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建築家インタビュー
  • 掲載:2012年07月06日 更新:2024年07月26日

設計士&職人のタッグが生み出す、住んで満足、コストも満足な

かんくう建築デザイン
かんくう建築デザイン
黒田泰弘(YASUHIRO KUROTA)
一級建築士/住宅ローンアドバイザー
耐震診断・耐震改修技術者
福祉住環境コーディネーター
〒731-0101
広島県広島市安佐南区八木3丁目38-32
TEL:082-554-1412
FAX:082-554-1393

人それぞれ違いはありますが、「いい家に住みたい!」これは誰もが持っている願望です。高価な買い物で失敗は許されないのですから、真剣に悩んでみてください。そして納得のいかない家を建てるのが嫌でしたら、思いきって「かんくう建築デザイン」に声をかけてみてください。あなたが思い描いている「夢」を形にします!

<経歴>
1969年 広島県出身
1993年 広島工業大学建築学科卒業
1993年 (株)村田相互設計事務所
1997年 (株)小林設計事務所
2002年 かんくう建物設計設立
2010年 かんくう建築デザインに改称


異素材との出会いを探し求めてクライアントの『好き』を空間に演出

戸建住宅を得意としています。設計事務所に勤めていた時は、公共施設や病院、文化ホールなど、比較的大きな建物を設計する事が多かったのですが、独立してからは戸建て住宅がメインとなって、いつの間にか得意分野になりました。
戸建住宅のいいところは、お客さんの喜びをダイレクトに受け取る事が出来るという点ですね。公共施設の場合、役所の方や運営される方、そして納税者など様々な方の納得いく建物を目指していましたが、戸建の場合、基本的には依頼者であるご家族にのみ喜んで頂ければいいわけですから、「ありがとう」と言って貰った時は本当に嬉しく思います。
この直接感(ダイレクト感)に惹かれて戸建住宅をメインに設計するようになり、結果として得意分野になったような気がします。



5年先・10年先を見据え、クライアントと共に成長し、学ぶ

戸建住宅の場合、それぞれのこだわりや好みをお聞きしながら、設計していくわけですがこれが面白い。

6月にお引き渡しした「三次の家」の奥さんの夢は、仕事から帰ってリビングのソファーに腰を下ろし、ビール片手に大好きなネコがのんびりしている姿を見る、というものでした。
このお宅ネコが5匹います。お客さんに満足していただくには、ネコにとって快適な家でなくてはいけません。そこでこの家は、ネコと人が楽しく生活するための様々な工夫を凝らすだけでなく、私自身ネコの気持ちになって設計しました。

このように、たまに動物の気持ちになりながら、お客さんのこだわりを形にしていくこの仕事をとても楽しく感じています。これは戸建住宅設計の醍醐味なのではないでしょうか。
ちなみにお引き渡しして数日後、お客さんから「引越しした時は警戒しとったけど、今は走りまわっとるよ。梁の上も歩いてるし、中庭にも出入りしよる。」というメールがあり、とても嬉しかったことを覚えています。

このようにお客さんの要望を聞き、それを形にし「ありがとう」と言っていただく、というのが私にとってのやりがいだと思います。



「生涯満足する良家」は、「住み手」と「創り手」のこだわりの共演から

コンセプトやアイデアが出てこないときに最も苦労します。これはお客さんの要望や、潜在的な要求などがつかみきれていない時が多いです。「こういう家を建てたい」と明確な要望があるときはまだ楽なのですが、まだ漠然とされている方、どのような家がいいのか自分自身まだはっきりされていない方、などは私自身どのような提案をしたらいいのか、非常に迷います。
そこで今ではあるツールを使って、けっこう掘り下げてお話しさせていただき、潜在的な要望をつかむようにしています。お話しさせていただく過程で、お客さん自身が自分自身の要求に気付く事が多くなりました。

"分離発注"で大工集団とのコラボ住宅を手掛けています"

これまでは施工業者を決定するのに、3者程度見積もりを取っていました。しかしこれはコスト削減という「いい面」もあれば、初めて一緒にやる施工業者とだとコミュニケーション不足になりやすいという「悪い面」もあります。
又以前こんな事がありました。棟上が終わっていよいよ明日から本格的に大工工事が始まろうとしている時、工務店の現場監督からこう言われました。「1週間ほど現場を空けます」と。
それはそれで工務店の段取りもありますので特に気にしていなかったのですが、その1週間後8名の大工さんがやって来て一斉に工事を始めました。現場に行くとあれよあれよという間に出来ていきます。そして1週間ほどバタバタと工事をし、今度は3週間ほど空きました。そして又8名の大工さんがやってきてあっという間に工事をしていきます。お客さんが現場に来ることができるのは日曜日のみです。コミュニケーションも何もあったものではありませんでした。

現在では施工業者を固定しています。今一番一緒にやっている施工業者は大工さん4人で起こした工務店で、30代40代の大工集団の工務店です。現在お客さんとのコミュニケーションを大切にし、又「いい家」を目指してタッグを組んでやっていますが、初めて見積もりを取った時あることに気付きました。それは建設費が安いということです。
これはコスト削減のために3社見積もりを取っていた時より削減できています。理由は一般的な工務店の仕事内容を、設計事務所と大工集団とで分けた事にあります。 具体的には、かんくう建築デザインが営業・プラン作成・設計・住宅ローン提案・現場監理を行います。 そして大工集団である工務店が、実際の工事・現場監督・完成後の定期点検を行います。なお定期点検とアフターフォローは一緒にやっています。 このような仕組みで家を造ると、無理なく工事費を2~3割落とすことができました。

現在このように実際に手を動かす職人さんたちとタッグを組んで、時にはお客さんにも工事に参加してもらいながら、家を造っています。

設計者としっかりとコミュニケーションを取ることが大切

まず設計者としっかりとコミュニケーションをとる事がとても大切です。設計者は、言葉として伝わりにくいことや、お客さんやご家族の雰囲気、車や服装などからも、お客さんの好みを想像して設計しますので。
家族そろって過ごす事の多い家族だとリビングを重視したり、個人のプライバシーを尊重する家族だと各個人の部屋を充実させたり。服装などもインテリアや色彩を検討する上で、とても大切なイメージです。
ですので、設計者としっかりとコミュニケーションをとってください。そうすれば何でも話せる間柄になり、一生のお付き合いになりますよ。



施工事例






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シーズン毎で取材させて頂いている建築家へのインタビュー記事です。2007年秋にスタートして四半期毎に新しい記事の更新をしています。住宅、集合住宅、商業施設、公共施設など建築家の体験談をお楽しみください。