ARCHITECT
建築家インタビュー
- 掲載:2024年10月23日 更新:2024年12月12日
間口、建坪、斜線の制限がある敷地でも生活する上で過不足がない「9つの階層で緩やかに連なる家」 竹本卓也建築研究所 竹本卓也
敷地は大阪府豊中市の住宅地。間口5m奥行き15mと東西に細長く、東側隣地と1.4mの高低差がある23坪の小さな土地に建ちます。北側隣地境界からの高度斜線制限があり、標準的な階高では2階の天井高さを十分に確保できません。このような、間口、建坪、斜線の制限がある敷地にあっても、家族4人が生活する上で過不足のない家、あきらめない家を目指しました。
刀根山の家は間口3.6m、奥行き12.4mの建築面積に、14の空間と9つの階層を内包しています。床面と床面を少ない段差で連ねることにより、相互の距離を近く保ち、一体的でありながらもそれぞれの場所に異なる関係性を表しました。緩やかに連なるひと続きの空間は、建物全体があたかも踊り場の体を成し、動的で変化のある印象を与えています。
階段室や廊下のない平面計画、気積を活用した重層する断面構成は、狭小ながらも住宅として必要な要素を確保するのに寄与しています。空間を壁と建具で仕切るのではなく、床と天井の高さで区切ることで、間口の狭さを感じさせない、抜けと透けのある空間を実現しました。
大小さまざまに形状が異なる開口部は、周囲を建物に囲まれた環境においても十分な明るさと開放感をもたらしています。東の空を切り取る三角形の高窓は、季節や天候の変化を取り込み、日々時間の流れを映し出します。
刀根山の家は間口3.6m、奥行き12.4mの建築面積に、14の空間と9つの階層を内包しています。床面と床面を少ない段差で連ねることにより、相互の距離を近く保ち、一体的でありながらもそれぞれの場所に異なる関係性を表しました。緩やかに連なるひと続きの空間は、建物全体があたかも踊り場の体を成し、動的で変化のある印象を与えています。
階段室や廊下のない平面計画、気積を活用した重層する断面構成は、狭小ながらも住宅として必要な要素を確保するのに寄与しています。空間を壁と建具で仕切るのではなく、床と天井の高さで区切ることで、間口の狭さを感じさせない、抜けと透けのある空間を実現しました。
大小さまざまに形状が異なる開口部は、周囲を建物に囲まれた環境においても十分な明るさと開放感をもたらしています。東の空を切り取る三角形の高窓は、季節や天候の変化を取り込み、日々時間の流れを映し出します。
設計士プロフィール
竹本卓也建築研究所
竹本 卓也 | たけもとたくや
⼀級建築⼠
〒560-0045
大阪府豊中市刀根山4丁目5番14号
TEL:06-7223-3862
大阪府豊中市刀根山4丁目5番14号
TEL:06-7223-3862
1986年 大阪府生まれ
2008年 近畿大学理工学部建築学科卒業
2007年〜10年/12年〜 長瀬信博建築研究所
2017年〜 竹本卓也建築研究所
受賞歴
2019年 第5回 パイロシステム ガラス防火区画 デザイン・コンペ 準優秀
2024年 第6回 パイロシステム ガラス防火区画 デザイン・コンペ 佳作
2008年 近畿大学理工学部建築学科卒業
2007年〜10年/12年〜 長瀬信博建築研究所
2017年〜 竹本卓也建築研究所
受賞歴
2019年 第5回 パイロシステム ガラス防火区画 デザイン・コンペ 準優秀
2024年 第6回 パイロシステム ガラス防火区画 デザイン・コンペ 佳作
技術的な問題の解決
木造二階建て、スキップフロア形状の住宅を実現するために、創意工夫をしました。二層の空間に大きく切妻屋根を掛けた形状で、大屋根は水平梁・棟木を無しとし、ホームコネクター接合による合掌梁の架構としました。各床面レベルは複雑となっていますが、雑壁垂壁も含めて壁面は面材耐力壁仕様とし、必要に応じて壁内に応力伝達用の梁材を配置、通し柱の曲げ要素も含めて段差部の応力処理を行ない、スキップフロアに対応しました。ポーチの1階角柱を無しとするため、上部の持ち出し部は105角筋交いトラス+面材梁の合成梁を壁内に設けて支持しました。
使用する建材の選び方
場所ごとに求められる機能性を確保しつつ、意匠性を兼ね備えた建材を選定するよう心がけています。自然素材(無垢フローリングなど)や工業製品(木毛セメント板など)の持つ、素材としてのピュアな魅力はもちろんのこと、カーペットや畳など本来、自然素材で構成されているものを樹脂素材に置き換えることで、機能性と意匠性を両立させた新たな建材(ビニル織物床シート/和紙畳等)についても、たとえそれらの材質がフェイクであったとしても、ピュアな成り立ちを受け継ぐ建材については、フラットな視点で積極的に使用しています。
作品で使用した建材
【外壁】
使用建材 | :ガルバリウム波板 |
---|---|
建材名 | :長尺スレート小波 |
建材メーカー | :月星商事株式会社 |
【外壁】
使用建材 | :レッドシダー羽目板 |
---|---|
建材名 | :レッドシダーSパネル |
建材メーカー | :株式会社東京工営 |
【リビング・ダイニング・玄関・洗面室など】
使用建材 | :高圧木毛セメント板 |
---|---|
建材名 | :TSボード |
建材メーカー | :竹村工業株式会社 |
【リビング・ダイニング・ホール】
使用建材 | :無垢フローリング |
---|---|
建材名 | :ダグラス200 |
建材メーカー | :スカンジナビアンハウジング |
【トイレ・キッチン・寝室】
使用建材 | :ビニル織物床シート |
---|---|
建材名 | :ココフロア |
建材メーカー | :株式会社サンゲツ |
【和室・家事室】
使用建材 | :和紙畳 |
---|---|
建材名 | :ダイケン畳健やかくん |
建材メーカー | :株式会社ダイケン |
【浴室】
使用建材 | :磁器質タイル |
---|---|
建材名 | :ピエトラデグレ |
建材メーカー | :東日本ダントータイル株式会社 |
「竹本卓也建築研究所」の建築への思いと建築作品
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設計士プロフィール
竹本卓也建築研究所
竹本 卓也 | たけもとたくや
⼀級建築⼠
〒560-0045
大阪府豊中市刀根山4丁目5番14号
TEL:06-7223-3862
大阪府豊中市刀根山4丁目5番14号
TEL:06-7223-3862
1986年 大阪府生まれ
2008年 近畿大学理工学部建築学科卒業
2007年〜10年/12年〜 長瀬信博建築研究所
2017年〜 竹本卓也建築研究所
受賞歴
2019年 第5回 パイロシステム ガラス防火区画 デザイン・コンペ 準優秀
2024年 第6回 パイロシステム ガラス防火区画 デザイン・コンペ 佳作
2008年 近畿大学理工学部建築学科卒業
2007年〜10年/12年〜 長瀬信博建築研究所
2017年〜 竹本卓也建築研究所
受賞歴
2019年 第5回 パイロシステム ガラス防火区画 デザイン・コンペ 準優秀
2024年 第6回 パイロシステム ガラス防火区画 デザイン・コンペ 佳作
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シーズン毎で取材させて頂いている建築家へのインタビュー記事です。2007年秋にスタートして四半期毎に新しい記事の更新をしています。住宅、集合住宅、商業施設、公共施設など建築家の体験談をお楽しみください。