は鹿児島まで、無農薬や有機栽培をされている個人の農家の方たち11件に販売をしてきました。まだまだ、自給率向上にはお役に立っていませんが、販売をしてきた現地の農家の方たちは、それぞれの地域で色々な取り組みをされており、人間として地球に存在する価値を有効に活かせないかと考えるきっかけを頂ける方たちばかりです。

また、唯一販売をした皆さんからお言葉を頂きますことは、冬場の寒くて暗い家の中で、老婆と老女が少しずつ大豆を選別して3か月掛かっていた作業が、3日で終わると喜んで頂けることです。
大豆選別機
大豆選別機
収穫した大豆を、そのまま食用として販売する大豆、加工用として利用する大豆、肥料として利用する大豆に分ける機械

差別のない職場環境づくりと地域のコミュニティー活動の活性化を目指す

地域に密着したものづくりのエキスパートとして心掛けていることは

平宮:まず第一に、差別のない職場環境づくりを目指しています。人は得意・不得意がありますが、得意な点を伸ばすことが出来れば、誰でも活躍出来るチャンスがあると考えます。
第二には、地産地消を目標に、地域のコミュニティー活動の活性化に貢献します。現在の工場の地域は、準工業地域です。隣の町工場の仕事は何をしている企業なのか、互いに知り合うことで、何かあった際には協力し合えることが出来ます。

次世代を担う人たちには、ものづくりの楽しさを伝えたいと思います。更に、近くの町工場に興味を持ってもらえれば、近隣の町工場に就職をして、家庭を持ち、子供を育て、次の世代につなげていく流れが作れることを目標に活動に参加しております。
地域コミュニティとの交流
地域コミュニティとの交流
地域住民に向けたオープンファクトリーやイベントへの参加など、ものづくりの楽しさや創造性を次世代の人たちに伝えることで地域産業の活性につながることを目指す。

今後の建築業界の3D化に協力

新たに導入する3Dスキャナーの機能や特徴は

平宮:まず、コンパクトで軽量、天井裏でも測定が可能。点群処理も綺麗な仕上がりが特徴です。
すでに3DCADを活用したものづくりに取り組んでいますが、これからは必要な空間をすべてデジタルデーターで保存をすることで、必要な時に、必要なデジタルデーターを活用して、建築業界のものづくりに活かし、更に建築業界の3D化に協力出来ればと考えております。
3Dスキャナー
3Dスキャナー
従来の方法では困難だった現場の測定・作図が、高い精度で可能に。また測定漏れによる再測定がないので、時間やコストのロスを防ぐ。

若者が興味をひく業務内容に変えていく

将来のビジョンをお聞かせください。

平宮:私たちのコンセプトは、次世代を担う人たちと地球を守るために事業を営むことであり、そのためには、若者が面白いと興味を持ってもらえるものづくりの業務内容に変えていくことが必要と考えます。
先人が今まで創り上げてくれた技術を基に、現在・未来を見据えて、これから進んで行くであろう方向性に向けて技術も取り入れて、手加工のものづくりとつなげて進んで参ります。
               
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