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建築家インタビュー
  • 掲載:2014年03月06日 更新:2024年08月07日

機械やエネルギーに頼らないとしても安全で快適に過ごすことが出来る空間

アトリエ繁建築設計事務所
アトリエ繁建築設計事務所
杉浦 繁(SHIGERU SUGIURA)
一級建築士
管理建築士
インテリアコーディネーター
福祉住環境コーディネーター二級
マンションリフォームマネージャー
〒486-0844
愛知県春日井市鳥居松町5丁目88番春日井ビル4F
TEL:0568-87-2124
FAX:0568-87-2577

設計事務所なんて敷居が高くてって思っていませんか?家って住宅展示場でこれくださいって買う物なんでしょうか?いえいえ家って買うもんじゃないその場所にこれから建てる物です。だから家は一軒一軒みんな違うんです。

経歴
1961年 生まれ
1984年 福井大学工学部卒
  株式会社上野山設計入社
1988年 一級建築士取得
1998年 アトリエ繁建築設計事務所開設



建築には流行という物とは違うデザインを施すべきである

本来、建築はオリジナルデザインであるべきである、寿命などハナからないデザインを作るべきである、そんなデザインを理想として建築を続けています。

建築デザイン、特に住宅のデザインには間違いなく流行があります。住宅展示場には流行があふれ同じような家ばかり、建て売り住宅は今流行のデザインしか売れません。
そんな建築のデザインは実は他のデザインとは少し違うところがあります。デザインの期間です。衣服なら古くなったらタンスの奥にしまい込む。家電品や車ならどうせ壊れるので買い換える。しかし、建築や住宅は完成してから何十年もそこに建ち続けます。
日本の住宅ローンの平均期間は30年ほど、それこそ昨今は長期優良住宅や100年住宅なんてのまで当たり前になってきました。その間住宅は建っています、住宅は衣服のようにしまったり家電や車のように簡単に買い替えるなんて出来ないのですから。

デザインというのは基本的には人に心地よく見られ使われるために施されます。その見られる期間が他のデザインとは比較にならないほど長い。最初は最新流行かもしれませんが建築・住宅は何十年もそのデザインを人々から見られ続けます。そして改築や改装しない限り、それをしまうことも隠すことも出来ません。建築であろうと何であろうと流行という物はいつかは去り流行が去ってから流行遅れが以降永遠に続いてしまいます。
流行デザインには寿命があるのならデザインなどなければいい、決して流行遅れなどにはなり得ません。が、それではつまらない。そんな家は楽しくない。
ならば、建築には流行という物とは違うデザインを施すべきであるのではないでしょうか。



どんな建築であっても対応できる技術力を持つ

住宅を中心に医院・店舗・共同住宅・事務所など幅広く設計デザインを行っています。
その中で、住宅比率は全体の60%と言ったところでしょうか。
しかし、何かに特化するということはそれしか出来ないことにつながり建築家としてあるべき姿ではないと考えています。 したがって、どのような建築であっても対応できる技術力を持ち、固定化されない柔軟なデザイン力をそれぞれの建築に住宅にいかすよう心がけています。


機械が壊れたら住めないのは住宅ではないと思っています

最近はやはり時代なのでしょうか、震災の影響なのでしょうか。省エネやエコや耐震などにかかわる太陽光発電やオール電化、スマートハウス化、高気密高断熱化、制震装置など住宅設備にかかわる機能や設備を求める方が多くなってきているように思われます。
まるでこれからの世の中では太陽光発電をしない住宅は間違っているかのような言い方をされるお客様もいらっしゃいます。 考え方はそれぞれで住まわれる方によって住み方も違いますからご要望には最大限お答えするようにはしていますが、まるで流行のように機能や機器や設備が先走ってしまいそれに伴う建築の本質がそこなわれるようなことも多く見受けられるようになってきました。

本来建築というもの、中でも特に住宅というものは機械やエネルギーに頼らなくても中で安全に快適に過ごすことが出来なければならないもののはずです。機械はいつかは壊れます、制震装置が壊れた住宅は大地震には耐えられない、壁体内換気装置が壊れたら壁体内がカビだらけになる、電気が止まったらトイレが使えない、壊れても直すまで問題なく住めなくてはなりません。
機械が壊れたら住めないのは住宅ではないと思っています。


日本中の住宅の屋根に発電機器がのるこれからの技術革新に期待

今注目している技術・工法は、やはり先にも出ましたお客様からのご要望が一番多い太陽光発電やそれと蓄電装置などを組み合わせたスマートハウスそれから太陽光熱機器などでしょうか。
脱原子力のためにも太陽光発電も蓄電装置もこれからの世の中では建築にとってなくてはならない機器になってくることは間違いのないところでしょう。ただ、これらの技術はまだまだ発展途上の技術のようで建築の機器としては致命的な欠点があります。あまりにも重い、重量がありすぎる、重い機器が屋根の上にのります。耐震化という観点から考えれば真逆のことをしなければなりません。
発電効率をさらに上げたり有機ELなどの新技術で軽量化したり超小型の蓄電装置の開発などこれからの技術革新に大いに 期待するところです。
その時には日本中の住宅の屋根に発電機器がのっていることでしょう。


我が家が出来上がっていく喜びや楽しみを家づくりで味わってほしい

建て売り住宅やマンションでない限り家や店舗というのはそこに一軒一軒建てる物であって決して買う物ではありません。
猫も杓子もまず住宅展示場に行かれる時代ですので、そこを勘違いされてしまう方が非常に多いように思われます。 住宅展示場にある家を買うことは出来ません、それを見てそれに近い家をこれから建てるのです。

家はこれから建てるのですからそれにはお金と同時に非常にたくさんの時間と労力が必要になります。今日決めたことが実際の形になるのには何ヶ月もかかります、いくらまかせてはいても自らやらなければならないことも非常に多い、苦労も忍耐もたくさん必要になります。家電を買ってきてセットするだけではないのですから。
そんな長丁場の家づくりですが苦労を重ねれば重ねるほど出来上がったときの喜びもひとしおです。そして、家を建てること物を作るということは本当に楽しいことです。
一生懸命考えた我が家が毎日少しずつ出来上がっていくのを見るのが楽しくない人などいやしません。
そんな喜びや楽しみを家づくりで味わって欲しい、そのためにもまずメーカーにしろ建築家にしろ工務店にしろ家づくりの信頼できるパートナー選び、共に楽しみ喜んでくれる人選びが一番重要です。
損得やブランドや見栄などで選んだパートナーでは長丁場はもちません。



施工事例






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シーズン毎で取材させて頂いている建築家へのインタビュー記事です。2007年秋にスタートして四半期毎に新しい記事の更新をしています。住宅、集合住宅、商業施設、公共施設など建築家の体験談をお楽しみください。