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掲載:2024年01月01日更新:2024年01月05日

インナーバルコニーとは?メリット・デメリットについてまとめました!

インナーバルコニーとは?メリット・デメリットについてまとめました

近年では家で過ごす時間が増え、その過ごし方は多様化しています。中でも家づくりを検討している方に注目されているのが「インナーバルコニー」です。
「聞いたことはあるけど、なぜ人気なのかよく分からない」「ベランダと何が違うの?」など疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、インナーバルコニーや概要やメリット・デメリット、設ける際の注意点について解説します。

1.インナーバルコニーとは?

インナーバルコニーとは?

インナーバルコニーとは、文字通り建物の内側にバルコニー部分がある形状で、屋根や上階の床が天井になります。
建物の2階以上に設ける場合がほとんどで、明確な定義はありませんが、スペースは広めにとっていることが多いようです。通常のバルコニーは建物の外側に張り出した形状で、屋根がありません。ベランダは建物の外側に張り出した形状で、屋根付きなのが特徴です。
こちらも明確な定義はありませんが、バルコニーよりもベランダの方がコンパクトなイメージで捉えられています。

2.インナーバルコニーのメリット

インナーバルコニーのメリット

インナーバルコニーにはさまざまなメリットがあるので、いくつかご紹介します。

天候の影響を受けにくい

インナーバルコニーのメリットとして、最も大きな要素は屋根があるため天候に左右されにくいということでしょう。
洗濯物を干したまま外出しているとき、急に雨が降り出しても、インナーバルコニーなら洗濯物が濡れてしまうことを防げます。屋根が付いているベランダでも雨はしのげますが、奥行きのあるインナーバルコニーのほうがより安心でしょう。
天気の良い日も、直射日光を避けることができ、紫外線を気にせず快適に過ごせます。

開放的な空間がつくれる

インナーバルコニーは、室内空間と外空間の中間のような雰囲気が特徴の一つです。壁や屋根に守られながら、心地よい自然の光や風を感じることができ、ほどよく開放感のある空間がつくれます
隣にリビングを設ければ、リビングの延長としてさらに広々とした空間に感じられるでしょう。

さまざまな使い方ができる

屋根がありスペースが広めのインナーバルコニーは、さまざまな使い方ができます。
例えば、バーベキューをしても庭のように雨や日差しを気にする必要がありません。風が通るので、においを気にせず楽しむことができるでしょう。
ハンモックなどを設置してアウトドア気分を味わうのもいいですね。プランターを置いて花や野菜を育てている方も多く、庭に十分なスペースがなくてもガーデニングが楽しめるため人気の活用方法です。テーブルやソファを置けば、お茶を飲んだり読書をするくつろぎスペースにもなります。

インナーバルコニーは、趣味や好きなことを楽しむ空間として、フレキシブルな使い方ができるでしょう。

3.インナーバルコニーのデメリット

インナーバルコニーのデメリット

メリットの多いインナーバルコニーですが、その一方でデメリットがあることも理解しておかなくてはいけません。
次はデメリットについてご紹介します。

隣接する部屋が暗くなる可能性がある

インナーバルコニーは屋根があり奥行きも広いため、隣接の部屋まで日光が届きにくい可能性があります
インナーバルコニーに接していない面からの採光で補うことはできますが、近隣の状況によっては、日中でも十分な明るさが確保できないことも否定できません。

固定資産税が高くなる可能性がある

住宅の所有すると固定資産税がかかります。固定資産税の算出には、住宅全体の総面積となる延床面積が関係するのですが、屋根があり3方向を壁で囲まれているインナーバルコニーは屋内的な空間とみなされ、原則的に延床面積に含まれます。そのため固定資産税が上がる可能性があるのです。

ちなみに、屋根のない通常のバルコニーや屋根のあるベランダは、外壁面からの出幅が2m以下の部分は、延床面積に含まなくてもよいとなっています
また、地域や土地ごとに容積率が定められており、敷地面積に対する延床面積の割合は決まっています。例えば、100㎡の土地で容積率が200%だったとします。その土地に建てられる住宅の延床面積は200㎡となりますが、インナーバルコニーもこの200㎡に含まれるため、必然的に他の部屋の面積が狭くなる可能性もあります。

インナーバルコニーの使用目的や頻度、優先順位などを事前にしっかりと検討し、採用を決めることが大切です。

設置費用が高くなりやすい

インナーバルコニーは周りを囲む壁や屋根を支える柱が必要であり、面積も通常のバルコニーに比べ広いことが多いため、建築費は高くなる傾向にあります。
インナーバルコニーの設置場所は建物の内側なので、階下には居室など生活スペースがあります。下の階に支障が出ないように、断熱材の施工や防水加工などの対応が必要なことも建築費が上がる要因でしょう。

4.インナーバルコニーを設ける際の注意点

インナーバルコニーを設ける際の注意点

インナーバルコニーを生活の中で有効活用するため、設置する際の注意点をご紹介します。

近隣の状況を確認する

インナーバルコニーの設置に限ったことではありませんが、住宅を建てるときはまず周りの状況をしっかりと確認しておくことが大切です。
近隣住宅との距離が近い、インナーバルコニー内が見える位置に窓がある、などの理由でせっかくインナーバルコニーを設けたのに思うように使えないといった声も実際に聞かれます。必要に応じて、フェンスやラティスで目隠したり、外壁を高くするなどの対策を行いましょう。
外からの視線を気にするあまり、必要以上に空間を遮るとインナーバルコニーの良さが軽減されてしまうので気をつけたいですね。

使用目的を決める

フレキシブルな使い方ができるのはインナーバルコニーの魅力ですが、明確な目的がないままつくってしまうと使い勝手の悪いスペースになりかねません。
バーベキューを楽しみたいならキッチンからのスムーズな動線を考え、洗濯物を干したいときは洗面室からの動線やハンガーなどの収納場所を考慮する、ガーデニングがしたいなら水栓を設置したり排水対策を行う、などインナーバルコニーでの過ごし方をある程度イメージしておくと良いでしょう。

インナーバルコニーをどう使うかは、間取りや設置する設備などに関係してきます。細かく決める必要はありませんが、使用目的を決めることで事前の準備がスムーズにでき、追加工事名などの心配も軽減されるでしょう。

採光対策をする

先述のように、インナーバルコニーに面した部屋は光が入りづらくなる恐れがあります。他の方向から採光できるように、間取りや窓の位置を考慮しましょう。近隣の状況により、窓を設置することが難しい場合は、天窓(トップライト)や高窓(サイドライト)などを活用して明るさを確保するのもいいですね。

インナーバルコニーにおすすめの建材

フレームの構造がスリムでスタイリッシュなバルコニー手摺ユニット。省施工で、一味違う住宅デザインを可能にします。



断熱材として使われるウレタンを使用。耐震に有効な建物への負荷が少ない軽量デッキ。



デザインと機能を兼ね備えたハードウッド(イペ・セランガンバツ)の目隠し部材です。



まとめ

まとめ

インナーバルコニーは、屋根付きで広さがあり、開放的な雰囲気でとても魅力的です。
生活スタイルなどに合わせてさまざまな使い方ができるため、暮らしの幅が広がったと感じている方も少なくありません。インナーバルコニーのデメリットや設ける際の注意点も念頭に置きながら、家族の特別な空間を取り入れてみてはいかがでしょうか。





著者(おのみき)プロフィール

建築・インテリア系の専門学校卒業後、工務店にて建築業務に携わる。
福祉住環境コーディネーター2級。
二児の母。






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