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建築家インタビュー
  • 掲載:2022年12月03日 更新:2024年08月07日

お施主様に寄り添い、知恵と経験を活かして生活を豊かにする『暮らしの設計』をいたします。

伊藤 沙織
有限会社ひまわり工房 暮らしの設計士
伊藤 沙織(SAORI ITO)
兵庫県相生市
<経歴>
大学では建築デザインを専攻
2011年 有限会社ひまわり工房入社
戸建住宅の設計営業および広報を中心に活動中

<個人の賞歴>
『THE SHINKEN HOUSING AWARD 2019』受賞


オンラインでのコミュニケーションでも「人のぬくもり」を感じていただけるように。

主に子育て住宅を手掛ける弊社では、約6年前からSNSやBlogなどのオンラインツールを使って、コミュニケーションのきっかけにしてきました。企業アカウントというよりは、『企業の中のひとアカウント』というように人間味がにじみ出ることをオリジナリティとして意識し、現在も継続して発信し続けています。

その結果、オンラインの中で既に弊社のファンになってくださる方が増えています。さらに、リアルの場で初めて話をする時に、ご家族から温かい空気感で接してくださるので、和やかに商談させていただけることに喜びを実感しています




『遊び心』のつまった家づくり。

約5年前、手を加え続けることが大好きなお施主様との出逢いがありました。やろうと思ったことはたいていDIYで叶えてしまうご家族で。家づくりの最中も『遊び心の要素』を家中につめこみました。いざ生活が始まると、家の中の梁にブランコが設置されていたり、冬には薪ストーブで作られたピザを私も美味しくいただいたり。

「家というのは、手を加え続けることで飽きずに、むしろ楽しみが熟していくものなんだな」ということを教えていただきました。『暮らし方を真似したい』と強く思えるお施主様との出逢いは、とても感慨深いものです。




どんなに難解な依頼でも『今できるベストな選択肢』を一緒に導き出します。

最初から否定するのではなく、まずは一緒に達成できる方法を考える行動を大切にしています。
良い家という概念は驚くほどに千差万別です。『空間(設計)・時間(期限)・ひと(家族)』を軸にして、何を優先順位高く設定するのか熟慮を重ねた上で、一緒に答えを出していくことを重要視しています。
優先順位を決めていくと、ご依頼者さんにとって『今できるベストな選択肢』が導きだせるものです。




「今のトレンド」と「必要なトレンド」。

常にトレンドを意識して公私ともに過ごしています。ただ、単純にトレンドを取り入れるのではなく、『弊社にとって』さらには『お施主様にとって』本当に必要かどうかも慎重に考えた上で採用することを大切にしています。これからの暮らしはますます多様化する予感がしています。
一緒に暮らす家族の構成が変わることや暮らし方の変化に対してフレキシブルに対応できるように意識を高めていきたいです。

最近では『3帖程度のリモート部屋』の需要が高まっています。以前は書斎と言ってご主人が使う部屋のイメージが強かったのですが、withコロナ時代では、小さくてもいいので『家族の人数分、それぞれが小さくこもれる場所づくり』が求められていることを実感します。
リモート家庭教師やリモート授業、リモートお稽古など…もはやリモートワークに限らないオンライン用途の多様化に伴い、間取りの構成も変化してきています。




私にとっての究極のサスティナブル。

今の時代の建築業界では、『サスティナブル』という言葉が共通テーマのように感じます。私のなかで究極にサスティナブルな住宅というのは、茅葺き屋根が施工された住宅だなと常々考えています。10年以上前、滋味豊かな茅葺き屋根に惚れ込み、茅葺き施工の実体験を通していつか自分たち家族のための小さなおこもり小屋を建てる時には、その屋根を茅で葺きたいと願っています。

残念ながら現在の建築基準法のもとで新築を建てる場合、限りなく茅葺き屋根の住宅を建てることは困難です。保存地域などは今も存在していますが、それ以外の一般的な市街地では難解です。
サスティナブルが注目されているからこそ、ますます理解の多様化が進み、茅葺きがさらに共存できる時代が来ることを願うばかりです。




建材を開発・製造し提供されるメーカー様へ。

ニーズが多様化に伴い、よりいっそう開発や価値提供までの瞬発さが求められる時代だと思います。今の時代、消費者側の声は相当なパワーがあります。ぜひ今後も、傾聴する姿勢を大切にしていただきたいと応援する思いです。









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シーズン毎で取材させて頂いている建築家へのインタビュー記事です。2007年秋にスタートして四半期毎に新しい記事の更新をしています。住宅、集合住宅、商業施設、公共施設など建築家の体験談をお楽しみください。