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建築家インタビュー
  • 掲載:2010年12月06日 更新:2024年08月07日

暮らしやすさと同時に心地良い豊かな空間であること

赤坂 暁子
住工房 あかつき設計室
赤坂 暁子(AKIKO AKATSUKI)
主宰 一級建築士
〒103-0023
東京都中央区日本橋本町3-9-1
TEL:03-3808-0811
FAX:03-3808-0811
<経歴>
大学では住居建築を専攻。
1996~1998年 都設計事務所 勤務、公共建築の設計に従事。
1998~2008年 ㈱結設計 勤務、戸建住宅、集合住宅の設計・監理に従事。
2008年 住工房 あかつき設計室 一級建築士事務所を開業
戸建住宅、リフォームの設計・監理を中心に活動中。
<資格>
一級建築士
福祉住環境コーディネーター
増改築相談員 所属:東京建築士会


~取材にあたり~

2010年も終盤に近付いてまいりました。日本経済においては、円高、デフレ対応への様々な経済成長戦略の実現が国に求められています。その中でも、家電エコポイントや車のECO減税や助成金などが実施され、そこそこの経済効果を生んでいるようです。
建築業界においても、先日の閣議で「住宅エコポイント」の延長(平成23年12月まで)や対象拡充が決定されました。具体的にはエコ住宅の新築、介護にも役立つバリアフリーリフォームを含めたエコ住宅へのリフォームに対してポイントを発行する制度を1年延長することと、エコ住宅のリフォーム等に併せて設置する省エネ性能が優れた住宅システムの一体的導入を促進するため、住宅用太陽熱利用システム(ソーラーシステム)、節水型便器、高断熱浴槽へポイント発行対象を拡充する、ということです。1日も早い実施が待たれるところですね。

今回のスペースデザインでは、「心に響く住空間」をテーマに、住まい手のひとりひとりの個性を大切にしつつ、暮らしやすさと心地良い豊かな空間づくりに意欲を燃やす建築家、赤坂暁子氏にお話を伺いました。



先生が特に力を入れている設計分野というものはあるのでしょうか。

主に新築住宅やリフォームを手掛けています。 暮らしやすさと同時に、心地良い豊かな空間であることが生活の基(ベース)である住まいに求められると思います。

これからも心に響く住空間を提案してまいります。




一般ユーザーさんに対して、良い家を建てる為に設計士として何かアドバイスがあれば教えてください。

実現したい夢や憧れ、多くの情報に迷われることもあると思います。本当に大切なことは何か、取捨選択し決断する作業は案外大変な行為です。

住まいは生活の「基(ベース)」です。暮らしやすい住まいであると同時に、豊かな空間の中で生活を育むことが大切と考えています。
ご家族のこと、趣味のこと、住まいに望む夢やこだわりなど、ざっくばらんに聞かせてください。

土地の条件や建主さんとの対話の中から住まいのテーマを探していきます。家づくりを楽しみながら一人一人に合った住まいを一緒に考えていきましょう。




設計・デザイン上で今後こんな材料・素材・製品を使ってみたいと思われるものがありましたら、ぜひご紹介ください。

多種ある木材の中でも特に「桐」に注目しています。木材の中で最も熱伝導率が低く接触温度が高い桐はフローリングに使うと一年を通して足元が冷えず衝撃も吸収するので身体が疲れにくい。

傷がつき易い難点があるものの、床暖房のようにエネルギーを必要としない、 環境にも身体にも優しい天然素材としてこれからも建主さんに勧めていきたいと思います。




設計士・デザイナーとして建築に携わられて、仕事にやりがいや喜びを感じられることはありますか?

完成した建物を建主さんに喜んで頂いた時はもちろんですが、実際の建設現場において、工事監督を初め、大工さんや職人さんたちがより良いものをつくろうという高い士気を持って仕事に取り組まれているのを目のあたりにした際には、設計者としての喜びを実感します。



今はまだ出来ないけれど、将来的にこのような仕事に取り組みたいというものはございますか?

住宅設計と併せて、今後は福祉施設や児童施設を手掛けたいと考えています。

最近の傾向として、特に高齢者施設は管理の容易さを主眼にしたような、無機質な空間施設を目にします。温かみのある無垢の木や天然素材を使い、管理側の都合ばかりではなく、そこに居住する方々にとって、穏やかでありながら感受性に響くような心地良い福祉空間を創りたいと思います。




~取材後記~

「心に響く住空間」をご自身の設計コンセプトにされている赤坂先生だからこそ、設計に使用する素材へのこだわりを強く感じました。
そのこだわりから先生がお勧めする建材が「桐」であると伺い、意外であると同時に、なるほどと納得させられたような気がいたしました。というのも、桐という素材は今まで、日本古来の桐タンスというイメージが先行していましたが、木材の中で最も熱伝導率が低く接触温度が高いという性質は、床材としても充分活躍できるはずなのだと・・・。

身近にある良質な素材を発想の転換によって、住宅に上手に取り入れて行くこともこれからのエコロジーに繋がる大切な要素であると実感させていただきました。

取材・文 建材ナビディレクター 中島






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