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掲載:2019年10月16日更新:2019年10月16日

DIYにも最適!「集成材」の特徴・種類・用途を比較

建物や内装、家具などに使う木材を見ていると、集成材・無垢材などという言葉を目にするかと思います。今回は「集成材ってなに?」「無垢材との違いがよくわからない」「どの木材をどこに使うと良いの?」といった方に、集成材の特徴や種類、用途をお伝えします。

天板や棚板などに使われる集成材とは?

木材は大きく「無垢材」と「集成材」の2種類に分けられます。
樹種とは関係なく、同じ樹木からつくられていても「スギの無垢材」「スギの集成材」といったように2種類が存在します。

無垢材

無垢材は、丸太から使うサイズに切り出した木材です。接着剤で貼り付けたりしておらず、木の自然な木目や色ムラ、香りなどを楽しむことができます。経年とともに色の深みや艶を増していくのも特徴の一つです。やわらかく肌触りが良いので、フローリングなどによく使われます。

集成材

集成材は、小さな木材を集めて成形した木材です。木材を小さく切った「挽き板」を乾燥させ、木目方向に平行にして接着剤で貼り合わせてつくります。建物の柱や梁などの構造や、床などの内装、テーブルの天板や棚板など幅広く使われます。 反りなどが少ないため加工しやすく、安価で安定した品質なのでDIYでもよく使われるため、ホームセンターなどでよく目にするかと思います。

集成材の特徴は?メリットとデメリット


メリット1.安価で安定した品質

集成材は無垢材に比べて安い価格で購入できます。また、使う木材を選別して組み合わせるため、強度や色味などの品質にばらつきが少ないです。厚さやサイズもさまざまなものが販売されています。乾燥されているので腐りにくく、高い耐久性をもちます。

メリット2.素人でも加工しやすい

木材は湿度を吸ったり放出したりする性質があり、無垢材は反りやひび割れが生じることがあります。そのため、きちんとした精度をもたせるには、知識のある職人が一つひとつの木材の変形を予想しながら施工していく必要があります。集成材は、加工の段階で所定の含水率まできちんと乾燥させてあるため、無垢材に比べてそういった変化が生じにくく加工しやすい材料です。

デメリット1.香り・肌触り・調湿作用が劣る

木ならではの香りややわらかな肌触りをより楽しみたいという方には、無垢材の方が向いています。集成材は接着層が見えることもありますが、木材ならではの美しい見た目や手触りなどの良さはそのまま受け継いでいます。

デメリット2.接着剤が使われている

集成材に使われている接着剤の臭いや体への影響を気にされる方もいらっしゃいます。シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを発散しない集成材を使うと、人体への影響の心配はありません。

現在、シックハウス症候群対策として、ホルムアルデヒドの安全基準が設けられています。建材にはホルムアルデヒド発散量のレベルにより「F★★★★」~「F★」まで4段階の記号がついており、星の数が多いほどホルムアルデヒドの発散が少なくないことを表しています。低ホルムアルデヒドの建材を使いたい方は、「F★★★★」のものを選びましょう。

集成材の種類を比較|構造用・造作用の用途は?

集成材は用途によって大きく「構造用」と「造作用」の2種類に分けられます。

構造用集成材

建物の柱や梁、桁などの耐力部材として使われる集成材です。 材料強度が定められており、JAS規格で断面の大きさによって3区分に分けられています。

■構造用集成材のJAS規格の分類

JAS規格 断面の大きさ 主な用途
大断面集成材 短辺15cm以上、断面積が300c㎡以上 体育館などの大型木造施設の構造材料
中断面集成材 短辺7.5cm以上、長辺15cm以上で大断面集成材以外 木造住宅の柱・梁・桁など
小断面集成材 短辺7.5cm未満または長辺15cm未満
※JAS規格とは、食品・農林水産品の取り扱い方法などについて国が制定した規格。

この他にも、樹種による強度等級やホルムアルデヒド放散量などによってこまかく分類されています。

造作用集成材

壁、床、階段などの内装や、テーブルの天板などの家具の作成といった、非耐力部材に使われる集成材です。ホームセンターでDIY用として販売されている集成材の多くがこの造作用集成材です。幅や厚みはさまざまで、用途に合わせてカットして使用します。

化粧ばり集成材って何?

「化粧ばり造作用集成材」「化粧ばり構造用集成材」と呼ばれる集成材もあります。 「化粧ばり集成材」とは、美観を目的として、厚さ1mm前後にスライスした薄板を表面に貼り付けた集成材のこと。そのうち耐力部材として用いられるものを”化粧ばり構造用集成材”、非耐力部材として用いられるものを”化粧ばり造作用集成材”とよびます。



著者(村田 日菜子)プロフィール

住宅専門ライター






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