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掲載:2024年12月16日更新:2024年12月16日

保育園の遊具と空間づくり! 子どもの安全と成長を考えた遊具・床材・壁材・洗面・トイレなどの建材選び

保育の質を高めるために欠かせないのが、子どもたちの健やかな成長を支える遊具選び。また、遊具を安全かつ効果的に活用するための内装材や設備選びも大切です。建物や予算による制限もありますが、保育者視点・子ども視点の両面から環境づくりを行うことで、保育理念の実現に一歩近づきます。今回は遊具から床材や壁材、水回り設備まで、保育園の物的環境を整えるときのポイントを紹介します。

1.保育園の室内遊具で広がる運動の可能性

保育室では、子どもたちの年齢や発達段階に応じた運動環境を整えることが大切です。限られた室内空間でも、子どもたちが十分に体を動かし、さまざまな動きを経験できる工夫が求められます。

全身の動きを引き出すプレイハウス遊具

プレイハウスは、体力遊びからごっこ遊びまで、さまざまな活動の拠点となる遊具です。床や柱などの大小のモジュールを組み合わせることで、設置場所や対象年齢に合わせて構成できます。子どもたちは、登ったり、くぐったり、滑り降りたりと全身を使って遊びながら、自然と運動能力を高めていきます。また、お家や秘密基地になったりと、想像力を育む場所にもなるでしょう。

体幹バランスを育むサイバーホイール

デンマークの教育省とボーネルンドが共同開発したサイバーホイールは、楽しみながら全身運動ができる遊具です。回転運動によって全身の筋肉を使い、血行を促進。体が揺れることでバランスを取ろうと脳が活性化し、自然と全身のバランス感覚が養われていきます。

楽しく跳んで遊べるエア遊具シリーズ

室内でも思い切り体を動かせるエア遊具。トンネル型の遊具は、くぐったり滑ったり揺れたりと、さまざまな動きを楽しめます。小型のエアマットは安全に跳躍運動を楽しめ、トランポリンタイプの遊具はボールプールとしても使える2WAY仕様。用途に合わせて選べる豊富なバリエーションが特徴です。

想像力を育むビッグブロック遊具

ビッグブロックは、室内で安全にダイナミックな造形遊びを楽しめる遊具です。大きな発泡素材でできており、自分で組み立てたり、積み重ねたりすることで、創意工夫する力を身につけます。友だちと協力して大きな作品を作ることで、コミュニケーション能力も自然と育まれるでしょう。



2.保育園の屋外遊具で伸びる子どもの力

子どもの成長にとって、外遊びは欠かせない経験です。戸外で体を思いきり動かすことは、運動能力の向上だけでなく、自然とのふれあいや季節の変化を感じる機会にもなります。屋外遊具の選定では、安全性はもちろん、年齢に応じた適度な運動負荷や冒険的要素を組み込むことが大切です。

総合遊具で育む多彩な運動能力

園庭の主役となるのが大型遊具です。緩やかな傾斜の階段やスロープ、安全な高さの滑り台、全身でよじ登れるネット遊具など、さまざまな運動要素を一体化して構成されています。年齢の異なる子どもたちが一緒に遊べる空間となることで、自然と交流が生まれ、社会性も育まれます。

バランス感覚を育む動きのある遊具

屋外遊具として人気なのが、子どもたちのバランス感覚を刺激する遊具です。ロープでできたゆりかご型の遊具は、揺れる動きを楽しみながら、自然と体幹を鍛えることができます。平均台や揺れ橋なども、全身でバランスを取りながら渡ることで、運動神経を養います。

安全性と遊び心を両立する保育園の内装材

保育園の内装材選びでは、安全性の確保とともに、子どもたちの豊かな活動を引き出す工夫が求められます。衝撃を吸収する床材や、ぶつかっても怪我をしにくい壁材など、基本的な安全対策はもちろんのこと、お絵描きができる壁面やマグネットが使える素材など、遊び心のある製品も増えています。

衝撃に配慮した保育施設の床材選び

天然木のフローリングは、木材の自然な温もりや触感、香りが子どもたちの五感を刺激します。遊具のまわりや活発な遊びのスペースには、柔らかいマットもおすすめです。ハイハイの赤ちゃんから走り回る幼児まで、安心して活動できる環境をつくることができます。

遊び心を育む保育室の壁材活用法

保育の現場では、子どもたちの創造性を引き出す環境づくりも大切です。ホーロー素材はマグネットが使える壁面として活用でき、お絵描きスペースとしても利用できます。水拭きで簡単に汚れが落ち、傷つきにくいため、保育現場での使用に最適です。

安全を確保するコーナーガードの設置

柱や壁の角は、思わぬ事故につながる可能性があります。衝突時の衝撃を和らげるには、柔らかいコーナーガードを設置するのが有効です。カラフルな色使いのものは危険箇所の目印にもなり、子どもたちの安全意識を育みます。

子どもの自立を促す水回りの建材選び

保育園の水回りは、手洗いやうがい、トイレなど、基本的な生活習慣を身につける大切な場所です。子どもたちが自分で使いやすい高さや大きさの設備を整えることで、自立心を育み、衛生習慣が無理なく身につきます。

楽しく手洗いができるキッズ洗面セット

子どもの身長に合わせた低い高さの洗面台は、自分で安全に手が洗えるようになるための第一歩です。キッズ洗面セットは、手の届きやすい高さと深さに設計され、水はねを防ぐボウルの形状も特徴です。蛇口も子どもが操作しやすいデザインで、複数の子どもが同時に使いやすい配置。カラフルな色使いや楽しいデザインによって、手洗いやうがいへの興味も自然と生まれます。

安心して使えるキッズ向けトイレブース

トイレトレーニングや排せつの自立を支援するため、キッズ向けトイレブースには細やかな配慮がなされています。子どもの体格に合わせた低めの便器と手すりで、安心して使えるように。仕切りの高さも、完全に見えなくて不安にならない程度の適度な高さに設計されています。扉は子どもが自分で開閉できる軽さで、万が一の緊急時にもすぐに対応できる構造です。




まとめ

保育園の園庭や遊具は、その園の教育理念や個性が表れやすい場所です。充実した遊びの環境は、子どもたちの意欲的な活動を促すのはもちろんのこと、見学に訪れた保護者の目にも印象的に映ります。

また、安全な活動を支える建材選びも大切です。衝撃を吸収する床材、お絵描きができる壁材など、環境を整えることで新しい遊びを生み出すきっかけにもなります。

重要なのは、年齢や発達段階を考慮して環境を構成すること。0歳児から就学前までの子どもたちが、それぞれの成長に応じて安全かつワクワクしながら遊べる空間を目指しましょう。



著者(村田 日菜子)プロフィール

大学で建築を学んだ後、住宅専門のライターとして活動中。
主にWebコラムや住宅情報誌で、住宅購入やリフォームのノウハウ、マネー情報等の原稿執筆・編集をしています。






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