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建築家インタビュー
  • 掲載:2020年03月06日 更新:2024年12月06日

園舎のあらゆる部分に存在するはずの、こどもたちの失敗や経験の裏側に隠れている成長の機会を、奪わないように心掛けています。
ちびっこ計画・大塚謙太郎一級建築士事務所

ちびっこ計画・大塚謙太郎一級建築士事務所
ちびっこ計画・大塚謙太郎一級建築士事務所
大塚謙太郎(KENTARO OHTSUKA)
一級建築士/保育士/こども環境アドバイザー
〒544-0033
大阪府大阪市生野区勝山北3-2-25-303
TEL:06-4965-4365
FAX:06-6731-4366

ちびっこ計画・大塚謙太郎一級建築士事務所は、こどもたちの育ちの空間を皆様とともに考える、建築設計事務所です。
保育所・認定こども園・幼稚園・児童デイサービスなどをてがけています。

<経歴>
1974年 兵庫県明石市生まれ
1996年 佛教大学文学部史学科東洋史専攻卒業
1998年 中央実務専門学校(現中央工学校OSAKA)建築設計科卒業
1998年~ 建築工房 匠楽舎
1999年~ Team ZOO いるか設計集団
2007年~ 株式会社ジャクエツ環境事業 一級建築士事務所
2008年 ちびっこ計画・大塚謙太郎一級建築士事務所 設立
2008~2014年 中央工学校OSAKA 非常勤講師

賞歴
2006年 第4回日経アーキテクチュアコンペ「子どもと大人が向き合う場所」 優秀賞
2007年 産経新聞社主催 他人の子どもを叱ろう、褒めようエッセーコンテスト 佳作
2008年 岐阜県林政部主催 ぎふの木を使ったおもちゃアイデアコンテスト 優秀賞
2011年 日本漆喰協会主催 第6回日本漆喰協会作品賞 エンゼルキッズ清和台
2017年 ケイミュー主催 施工事例コンテスト2017近畿エリア賞 めぐみ幼稚園
2018年 ケイミュー主催 施工事例コンテスト2018近畿エリア賞 レイモンド西淀保育園
2019年 インテリア産業協会主催 キッチン空間アイデアコンテスト インテリア産業協会会長賞 やまよし Kids garden
日本木材青壮年団体連合会主催 第22回木材活用コンクール 木質開拓賞(日本木青連会員賞) さくらづか保育園
新建築家技術者集団主催 第13回新建賞 奨励賞 さくらづか保育園
四国化成工業主催 四国化成空間デザインコンテスト シルバー賞ニコニコ桜今津灯保育園
2020年 インテリア産業協会主催 キッチン空間アイデアコンテスト 奨励賞 かにがさか保育園


常に初めてという気持ちで先生方と作り上げてく

保育所、幼稚園、認定こども園などの、こどもたちのための建築を専門に活動して20年になりますが、まだまだわからないことだらけです。なぜなら、保育所の数だけ保育のスタイルがあるので、一律の正解というものがないからです。時に経験が邪魔をすることすらあるのです。
だから、常に初めてという気持ちで、先生方と一緒に作り上げていくという設計スタイルで仕事をしています。大人という立場から、こどもたちにどのような生活空間を提供できるのか、ご一緒に考えて行ければと思います。



こどもの成長につながるものは、敢えて設計に取り入れます。

近年いくつかの建材メーカーさんが、保育所用として優れた製品を販売されていますね。こどもの生活に関して、安全性やメンテナンスのしやすさなど、よく考えられたものが多くあり、大いに利用させていただいています。ただ、私たちは、こどもの安全な生活を保障する以上に、こどもの健全な成長の保障が大切だと考えています。汚れやすい、破れやすい、怪我をしやすい建材であったとしても、こどもの成長につながるものであれば、園の先生方と相談しながら、敢えて設計に取り入れます。

例えば、障子や襖はその代表格です。軽量なので指を挟んでも骨折しないですし、破れれば張り替えるという経験ができますね。また、製品に均質性や擬似性が求められる時代、保育所に使う材料もそうなりがちですが、一方で保育現場では、オンリーワンになれとこどもたちの個性を大切にするんですね。大人の言っていることとやっていることが矛盾しているという思いから、皮むき丸太や和紙など、自然の表情をしっかり残す材料を使うことが多くありますね。

本来、園舎のあらゆる部分に存在するはずの、こどもたちの失敗や経験の裏側に隠れている成長の機会を、奪わないように心掛けています。


家庭的な雰囲気が保育所にこそ必要

現在の保育所の流れは、こどもの主体性を重視する保育への転換が進められ、従来の片側廊下に同じ大きさの四角いお部屋が並ぶという、いわゆる豆腐型の園舎から、壁をできるだけ排して、こどもたちが自ら選択して遊びこむ様々なコーナーを設えていく、というスタイルに移行しつつあります。

その一方で私たちは、家庭的な雰囲気が保育所にこそ必要ではないかと考えています。保育所という制度自体が大規模集団を想定しているので、簡単にはいきませんが、数十名、場合によっては数百名という大規模な集団を、年齢に関わらず10数名規模に分け、兄弟のように育ちあえる、小ぶりで住宅的な保育室の集合体のような園があってもよいのではないかと考えています。

そして、各保育室に畳の居間があったり、こどもサイズの台所があったり、お風呂があったりするといいですね。住宅では食寝分離が定着しましたが、保育所では途上です。保育所にはこどもたちの生活があります。大人の住まいと同じように、こどもたちの昼間の住まいも、しっかり考えていきたいですね。




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