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建築家インタビュー
  • 掲載:2019年09月03日 更新:2024年08月07日

できあがった空間で心地よく感じたり、そこにいることが楽しいと思える空間が大切

中澤建築設計事務所
中澤建築設計事務所
中澤博史(HIROSHI NAKAZAWA)
一級建築士
〒531-0076
大阪市北区大淀中1-16-16
TEL:06-4256-8072
FAX:06-4256-7822
<経歴>
1969年 大阪府生まれ
1992年 近畿大学理工学部建築学科卒
1992年 株式会社 大建設計
1998年 中澤建築設計事務所 設立


建築に興味を持ったのは”実家の増築”

小さな頃からモノを作るのが好きな子供でした。自由にノコギリやカナヅチなんかを使わせてくれる家庭だったので、木で鉄砲を作ったりしてね。そんな子供時代に実家を増築することになったのです。その時の大工さんの働く姿を見て、楽しそうな仕事だと感じたことが建築に興味をもつことになるきっかけですね。



“難しいものを解いたときの達成感”にやりがいを感じます

難しい注文に対応できたときは、クイズやパズルで難しいものを解いたときの達成感ってありますよね。それと同じで、少しくらいは難しい条件のほうがやりがいがあり、建築的にも良いものになるような気がします。
以前、設計させていただいた住宅で、ご主人の実家の庭に建てることになったものがあります。庭がなくなるご実家への採光と、この住宅への日中の採光の確保が求められました。建物形状をご実家に配慮したものとした上で、隣家の屋根より高い位置に設けた窓から光を下階へ導くことにしました。
スキップした階毎に趣味のコレクションなどが現れる、明るく楽しい住宅となっていますが、難しい条件を解決することが、この空間を生み出すきっかけになっています。


家を建てる際は、周りに馴染むよう心がけています

新しく家を建てる場合、少しは周りに対しての配慮のようなものもあったほうが良いように思うんですね。
例えば、敷地の2辺が公園に隣接する住宅を設計させていただいた時は、建物の角の部分を斜めに切り取ったような小さな庭を公園側に設けました。すると木が植わった庭によって公園が緩やかにつながったように感じられ、建物の圧迫感も少しやわらげられたんです。庭に面した窓から見ると植栽越しに公園が広がっていて、実際以上の広がりが感じられるんですね。
周囲の家は、公園からの視線を避けるためだと思うのですが、結構、公園に対して背を向けたように建っていました。そんな中、この家は公園との間に良好な関係を築くことで、心地よい家になっています。



その家族やその場所に似合う住宅を建てたい

建築家として一番大切なことは、できあがった空間で心地よく感じたり、そこにいることが楽しいと思える、そんな時間が過ごせることだと思うんですね。住宅であれば、そこに住む家族の生活や建てることになる敷地は、それぞれ異なっています。
だから、その家族の生活に合っていることや、その場所の特性を上手くつかんだ空間をつくることが重要になってくる。十分な対話や観察を重ねて、その家族やその場所に似合うものを見つけたいと考えています。


既存住宅を活かすことが今後必要になると思います

住宅の余剰や環境保護の観点から、もう少し既存住宅をリフォームやリノベーションで活かすことが、今後ますます必要になってくると思いますね。空き家となっている住宅でも、耐震や断熱を強化し、間取りを少し変更すれば、まだまだ利用可能なものも多いのではないでしょうか。
とくに古民家などの場合、それぞれに事情はあるとは思いますが、取り壊されているのを見ると残念に思います。 築100年の古民家をリノベーションしたことがあるのですが、力強い軸組みを活かした改修とすることで新築にはない魅力的なものになりました。
今後も愛着をもって、後の世代に受け継がれてゆくことを期待しています。



施工事例






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シーズン毎で取材させて頂いている建築家へのインタビュー記事です。2007年秋にスタートして四半期毎に新しい記事の更新をしています。住宅、集合住宅、商業施設、公共施設など建築家の体験談をお楽しみください。