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建築家インタビュー
  • 掲載:2013年09月06日 更新:2024年07月26日

価値観やこだわり、美意識を大切にする建築主とのコミュニケーションから生まれる個性的な住空間

アトリエ24一級建築士事務所
アトリエ24一級建築士事務所
飯沼 竹一(TAKEICHI IINUMA)
一級建築士
インテリアプランナー
JIA登録建築家
福祉住環境コーディネーター2級
住宅性能評価員
応急危険度判定士
〒260-0026
千葉市中央区千葉港4-3千葉県経営者会館5F
TEL:043-238-5095
 

この国には24の美しい季節があります。そして季節は刻一刻と流れていきます。アトリエ24は、明と暗、開と閉、動と静、相反する要素を巧みに組み合わせて、この季節の移り変わりを感じ取れる住空間を提供したいとの想いが、この「24」には込められています。

経歴
1962年 千葉県生まれ
1985年 日本大学理工学部建築学科 卒業
  株式会社 東建築設計事務所 入社
2002年 アトリエ24一級建築士事務所 設立
2006年 有限会社アトリエ24に改組に伴い取締役社長に就任



建て主のライフスタイルに合わせた設計を探求

住宅や店舗や診療所などの常に人がいる空間、建築が好きですし、得意だと認識しています。
住まいは、24時間365日その場に居ることができるスペックが必要です。雨風を遮る器であることが最低限ですが、家族の団らんのとき、疲れた気持ちや体を癒すとき、家族が病気のとき、趣味を楽しむとき…建て主のライフスタイルに合わせて食べる、寝る、遊ぶ、学ぶ、育てる、集うなどの生活が、一年を通じて毎日ごく普通にできることと考えながら、日々設計に邁進、探求しています。



完成した時に建築主と喜びを分かち合えることが楽しみでやり甲斐

前事務所勤務時代は、大型の物件や官庁物件が多く、発注者と施設管理者、利用者がそれぞれ違う場合がほとんどで、直接利用する人々から意見や感想を聞くことがありませんでした。
それが物足りなく感じ、建築主や利用者と一緒につくり上げる建築の設計がしたくて独立しました。 それだけに、独立後に手掛ける建築は、建築主や利用者から良いことも悪いこともダイレクトに意見をもらえることで、緊張感をもちながら設計できます。
また、計画から設計、現場まで建築主と一緒につくっていく過程があり、掛けた時間だけ、完成した時には建築主と共に喜びを分かち合えます。それが楽しみであり、やり甲斐になっています。


24の季節(二十四節気)を大切にした住空間をつくりたい

真夏の夜でも、窓を開けて風を通して暮らす。虫の音も手伝って身体にあたる風が心地よい…。
秋には窓を全開にして、澄んだ空気を取り入れればキンモクセイの香りが漂い、日が沈めば月明かりの下、ゆっくりお酒をいただく…。
冬の晴れた日は、太陽光を目一杯入れてポカポカな家でくつろぐ。日が落ちた後にはその余熱を利用して家族団らんを楽しむ…。
春の雨の日は、窓を開けて、雨音を聞きながら食事する。庭の若葉がますます緑を濃くすることにハッと気づく瞬間がある…。

24の季節(二十四節気)を大切に考え、風と光と雨にこだわった住空間をつくりたい。そして、 時間の移ろいを目で、耳で、肌で、感じる空間のデザインを求めて「24」という数字を事務所名に付けました。 五感のもう一つである味覚は、その空間で美味しい料理をつくり、食べること。美味しいお酒を飲むことです…(笑)
けっして「24時間がんばります!」という意味ではありません…(笑)


家族、自分のことを考えて家づくりを楽しむことが一番大事

良い家とは、その人、家族にとって気持ちよく安心して暮らせる家だと思います。それが永く住み続けることができて、愛着のある家になるのだと考えます。
そのためのデザイン、アイディアが必要です。
■それにはまず、10年後、20年後、30年後の自分と家族の生活を想像してみること。
■小さくフレキシブルに計画すること。
■少し余裕のある資金計画をすること。
■可能ならば建築家と家づくりすること。
■土地が無い方は、土地探しから建築家と一緒に探すこと。
などなど。
そして、家族のこと、自分のことを考えて、一生懸命に家づくりを楽しむこと。これが一番大事なことだと思います。


【事例紹介】「ちはら台の家-広い庭と空に繋がるリビングの家

思い描いたシチュエーション

例えば五月晴れの頃…広い芝生の庭を駆け回るお子さん。その脇でバーベキューの準備をするお父さん。台所では材料の下準備をするお母さん。リビングからその様子に目を細める祖父さんお祖母さん。
例えば秋の雨の日…縁側に座って眺める風景をイメージすれば、季節の移り変わりを肌で感じることでしょう。
この家では心地よい住空間があり、豊かで安らぎのある時間が流れます。

計画地の特徴は、敷地の南と東の2面に市道が接道。約17m×20m(約105坪)のほぼフラットで南に向いた広くて恵まれた敷地であり、さらに南と東側に遊歩道6m面する希なロケーションです。平屋やライトコートなどのプランも頭を過ぎりましたが、恵まれた敷地条件を有効利用することを主題に建物本体を北東側に配置し、南側を大きく空け前面の遊歩道を含めてた広い南側外部空間を作り出す計画を考えました。
この広い外部空間に繋がるリビング(食堂+居間+和室)を全室南向きで計画し、リビングから外を望めば17m×10m(歩道も含めると21m×16m)の広々した庭と一体的に感じる空間をつくりました。広いテラスを介して春から秋にかけてオープンエアを満喫できます。冬の太陽高度が低い時期は室内奥まで陽射しが入り、明るく暖かな住まいを提供できます。四季を通じて朝日が差し込み、夕陽に染まるリビングを提案しました。
特筆する設備として、ゼロエネルギーを目指してOMソーラー+太陽光発電システムを採用しています。



施工事例






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シーズン毎で取材させて頂いている建築家へのインタビュー記事です。2007年秋にスタートして四半期毎に新しい記事の更新をしています。住宅、集合住宅、商業施設、公共施設など建築家の体験談をお楽しみください。