リフォームに最適なフローリングは?目的・予算に合わせたオススメをご紹介
フローリングのリフォームを難しく考える必要はありませんが、いくつかの基本的なことを覚えておくだけで、リフォームの成功率は格段に上がります。
この記事ではフローリングの
・果たす役割
・リフォームする際に選べる工法
・予算に合わせたリフォームのアイデア
などをご紹介します。
1.適切なフローリング材選びのためにできる事
まずはリフォームの予算と目的を明確にしよう
リフォームを成功させるためには、計画の段階で完成図をなるべくはっきりとイメージしておく必要がありますが、どんなリフォーム工事をすべきか計画するためには、そこでどんな生活を送りたいかを明確にしておきましょう。
そのイメージと現実的な予算を照らし合わせれば、どんなフローリングが最適か見えてくるはずです。
20年、30年先のライフプランについてもイメージしてみる
リフォーム工事を成功させるためには、現在の家族構成だけでなく、数十年先のライフプランも合わせて検討すると良いでしょう。
例えば、夫婦であれば子供が増える可能性があるか、子供と何歳9台まで一緒に住むか、何年か後には親と同居する可能性があるか、などを考えておけば、リフォームは住む人の生活にマッチしたものになります。
フロアの果たしている役割や基本的な構造も理解しておこう
木造一戸建てであれRC造のマンション・アパートであれ、建物の建築方式によってフローリングのリフォーム工事の要領や費用に差があるものではありません。
また、現在張られているのがどんなフローリング材であれ、新しく張るフローリング材は制限されず、自由に選択する事が可能です。
ただしマンションであれば、管理会社によっては下階の住人との騒音トラブルを避けるために、フローリングのリフォームやリノベーションが規約によって制限されている場合もありますので、リフォームを計画する前に一度確認してみると良いでしょう。
寒さの厳しい地域に住んでいたり、寒さがとりわけ苦手だったりするなら、リフォームの際に床暖房を導入するというのは良い選択です。
ただし、フローリング材によっては床暖房に対応していないこともあるので注意しましょう。
例えば、無垢フローリングは一般的に温度変化に弱くホットカーペットの使用も勧められません。床暖房対応のものもありますが費用はかなり高額になります。その場合は、他のフローリング材を選択する方が良いでしょう。
無垢フローリングは、湿度が高ければ湿気を吸収し湿度が低くなれば湿気を放出するという、木特有の調湿性により室内の湿度を安定させるのに役立ちます。
また、木肌の質感は人の肌にも心地よく、カーペットなしでも寝転がったり、裸足で歩いたりしても全く不快感がありません。
高齢者の多くは日本の伝統的な床材である畳を好んでいますが、畳に座ったり横たわったりしている姿勢から立ち上がったり起き上がったりする動作は、加齢とともに負担が大きくなっていくでしょう。
高齢者の生活の負担を軽減するために、ベッドや椅子・テーブルを配置するために、フローリングは硬質で傷に強いものでなければなりません。
フローリングはインテリアコーディネートにも大きく影響する
フローリングはインテリアにおいて占める割合の大きい重要な部分です。
壁も天井も合わせてリフォーム・リノベーションする、家具も新調する、というのであればフローリング選びは比較的簡単かもしれませんが、もしそうでないなら既存の壁・天井・家具などのインテリアとマッチする素材・グレードのフローリングを選ぶと良いでしょう。
2.上貼り(重ね貼り)、張り替え、どちらの工法にするか
床のリフォーム・リノベーションを検討する際には ・上貼り(重ね貼り)工法 ・張り替え工法 という二つの施工法を選択でき、どちらの工法を選ぶかによって予算は大きく異なります。
フローリングの上張り(重ね張り)のメリット・デメリット
重ね張りは張り替えよりも工事費用が安くなり、工期も短期間で済むというメリットがあります。
重ねて張り付けるフローリング材は、重ね張り用に用意されている6mm厚の複合フローリングや3mm厚程度の塩ビタイルなどがオススメです。
しかし、6mm程度の厚さであっても重ね張り工事では巾木や建具、周囲の段差などとの兼ね合いを綿密に図る必要がります。
フローリングの重ね張りに合わせて、巾木の張り替えやドアの丈を切り詰めたりしなければならない場合、その分の費用がかさんでしまうことも覚えておきましょう。
フローリングの張り替えのメリットやデメリット
重ね張り工事では、既存のフローリングの解体工事や廃材処分に費用がかかるため、重ね張りよりも工事費用は高額になり、工期も1〜2日程度長くなるというデメリットがあります。
しかし、重ね張りに使用できるフローリング材の選択肢には限りがあるのに対し、張り替え工事は自由にフローリング材を選択できます。
張り替え工事の方が全体的に収まりの良い仕上がりにもできますので、予算に余裕があるなら張り替え工事を検討するのが良いでしょう。
「重ね張り工法」と「張り替え工法」の費用差
フローリングリフォームの費用は様々な条件に左右されますので、一概には言えませんが、重ね貼り工法は張り替え工法に比べて
・リビング(8畳程度)のフローリングの場合、約2万〜3万円
・キッチン(4畳程度)のクッションフロアの場合、約1万円
ほどの費用の節約になると期待できます。
工事費用はどんなグレードの床材を選ぶか、下地を補修する必要があるかどうかなどに左右されますので、あくまで目安とお考えください。
目的や予算に応じたフローリングのアイデア
無垢材の質感は、高級感があるだけでなく年月とともに風格が増し、味わい深くなっていくため時間の流れを楽しめる住空間となります。
樹種や節の有無にこだわらなければ、比較的リーズナブルな価格でリフォーム・リノベーションできる可能性もあります。
8畳のリビングであれば、無垢フローリングへの張り替え費用の目安は20万円ほどになります。
バスルーム・洗面所・トイレなど、水回りの空間は床面積も広くなく施工費用は抑えられるため、セラミックタイルでも予算内で施工できるかもしれません。
セラミックタイルを張ると、ホテルのバスルームのように高級感があるクールな空間になります。
施釉タイプ(タイルの焼成時に釉薬でガラス質のコーティングを施したもの)のタイルは濡れると滑りやすくなり危険ですので、水回りに張るタイルはノンスリップ性のものを選ぶようにしましょう。
洗面所をセラミックタイルへリフォームする場合、費用の目安は10万円ほどです。
DIYでフローリングをリフォームできれば、予算を大きく切り詰めることができます。
フローリングのリフォームはプロでなければ難しそうに思えるかもしれませんが、カッターナイフやボンドなど簡単な道具のみで施工できる重ね張り可能な塩ビタイルであればDIYでリフォームすることが可能です。
塩ビタイルは1㎡あたり2,000円〜4,000円程度で入手可能です。
ただし、既存の床がすでにたわんでいたり、歩くたびにきしんだりするようでされば、床材を剥がして構造用合板・大引き・束などを修繕しなければならない可能性もありますので、DIYでリフォームするのは困難かもしれません。
3.まとめ
フローリングのリフォームは床材の種類だけでなく工法も選ばなければならず混乱してしまいそうになるかもしれませんが、この記事でご紹介した基本的な情報を覚えておくだけで、リフォームはずっと簡単になるでしょう。
CAD利用技術者1級、CADアドミニストレーター
住宅メーカの下請けとして木造大工作業を担当。
注文家具の製造と設置。製図補助を担当。
国内最大手インテリアメーカーの店舗で接客・販売を担当。