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掲載:2023年11月24日更新:2024年02月01日

お風呂の壁に磁石がつくって知ってた?仕組みと理由を聞いてみた

浴室
マグネット収納(「タカラスタンダード」公式サイトより)

ここ数年、浴室の「浮かせる収納」が人気を集めています。
本屋さんでとある記事を発見し、記事の内容には「マグネットフックを使って浮かせる!」「浴室の壁にマグネット収納アイテムが使える!」など、浴室の壁にマグネット(磁石)が使えるという内容が書かれていました。

半信半疑で、自宅の浴室にマグネットフックを試しにつけてみたところ・・・
記事の内容通り、壁に磁石がくっつきました!
まさか自分の家の浴室の壁に磁石がくっつくなんて思いもしませんでした…。

このような記事があるということは他のご家庭も浴室の壁に磁石がくっつくということになります。 昔はタイルの壁を用いていた記憶がありましたが、いつの間にかタイルの壁を見なくなりました。
現在主流になっている磁石がくっつく浴室の壁は、どのような仕組みで磁石がくっついて、いつごろから使用されるようになったのでしょうか。

今回、メーカーの3社に電話で聞いてみました。

鋼板入れた複数層からなる“HQパネル”

TOTOの浴室
サザナ(「TOTO」公式サイトより)

最初に聞いたのは福岡県北九州市に本社を置く“TOTO”。

-- なぜ浴室の壁に磁石がくっつくのですか。

現在TOTOで発売されている浴室(ユニットバス)の壁につきましては、間に鋼板を入れた複数層からなるHQパネルを用いております。鋼板は表層樹脂フィルムの下に入っており、磁石がくっつくのはこのためでございます。

とてもご丁寧に応えてくださいました。
磁石がくっつくのは、壁の裏側に鋼板が含まれるHQパネルというものを使用しているためようです。

では、なぜわざわざ鋼板を使用していたのでしょうか。またいつ頃から導入し始めたのでしょうか。

これまでのユニットバスで使用していた壁パネルにおいてはタイル壁やナチュラルクラフトパネルがございましたが、意匠性や施工性などを考慮しまして、1980年代から鋼板パネルも用いられておりました。

壁や床をタイルなどで仕上げる方法を在来工法とよびます。その在来工法は、施工にとても時間がかかり、完成までの時間が長くなってしまうのが欠点でした。
このことも考慮して、鋼板が用いられるようになったのですね。

やはり、今リフォームをするなら磁石タイプの方が多いのでしょうか。続けて聞いてみました。

現在ユニットバスのHQパネルのみとなっているため、新たにユニットバスを設置する場合は、どのシリーズを用いたとしても鋼板が入ったHQパネルとなります。

ほとんどのご家庭が磁石タイプになるということですね。
現在でも希望があれば在来工法での施工もできるみたいですが、ほとんどの方がHQパネルを用いた施工を選んでいるようです。

2.磁石をつけることが目的だったわけではない

LIXILの浴室
リデア(「LIXIL」公式サイトより)

次に東京都品川区に本社を置く“LIXIL”。
こちらも“TOTO”と同じで「鋼板を用いているため」とお答えいただきました。

次の質問も同じく、壁の仕様といつ頃から普及し始めたのかを聞いてみました。

弊社の場合は、元々はタイル貼り壁が主でしたが、1980年代後半位から鋼板タイプの壁も使われ始め、現在では最も多いタイプになっています。理由は特に磁石を付ける事が目的だったわけではなく、意匠性のバリエーションが多く作れることがお客様からご好評いただき、増えてきたものと思われます。

こちらも“TOTO”と同様に1980年代から普及し始めたようです。
今では最も多いタイプになっているようですね。
リフォームする際は、銅板タイプの壁を使うことがほとんどとのことでした。

意匠性以外にも鋼板を使うメリットはあるのでしょうか?続けて聞いてみました。

そのほかの導入するメリットとしては、軽量で強い構造にできるためと防水性が高い点があります。

なるほど。様々なメリットがあるんですね。
いろいろなメリットがありますが、やはり一番のメリットは、意匠性が高いことのようです。

LIXIL製品のカタログ一覧はこちら

3.独自開発した“ホーローパネル”

ジオメトリックウィンドゥ
ホーロークリーン浴室パネル(「タカラスタンダード」公式サイトより)

最後に大阪府大阪市に本社を置く“タカラスタンダード”。

-- なぜ浴室の壁に磁石がくっつくのですか。

ホーロー壁と呼ばれる鉄にガラス質の釉薬を焼き付けたものを使用しているからです。

タカラスタンダードは、ホーロー壁と呼ばれる独自開発したパネルを使用しているそうです。
自社製品としてマグネット収納も販売していました。

-- なぜ磁石がくっつくような仕様にしたのですか
 いつ頃からそのような仕組みが普及し始めましたか

弊社商品は以前から磁石が付きますが、一部構造上の納まりの関係上化粧サンドイッチパネルという磁石がつかないパネルの扱いもございました。

以前から磁石がくっつく仕様だったとのこと。

1982年に日本で最初に導入を始めたとのことで、タカラスタンダードが一番古い磁石の壁の歴史を持っているようですね。

まとめ

今回、3社に浴室の壁についてお話を聞くことができました。

まとめると、1980年代を境目に意匠性や施工性を考慮して鋼板を用いるようになり、この仕様は現在、主流の工法となっているというわけです。
そのため磁石がくっつくようになり、たまたまマグネット収納が誕生したみたいですね。

私自身も実際にマグネット収納を取り入れてみましたが、シャンプー・トリートメントボトルの底のぬめりなどの汚れの原因が軽減され、快適に過ごすことができています。

皆様の浴室の壁は磁石がくっつくタイプでしょうか。
せっかくの磁石がくっつく壁なので、磁石を用いた収納をしてみてください! 浴室用のマグネット収納であれば錆びることなく使用することができます。

ちなみに・・・

タカラスタンダードのホーロー壁は、実は浴室以外にも使用できるのです。


内装材はもちろん、外装材で用いることもできます。
上記製品以外にも建材ナビで紹介しているので、ぜひ見てみてください!








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