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建築家インタビュー
  • 掲載:2008年06月01日 更新:2024年07月26日

風土に適した素材にこだわる「人と住まいの調和」を目指して

施工事例
亀井 和彦
株式会社 御嵩建築
亀井 和彦(KAZUHIKO KAMEI)
二級建築士
〒505-0122
岐阜県可児郡御嵩町顔戸800-1
TEL:0574-67-4787
FAX:0574-67-5519
<プロフィール>
「木の郷 ぎふの家  御嵩建築」 総合建築業・建物改修(岐阜県)プランニング担当
(二級建築士、宅地建物取引主任者、震災建築物応急危険度判定士)

先代から続く、木(自然素材)を活かした家づくりをモットーに、地元にこだわって当社の熟練大工による責任施工を続けてきました。これからも循環を考え、建て替え、リフォーム時にも処理の困らない自然に返る素材にこだわった家づくりを匠の技術で手がけて行きたいと考えます。若い大工さんの養成もしています。
            


~取材にあたり~

アジア各国では最近特に、外資系ファンドなどによる投機目的の高層ビルが次々と建設され、中近東の砂漠地帯までが最新の高層建築で埋め尽くされている光景が目立ちます。それらは確かに、近代建築技術の粋を集め、人間のために造られた美しい都市群像ではありますが、「人の住まい」という観点からは少しかけ離れているような気がいたします。
人が住み、生活をするということは、デザインや機能面のほかに、何かもっと大切な要素が不可欠に違いありません。

今回のSPACE DESIGNでは、豊かな自然に恵まれた岐阜県御嵩において地元の素材にこだわり、風土に適した建築手法で「人と住まいの調和」を目指す建築家、亀井和彦氏にお話を伺います。



一般ユーザーさんからの注文には、難しいものや無理なものもあると思いますが、そのような場合はどのように対応されていますか。

そうした場合は、お客様との徹底的なコミュニケーションにより解決します。何度もお話を聞き、お客様の考えをまとめた後、専門家としてその状況で最良のアドバイスをさせていただきます。
サンプル物件や本、写真など様々なものを用いて、お客様との考えが一致するまでミーティングします。お互いに妥協は許しません。




一般ユーザーが良い家を建てるため、設計士としてのアドバイスをお願いします。

お客様ご自身の考えや趣味、生活スタイル、大切なひととき、住まいへのこだわり、ご予算、今後の展望、など、余すことなく建築家に伝えて、住まいに対するイメージの摺り合わせをしっかりとする事です。
ご自身の考え、イメージが建築家に伝わるまで話し合ってください。イメージが伝わったら、建築家を信頼し任せてみると良いと思います。
また、その建築家とプライベートでも付き合える関係になるまでになると、建築家も自分のノウハウを駆使してやろうとするでしょうし、さらに勉強して少しでも良いものを造ろうという気にさせます。とにかく、ご自分と価値観の近い建築家を見つけ、仲良くなる事でしょう。




設計士として建築に携われ、仕事にやりがいや喜びを感じるのはどんなときでしょうか。

住まいが完成し、お客様に感動・喜びを感じていただいたときや、手がけた住まいに愛着を持って大切に永く住んでいただいているのを確認したときなどですね。また、私どもが手がけた住まいに、お客様のご一家が幸せに暮らしている、そして住まいがご家族の幸せに役立っていることがわかったときなどは、建築家として心からやりがいを感じるときです。




建築家として、将来的にこんなことをやってみたいと思うものはありますか。

地元で育った木材にこだわり、地元の環境に適した住まいづくりを構築したいと思っています。人も木も同様に、育った環境がそれぞれの風土となり、最も適した環境といえるからです。そして、地元の山を手入れし、荒らさない、地産地消の精神で自然も同時に守って行きたいものです。自然素材だけで人や環境にやさしい住まいを創る、ここを目指しています。




今、先生が最も注目している技術、工法などございましたら教えてください。

木造軸組み工法(在来工法)です。
柱と柱を貫でつないだ、面で外力を吸収する昔ながらの工法ですが、日本の風土に最も適し、長く引き継がれ発展してきた工法です。また、レイアウトの自由度が高く、狭い敷地や変形敷地、傾斜地や道路条件などに制約がある敷地といった様々な条件にも対応できるため、敷地をフル活用でき、間取りも構造の制約を受けにくいという利便性もあります。




~取材後記~

亀井先生の会社は岐阜県御嵩町を拠点に、人にも環境にもやさしい住まいづくりをテーマに事業を展開されています。
豊かな地元の自然素材を充分に活用し、風土に合った住宅のプランニングをするということですから、きっと地元のお客様からの信頼度は圧倒的に高いことでしょう。また、豊富な木材を供給してくれる自然への感謝として、山の手入れも行っていると伺いました。
建築界でのこうした自然と人との共存共栄のサークルが全国的、世界的にも大きく広がることを期待したいものです。

取材・文 建材ナビディレクター 中島






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