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建築家インタビュー
  • 掲載:2024年11月27日 更新:2024年12月12日

具体的なイメージができない未来への変化に対応できるように、最初にすべてを完全に作りきらない住宅がこれからの社会には必要
鈴木隆介一級建築士事務所 鈴木隆介

鈴木隆介一級建築士事務所
鈴木 隆介
鈴木隆介一級建築士事務所
鈴木 隆介(すずきりゅうすけ)
一級建築士

〒457-0825
名古屋市南区堤起町2-66
TEL:052-710-0389
<経歴>
1989年 愛知県生まれ
2011年 名城大学理工学部建築学科卒業
2011~2020年 studiovelocity
2020年 鈴木隆介一級建築士事務所設立

<賞歴>
2022年 グッドデザイン賞 受賞
2022年 安楽亭デザインコンペ 優秀賞
2023年 日本空間デザイン賞 受賞
2024年 渋谷公園通り2040デザインコンペ 佳作入賞
2024年 愛知建築士事務所協会建築賞 奨励賞


住宅を機能によって分けて考える

住宅は、たくさんの部屋や場所があつまってひとつの住宅になっています。リビングでも寝室でも廊下でも、すべての場所は同じ性能や機能性(断熱性・気密性・施工精度など)でつくられています。

しかし、生活の様子をよく見てみると、「長時間使う場所・高い機能性が必要な場所(A)」と「そうではない場所(B)」の二種類の場所が住宅のなかには存在しています。Aはキッチンやリビングの中のソファースペースや寝室などで、Bは廊下やリビングの中でも空間的な広がり(解放感)をつくるための余白的な場所などです。

今、AとBを分けて考えて、それぞれ異なる作り方で住宅をつくる方法について考えています。Aは工務店による高い精度でつくり、Bはセルフビルト(自分自身で工事をする)的におおらかにつくる、という作り方です。

未来への変化に対応できるように

これは近年の資材高騰への対応策でもありますが、変化の大きい現代社会に対応した住宅のあり方として考えています。

例えば今、会社に勤めている方が2LDKの住宅を建てたとします。建てた当初はライフスタイルと住宅のつくりはマッチしているかもしれませんが、10年後、会社を辞め、自営として小さなお店を始めているかもしれません。そのような、今現在では予測することができない、ライフスタイルの変化がおきたとき、「初めにつくりきった住宅」ではライフスタイルを住宅のあり方に齟齬が起きる可能性がありますが、AとBの二つに分けて住宅をつくることで、「Bだった場所の一部を改築し、お店の部分(A)としてつくりかえる。」というように、住宅を変化させることが可能となります。

まだ具体的なイメージができない未来への変化に対応できるように、最初にすべてを完全に作りきらない住宅が、これからの社会には必要ではないかと考えています。








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シーズン毎で取材させて頂いている建築家へのインタビュー記事です。2007年秋にスタートして四半期毎に新しい記事の更新をしています。住宅、集合住宅、商業施設、公共施設など建築家の体験談をお楽しみください。