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掲載:2019年12月19日更新:2019年12月19日

スレート屋根にするメリットとデメリット、費用、注意点

屋根スレート

屋根材の種類のひとつにスレートがあります。
スレートは天然スレートと化粧スレートの2つに分類されます。

•天然スレート:粘板岩を薄い板状に加工した屋根材
•化粧スレート:セメントに繊維素材を混合して薄い板状に加工した屋根材

天然スレートは価格が高いため、現在は化粧スレートが多く使用されていると言えるでしょう。 スレートは「コロニアル」や「カラーベスト」と呼ばれることがありますが、呼び方が違うだけですべて同じ屋根材です。
現在、化粧スレートを生産している唯一のメーカー商品が「カラーベスト」であり、カラーベストの代表的な商品名を「コロニアル」と呼びます。
この記事では、現在の主流である化粧スレートのメリットやデメリット、費用や注意点などについて詳しく説明します。 スレート屋根を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

1.屋根にスレート材を使うメリットとデメリットとは

屋根スレート

以下ではスレート屋根のメリットとデメリットを説明します。 特徴を知り、屋根材を選ぶときの参考にしてください。

スレート屋根のメリット

スレート屋根は日本の戸建て住宅の屋根材としてはもっとも普及しており、人気がある屋根材と言えるでしょう。 人気の理由は主に3つあります。

1. 価格が安い
2. 耐震性が高い
3. 施工しやすい

それぞれの特徴やメリットを詳しく説明します。

1.価格が安い

スレート屋根は価格が安いことがメリットのひとつです。 施工に使用する部材がスレート本体以外にほとんどないため、安い価格で施工できることが大きな特徴です。 特に新築工事の場合は、他の屋根材に比べて安い価格で施工することが可能です。
なるべくコストを抑えて施工したい人におすすめと言えるでしょう。

2.軽量で耐震性が高い

スレート屋根は、厚さ約5ミリメートルの軽い屋根材です。 粘土瓦と比べると半分程度の重さしかなく、1平方メートルあたり21キログラムと非常に軽いことが特徴といえます。 スレート屋根は、建物にかかる負担が少なく、地震の揺れに強いことがメリットです。

3.依頼できる施工業者が多い

スレート屋根は日本の戸建ての屋根材としてもっとも普及しているため、依頼できる施工業者が多いことがメリットです。 依頼できる施工業者が多いと、新築工事だけではなくリフォームやメンテナンスのときにも依頼しやすいといえます。 長い目で見ても安心できる点が大きな特徴です。

スレート屋根のデメリット

スレート屋根にはさまざまなメリットがあるため良い印象を受けた人も多いでしょう。 しかし、デメリットがないわけではありません。 以下ではスレート屋根のデメリットを紹介します。

1.塗装メンテナンスが必要

スレート屋根の素材自体には雨水を防ぐ「防水性」がないため、生産時に塗装をすることで防水性を高めます。 塗料は紫外線や雨、風などにさらされることで、いずれは剥げてしまいます。 塗装が剥げたままにしておくと防水性が失われて雨漏りの原因となるため、定期的に塗装メンテナンスが必要となるでしょう。

2.ひび割れしやすい

スレート屋根は、他の屋根材に比べてひび割れしやすいことがデメリットです。 塗装が剥げて防水性が失われることによって、急激な雨水の吸水と乾燥を繰り返すことでひび割れが起きてしまいます。 また、スレートに切れ込みを入れるなど少し凝ったデザインの場合は、より割れやすくなります。

3.雨漏りしやすい

スレート屋根が雨漏りしやすい原因はいくつかあります。

•塗装が剥げて雨水がしみ込む
•ひび割れ部分から雨水が侵入する
•反りや浮き部分から雨水が侵入する

上記の原因はすべて、スレート屋根の塗装が剥げたことで起きます。 放置しておくと雨水が深部まで入り込み、屋根だけでなく建物全体の劣化が深刻になる恐れがあります。

スレート屋根が向いているのはどんな人?

スレート屋根は、新築工事のコストを抑えたい人や耐震性を求めている人に向いています。 さらに、カラーやデザインが豊富なため、デザインを重視したい人にも向いています。

2.屋根にスレート材を使う場合の費用相場

屋根スレート

人気のスレート屋根の施工費用がいくらかかるのか「補修」「塗装」「葺き替え」ごとに費用相場を説明します。

スレート屋根の補修

スレート屋根の差し替えの費用相場は1~5万円です。 雨漏り調査や足場が必要な場合は別途費用がかかります。 雨漏りは原因を特定せずに補修すると99%の確率で再発すると言われています。 直してもまた補修をしなければいけなくなるため、雨漏りの原因を特定したうえで対処することをおすすめします。

スレート屋根の塗装

スレート屋根の塗装の費用相場(シリコン系塗料・30坪の家の場合)はおよそ23万円です。 塗料の種類にはウレタン系、シリコン系、フッ素系などがあり、種類によって平方メートル単価や機能性が異なります。 塗料価格はウレタン系がもっとも安く、次に安いのがシリコン系、もっとも高いのがフッ素系となります。

スレート屋根の葺き替え

スレート屋根からスレート屋根への葺き替えの費用相場(30坪の家の場合)は80~120万円です。 既存の屋根材によって費用は異なります。日本瓦からスレート屋根へ葺き替えした場合の費用相場は100~160万円です。 葺き替えは既存屋根の撤去や下地補修もおこなうため、補修や塗装より費用が高くなります。

3.スレート屋根の耐用年数をチェック

屋根スレート

スレート屋根の寿命は20~30年ほどで、寿命を縮めないためには定期的なメンテナンスが必要です。 以下では補修や塗装メンテナンス、葺き替えに必要な年数をそれぞれ説明します。

塗装や補修が必要な年数

「塗装」が必要な症状と年数 • 色あせ:築5~7年 • コケの繁殖:築7~10年 • ひび割れ:築10年 「補修」が必要な症状と年数 • 欠け:築10年以上 • 反りや浮き:築10年以上 上記のとおり、症状によってメンテナンス方法や時期は変わります。 適切な時期にメンテナンスをすることにより、スレート屋根の寿命の縮みを防ぐことが可能です。

スレートの葺き替えが必要な年数

スレート屋根は、メンテナンスをしていれば30年以上もつと考えられています。 しかし、メンテナンスをおこなわずにいると、20年ほどで寿命がくる恐れがあります。 症状が悪化した場合は補修や塗装メンテナンスでは対応できないため、葺き替えが必要になります。

4.スレート屋根を使う場合の注意点を覚えておこう

屋根スレート

スレート屋根を使う場合の注意点は2つあります。 具体的な内容を知っておくことで費用や労力を節約できるでしょう。

業者選びは慎重に

1つめの注意点は慎重に業者を選ぶことです。 実際に、塗装メンテナンスをしたにもかかわらず雨漏りする事例があります。 雨漏りの原因は、塗装後に雨水を排出するための隙間を設けていないことです。 屋根には屋根材の下に入り込んだ雨水を排出するための隙間があります。
屋根塗装をすると塗料によって隙間がふさがるのですが、人為的に隙間を設ける工程(縁切り)がおこなわれるため通常なら問題ありません。
しかし、未熟な業者や手抜き工事の場合は縁切りがおこなわれない恐れがあります。 塗料の機能性も重要ですが業者選びはもっとも大切だと考えておきましょう。

定期的に劣化状況を確認しよう

2つめの注意点は、定期的に劣化状況を確認することです。 スレート屋根を寿命ギリギリまで使うには、5~10年に1度の定期的な点検が必要です。 色あせやひび割れなどの劣化状況の確認が大切だと覚えておきましょう。 点検をおこたると雨漏りが発生する危険が高まります。

5.まとめ:屋根材のコストを抑えたい人にはスレートが適している

屋根材コスト

スレートは、コストを抑えたい人や耐震性を求める人、デザイン重視の人に向いている屋根材で、種類が豊富なことが特徴です。
どの種類を選べば良いか分からない場合は、下記のおすすめ商品を参考にしてみてください。

おすすめ商品1:丸鹿セラミックス「スパニッシュナチュラルスレート」

丸鹿セラミックスのスパニッシュナチュラルスレートは、本場スペインより直輸入された最高級のブランド瓦です。 吸水率も低く3枚で葺くフック工法により、落下の防止対策も万全。また在来工法での施工も可能です。

おすすめ商品2:スカイメタルルーフ「スレート」

スカイメタルルーフのスレートは、金属製でありながらスレートに近い質感を再現した屋根材です。 デザインだけではなく地震・暴風雨・紫外線からの劣化に強いことが特徴です。 機能性・デザイン性・経済性すべてを求める人におすすめの商品です。 上記を参考にして、ぜひ新築やリフォームする際の情報として役立ててください。



著者(岡崎 康裕)プロフィール

塗装技能士2級
2年半の外壁塗装の職人経験
外壁、内壁塗装に関する知識と実務経験






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