- 掲載:2024年12月11日 更新:2024年12月12日
美しさと快適さを妥協せず追求する空間づくり。ハイエンド向け、非住宅向けの新商品と新たな事業分野への拡大戦略 カツデン株式会社
- カツデン株式会社
- 西日本支店長 兼 販促企画部長
坂田光穂 -
〒110-0015
東京都台東区上野5-25-11 大和上野ビル7F
TEL : 03-5812-2291 - https://kdat.jp/
2016年にカツデンへ入社し、東京とベトナムにおける営業、マーケティング、品質管理を担う。
7年間のバーテンダー経験の影響で肝臓を壊し、現在はほぼ飲めない。
一切妥協しないデザインと快適さの両立
「美しく快適な空間づくり」という我々の経営理念を具体化しているのは次の箇所です。
美しさ:写真で見たときに美しいのは当然、近くで触れて生活する際にも違和感がないことが重要です。
そのために溶接、仕上げ、塗装にコストと時間をかけてこだわることを決めました。溶接痕を見せない技術によって、360度、遠近両方から見たときにも美しいことがカツデン商品です。
快適さ:最低限の機能を満たすだけでは快適とは言えないことから、JIS規格やBL基準より高い強度や耐久性を確保し、試験を実施。また、塗装が剥がれにくいよう、多くの時間をかけてあらゆる手段を講じることで、美しさを長年キープできるようになりました。
デザインに妥協しないことと、安心して使用できることが、暮らす人にとっての快適さにつながると考えています。
社名変更の背景には、新たな事業分野への拡大戦略が
旧社名の「アーキテック」という言葉には、「アーキテクチャ=建築」と「テクノロジー=技術」という意味が込められていました。
階段事業の売上が伸びれば伸びるほど、階段屋としての知見や知名度は広がるものの、それ以外の分野に対する意識は社内外ともに薄れていました。
社名を「カツデン」と変更することで、建築以外の分野でも技術を活かし、事業の幅を広げていく意思を示しました。現時点で家具や機械部品などの様々な業界との取引があり、そこから得たアイディアを顧客開拓、商品開発に活かしています。
中でも興味深いのは家具です。ハイエンド向けの家具はレッドオーシャン状態ですが、金属家具に絞るとニッチながらも鉄工所の高齢化などによって調達先に困っている企業は少なくありません。
島根益田工場の大幅増築に伴い、OEMで製作する案件が動き始めていますし、その幅も広げていけたらと考えています。
ハイエンド向けの新たな選択肢、箱段板階段「Gradea」
当社のほかに、一部の鉄工所などで特注対応していたデザインで、SNSなどではちょっとした話題になっていました。
それを見た顧客からの要望が徐々に増え始めました。同様のデザインの階段を作ろうと思うと4〜500万円かかるところ、量産対応して品質を保ちながら300万円程度にコストダウンし、納期も短縮。また、商品化の過程で、特徴的な段板のディテールを木材メーカーと詰める作業にもっとも時間を費やし、2年以上かけました。最終的に、コストとデザインのバランスを踏まえながら、美しい表面デザインを実現しました。スチール階段の設置率が10%を超えると言われメジャー化しつつある今、ハイエンド向けの新たな選択肢となり得る階段ができあがりました。
Gradea
スチール階段の細さと、大空間でもシンボルとなるインパクトを両立していることで、広々とした玄関ホールやリビングに設置するのに適しています。
美しいデザインのまま非住宅対応の高強度を持つ
「ObjeA PREMIUM」
ObjeA PREMIUM発売前、戸建て物件の階段においては多数の実績を持っていた当社ですが、非住宅では稀に特注で請け負う程度でした。強度はオーバースペックにせざるを得ず、それゆえデザインのバランスがどうしても悪くなり、コストも高かったことで、顧客を満足させることができていませんでした。ただ、要望としてはあり続け、大手ハウスメーカーの非住宅部門と深く関わりを持つようになったことをきっかけに開発に着手しました。
高強度が求められる非住宅用階段は、溶接で組み上げた状態で施工現場にクレーンでまるごと運び入れることが一般的。それゆえ工期、品質、搬入で課題を抱えているという情報から、ノックダウン(現地組み立て)式の非住宅用階段に価値が生まれると考え実現し、月に数物件ずつ採用されています。
ObjeA PREMIUM
100万回の繰返し荷重を実施、クリアしたことで長年、大人数で使用しても問題ないことを確認。