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掲載:2019年12月16日更新:2019年12月16日

住宅の構造材・内装材にはどの樹種を選ぶ?木材の種類と特徴

フォレスト西川

ヒノキやスギ、ウォルナット、チーク・・・住宅に使われる木材にはさまざまな樹種があり、色や木目、強度、耐久性などにそれぞれ特徴を持ちます。住宅を建てるときには、「柱にはどの木材を使おう?床はどれにしよう?」と悩みますよね。
「柱や梁、土台などの構造材に使う木材は、強度・耐久性・耐水性・耐蟻性などにすぐれた木材を」「床や壁などの内装材には、好みのインテリアに合わせた色・木目・雰囲気の素材を」と用途によって、それぞれ適した樹種が異なります。

今回は、構造材と内装材にそれぞれどのような樹種を選べばよいのか、樹種の種類や特徴とともに解説していきます。

無垢材と集成材のどちらを選ぶ?

木材は無垢材・集成材の2種類に分けられます。同じ樹種でも無垢材と集成材では強さや見た目が変わります。

無垢材 集成材
丸太から切り出した木材。 価格が高い。自然な木目などを楽しめて、優れた調湿性能も有する。強度などの品質には1本1本ばらつきがある。変形を考慮して施工することが大切。 小さく切った木材を接着剤で貼り付けて成形した木材。 価格が安い。規格化されており、客観的に強度がわかる。反りなどの変形が少なく、施工しやすい。

集成材はコストが安く、柱や梁などの骨組みから、家具や内装まで幅広く用いられています。規格化されていて品質が安定しており、施工のしやすさもメリットです。
無垢材は木をそのまま切り出したものなので、どの木を使うかで強さや耐久性が大きく異なります。若い木などからつくられた無垢材は強度が落ちますが、品質の高い無垢材は集成材よりも高い耐久性をもつといわれています。

質の良い無垢材はどうしても値段が高くなるため、構造部材としては集成材がよく使われています。規格化されているため構造計算もしやすいです。目に見える柱だけ無垢材で、梁は集成材といった使い方をすることもあります。すべて無垢材で建てられることはほとんどありません。
無垢材はほどよい柔らかさをもっているため、フローリングに使うと裸足で歩いたときに気持ちが良いと人気です。

住宅の構造材としてよく使われる樹種の特徴

マルホン

柱や梁、土台などの構造材として用いる木材には、荷重や揺れにも負けない強度が必要です。また、長い間安心して住むためには、水分や湿気に強く、高い耐久性のある樹種を選ぶことも大切になります。土台や柱などはシロアリへの強さという視点も忘れてはなりません。こういった背景から、日本では古くからヒノキやスギ、そして最近では輸入品のベイマツやベイツガといった樹種が、構造材としてよく用いられています。


さまざまな樹種の構造材を見てみる

ヒノキ

ヒノキは高い強度や耐久性をもち、土台や柱などの構造用部材として非常に優れた樹種です。日本の代表的な樹種として、昔から住宅のほか寺社建築などでも使われてきました。浅黄白色や淡い黄褐色、淡い紅色などの色をしており、美しい年輪を持ちます。柱など見える場所に使うとヒノキ特有の香りや見た目が楽しめます。耐湿・耐水性がありシロアリの腐食に強いため、土台にもよく使われます。
ネックは高い価格にあり、住宅の構造全体にヒノキを使うと大変なコストがかかってしまいます。予算を考えると大切な柱だけ、土台だけといったように、部分的に使われることも多いです。

スギ

スギもヒノキ同様、日本で昔からよく使われてきた樹種です。淡紅色から赤褐色をしており、黒褐色を帯びていることもあります。柔らかい樹種で強度はヒノキに劣りますが、価格は安い傾向にあります。少し太い材を使うことで、構造的な問題はクリアできます。湿気やシロアリに強いので、土台や柱などに適した材料です。室内の梁などの見える場所に使うと、和風な雰囲気になります。

住宅の内装材としてよく使われる樹種の特徴

部屋の中の床や壁、天井などに使う仕上材のことを内装材といいます。木材は床のフローリングとして使われることが最も多いです。ほかには木材でできたパネルを壁や天井に貼るなどして取り入れられます。
構造材では強さや耐久性が重要となりますが、内装材では好みのデザインやインテリアとの調和といったことが大切にされます。素足で歩いたときの感触や、メンテナンス性を考えると耐水性や傷がつきにくいことなども重要です。内装材は、構造材に比べてかなり幅広い樹種から選ばれています。


さまざまな樹種のフローリング材を見てみる
さまざまな樹種の木製内装材・ウッドパネルを見てみる

ウォールナット

世界三大銘木の一つで、深みのある濃い色合いが特徴的な樹種です。表情豊かな木目も美しく、フローリングやドア、高級家具など幅広く使われます。重厚感があり、モダンな雰囲気にもクラシックな雰囲気にもよくなじみます。経年とともに黒っぽさが抜け、穏やかな色合いの茶色に落ち着いていきます。

サクラ

サクラと呼ばれる樹種の中には、アメリカンブラックチェリーやヤマザクラなどがあります。表面がなめらかなので、フローリング材としてよく使われます。
アメリカンブラックチェリーは最初は明るい琥珀色ですが、年数を重ねると艶と色が深まり、家具の材料としても人気が高い樹種です。ヤマザクラは淡い色合いで、上品で優しい雰囲気になります。桜に木目や色味が似た「カバ桜」と呼ばれる樹種もよく使われます。


ブラックチェリーのフローリング材を探す
カバザクラのフローリング材を探す

ナラ・オーク

ナラははっきりした木目と淡い色合いで、昔から人気の高い樹種です。トラの毛並みに似た「虎斑(とらふ)」と呼ばれる模様が特徴的です。ウイスキーの樽に使われるほど、高い強度や耐久性を持っています。日本のナラに似た雰囲気の「ホワイトオーク」も最近はよく使われています。フローリングや家具など幅広い用途に用いられます。


ナラ・オークのフローリング材を探す

チーク

世界三大銘木の一つで、最高級材として内装や家具などに用いられています。表面にワックスのような成分があり、フローリングに使うとしっとりとした感触や光沢を楽しめます。経年とともに色の深みや艶が増し、落ち着いた色合いとなっていくのも人気の理由の一つ。高級感や重厚感のある、クラシカルな空間づくりに最適です。耐久性・耐水性に優れ、摩擦や虫にも強い素材です。


チークのフローリング材を探す

パイン

主に北米産の松のことをパイン材と呼びます。シルバーパインやマリティムパイン、イエローパインなどが有名です。白っぽい色味で、木目は優しく温かみのある雰囲気。カントリーやナチュラルなどのスタイルにぴったりです。加工しやすいため床材や壁材、家具、建具などさまざまな場所に使われます。独特のやわらかさを持っているため、フローリングに使うと心地よい樹種です。


パインのフローリング材を探す

まとめ

樹種によってそれぞれの特徴があって面白いですね。家づくりの基礎となる家の骨組みは、色合いや木目にもこだわりたいもの。樹種ごとの特徴を知ることで、用途や目的にあった樹種選びができるのではないでしょうか。ぜひ参考にされてみてください。



著者(村田 日菜子)プロフィール

住宅専門ライター






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