場所の象徴を空間の拠り所に「緑景へ続く家」

設計：上⻄徹建築設計事務所　上西徹

岡⼭市東区に建つ平屋の住宅。郊外ならではの場所としての魅⼒を活かした空間を作ってほしいという施主の要望から、⽣活の基点となるLDKに間⼝が約3.93mの開⼝部を設け、内部と周辺環境の連続的な空間が広がる設計にしました。

設計士プロフィール

上⻄徹建築設計事務所

上西徹 | うえにしとおる

建築家/⼀級建築⼠

〒709-1211
岡山県岡山市南区迫川1189番地
TEL：080-1905-7427

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1989年岡⼭県⽣まれ
岡⼭県⽴岡⼭芳泉⾼校卒業
岡⼭理科⼤学総合情報学部建築学科卒業
岡⼭理科⼤学⼤学院⼯学研究科建築学専攻修⼠課程修了
2017年上⻄徹建築設計事務所設立
2021年岡⼭科学技術専⾨学校⾮常勤講師

受賞歴
2022年第2回岡⼭県建築⼠事務所協会新⼈賞

目　次

・施主の要望

・こだわり

・技術的な問題の解決

・使用する建材の選び方

・案件を通じて学んだこと

・作品で使用した建材

施主の要望

岡⼭市東区において4⼈家族のための住宅の設計を⾏いました。施主は、周辺に⽥園が広がり、敷地北側において地域の象徴でもある芥⼦⼭への眺望が得られる場所を敷地として選ばれました。施主からは⽣活において利便性という価値観だけではなく、郊外ならではの場所としての魅⼒を活かした空間を作ってほしいとの要望がありました。

こだわり

建築は平屋として計画しました。LDKを⼀室として景観への眺望を獲得できる北側に向け建物の中⼼に配置し、その周りに個室やテラス、⽔回りを配置した整形な平⾯計画としました。家族の⽣活の基点となるLDKには、周辺の環境へ繋がっていくように北側に間⼝が約3.93mの開⼝部を設けました。またリビングに隣接して、北側の景観が眺められるテラスを計画する事で、場所の魅⼒を感じながら屋外で様々なアクティビティが⾏えるように配慮しました。

LDKは室内に得られる採光が北側からの間接光となるめ、落ち着いた室内環境とすることを⽬指しました。また、順光として北側の景観が室内からよく感じられ、外部とつながり、終わりのない連続的な空間が広がる計画としました。

建物のファサードは、⻄側道路⾯から駐⾞ができる奥⾏き⼨法を確保するためセットバックさせるとともに、植栽も合わせて計画する事で、⼈の通りが多い⻄側道路⾯への建築ボリュームの抑制を図りつつ、建築⾃体のまち並みへの調和にも配慮しました。

「緑景へ続く家」では、芥⼦⼭を含めたランドスケープを空間の拠り所とする計画を⽬指しました。施主の⽣活する空間が静寂さと穏やかさを合わせ持ち、この地域ならではの美しい景観を⼗分に感じられることで豊かなものとなるよう努めました。

技術的な問題の解決

LDK の北側に設けた開⼝部について、内部空間と周辺環境を連続させるため、間⼝が約3.93mの建具を造作しました。⽊製建具として計画したので、⽔に強い性質を持つヒバ材を使⽤しました。建築のファサードにおいても特徴として表れています。

使用する建材の選び方

施主とともに内外装に使⽤する建材や⽔回りの製品を決めていきました。施主がイメージしやすいように、サンプル等で何度も検討しながら進めました。

案件を通じて学んだこと

施主と⼀緒に空間や建材を決定していく過程を通じて、私⾃⾝が建築家として表現したい建築や空間がより明確になったと思います。施主によっても建築家の作品は⼤きく影響を受けるので、価値観を共有でき、同じ⽅向を向いて仕事ができる施主に巡り会えたことに感謝しています。

作品で使用した建材

【外壁】

使用建材	：アクリル樹脂系多意匠装飾仕上塗材
建材名	：ベルアート
建材メーカー	：エスケー化研株式会社

【LDK壁、⽞関壁】

使用建材	：塗り壁材・外壁材
建材名	：モルタルアート
建材メーカー	：アイカ⼯業株式会社

【洗⾯室・浴室】

使用建材	：タイル
建材名（床）	：ブルーエモーションライト TL49481S
建材名（壁）	：フォイルアルミニウム　TL49791S
建材メーカー	：サンワカンパニー株式会社