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掲載:2019年12月18日更新:2019年12月18日

コンクリートの打ちっぱなしのデメリットと解消方法を徹底解説!

コンクリート

「コンクリートの打ちっぱなし」住宅とは、コンクリートを固めた状態のまま完成した住宅です。
壁の塗装はせず、タイルも型紙も張りません。 型枠にコンクリートを流し、固まったら型枠をはずして、なにも手を加えないままの外装・内装で完成です。
意外と問題が多いコンクリート打ちっぱなし住宅。 メリットや注意点を知らずに住みはじめると後悔するでしょう。
この記事では、コンクリート打ちっぱなしの住宅におけるメリットや注意点などを紹介します。

具体的には以下の内容を解説します。

1.コンクリート打ちっぱなしの家に住むメリットとデメリット

コンクリート打ちっぱなし

コンクリート打ちっぱなしの主なメリットは空間を確保しやすくなる点です。 一方で、主なデメリットは熱が伝わりやすいことでしょう。 他にも数多くのメリットとデメリットがあるため確認してみましょう。

コンクリート打ちっぱなしのメリット

コンクリート打ちっぱなしの住宅には以下の3つのメリットがあります。

1. 柱が不要で空間を広く使える
2. 耐火性に優れている
3. 防音性が高い

それぞれ詳しく解説していきます。

1.柱が不要
コンクリート打ちっぱなしの住宅の場合、壁自体の強度が高いため余計な柱が必要ありません。 柱が不要になる場合の1番のメリットは、広い空間を確保しやすくなることです。 従来の建築方法と違い、打ちっぱなしはすべての壁がコンクリートです。 コンクリート素材自体が強く、建物全体が安心して活用できるレベルになっています。
2.耐火性に優れている
コンクリートは耐火性が優れていて、「もらい家事」を防げるメリットがあります。 都会の住宅密集地に建築しても、近所の火事に怖がらず安心して住みつづけられでしょう。 コンクリートは火災になっても燃えないため非常に高い耐火性があります。 耐火性のおかげで、木造住宅にくらべると火災保険を安く設定できるでしょう。
3.防音性が高い
コンクリート素材は木材と比べて密度が高く、原材料に天然の岩石を用いているため高い「防音性」を備えています。 元気な子供がいる家庭や、趣味の映画や演奏を自宅でやりたい人でも、騒音でまわりを気にする必要がありません。

コンクリート打ちっぱなしのデメリット

コンクリートの打ちっぱなし住宅には以下の3つのデメリットがあります。

1. 熱が伝わりやすい
2. 汚れが目立ちやすい
3. 結露しやすい

それぞれ詳しく解説していきます。 デメリットを把握せずに住み始めてしまうと夏は暑く、冬は寒くて冷暖房費用が増えてしまうでしょう。

1.熱が伝わりやすい
熱の伝わり方の違いで、生活環境はガラリと変わります。 コンクリートの住宅は気温の影響が出やすいのがデメリットです。 熱が伝わりやすいと、外気に影響を受けて、家の中の温度が急激に変化します。 「夏」なら暑くなりやすく、「冬」なら寒くなりやすくなるのです。 室温が調整しにくくなると、冷暖房費用が増えます。 冷暖房費が高額になると長期的には木造に比べて費用が高額となるおそれがあります。
2.汚れが目立ちやすい
コンクリートは水分を吸収しやすい性質を持っています。 外壁で目立ってしまう汚れは、ホコリや排気ガスを含んだ雨が原因です。 水分と一緒に汚れの原因物質も吸収してしまい、汚れが付きやすくなるのです。 汚れがつくと見た目が悪くなってしまい、クリーニングにかかる費用も必要になります。 また、汚れを毎日目にすると気分も悪くなってしまうでしょう。
3.結露しやすい
結露が多いのも、コンクリートのデメリットです。 木造と違って高気密な壁で構成されるコンクリートは室内が換気されにくく、結露が発生する条件を満たしやすいでしょう。 結露しやすいと室内にカビが生えてしまい、カビを餌にするダニも増えやすい環境になってしまいます。 窓のサッシにも結露がたまって、サビが発生する原因にもなります。 コンクリートの住宅に住む場合は結露対策が必須と言えるでしょう。


コンクリート打ちっぱなしの家が向いている人

コンクリートの長所、短所がわかったところで、実際にどのような人が向いているのかを考えてみましょう。

非日常の空間を味わいたい人
コンクリート打ちっぱなしの住宅は非常に少ないため、独特の空間を味わえます。 木造住宅にはない広々とした空間を活用でき、非日常の生活を送れるようになるでしょう。
家に人を呼んで楽しみたい人
オシャレな外見と内装は、とても人の目を引いてくれます。 コンクリート打ちっぱなしの住宅は、最新のレストランや雑貨店のような雰囲気を持っているので、大切な人たちとの時間がより楽しくなります。
好きなインテリア家具をたくさん置きたい人
空間を広くとれるので、大きめの家具や趣味のインテリアを置きやすいです。 コンクリートの色がグレー単色なので、多くの家具が色を合わせやすくなっています。


2.コンクリート打ちっぱなしの家でも快適に過ごすポイント

コンクリート

コンクリート打ちっぱなしの家で快適に過ごすポイントがあります。 覚えておくと住んだ後に悩まされることが少なくなるでしょう。

暑さや寒さ対策を徹底する

コンクリート住宅のデメリットである暑さや寒さの対策としておすすめなのは「エアコンのタイマー機能」です。 仕事や買い物に出かけているときにエアコンの電源をつけていると、電気代が高額となります。 電気代のことも考えると、電源の入・切のメリハリが必要です。 家に帰ってくる時間や起きる時間にあわせて、エアコンを動かすようにしましょう。
窓からの外気を防ぐためには、カーテンは「断熱タイプ」がおすすめです。 カーテン1枚だけでも、エアコンの涼しさや熱が逃げにくくなります。

結露するため壁紙は貼らない

結露が原因のカビを防ぐために、壁紙は貼らないようにしましょう。 壁紙を貼っても湿気によってはがれてきます。 除湿が十分ではないのなら壁はコンクリートのままが良いでしょう。
コンクリート住宅の結露には「除湿対策」が必要です。
対策方法としてカンタンなものは、「換気」をすることです。 一定時間ごとの窓の開放や、換気扇を回し続ける方法がおすすめです。


3.住宅をコンクリート打ちっぱなし住宅を建てる費用と工期

費用

2階建てのコンクリート住宅を建てる費用は坪単価で100万円程度が目安となります。 工事内容によって変化するため参考程度に考えてください。 工期は半年程度を目安にしましょう。

コンクリート打ちっぱなしの住宅を建てる費用相場

坪単価として100万円程度です。 コンクリート住宅は木造よりも高い傾向があります。 木造に比べると坪単価で50万円も違いが出るケースもあるでしょう。 デザイン料などを含む高級住宅だと、1坪あたり120万円という場合もあります。

コンクリート打ちっぱなしの住宅を建てる工期

コンクリート住宅に必要な工期として5ヶ月〜7ヶ月は見積もっておきましょう。 コンクリートを成型する型枠を「オリジナル」にするかどうかでも、工期の長さが変わります。 用意された型枠ではなく、オリジナルデザインを注文すると型枠作りから始まるため、通常よりも工期が10日は延びます。 木造と違い、コンクリート住宅では乾燥する時間も必要です。


4.コンクリート打ちっぱなし住宅のメンテナンス方法

コンクリート

コンクリート住宅のメンテナス方法はさまざまですが、以下では数年ごとに必要なメンテナンスを3つ紹介します。

外壁洗浄

「外壁洗浄」は、風雨による「シミ」や「コケ・カビ」など付着物が目立ち始めたときのメンテナンスです。 目安としては5年に1度は定期的におこなうことが望ましいです。
高圧力の水道水によってコンクリート表面の付着物を吹き飛ばします。 シミも一緒に取れて、新品のようにキレイになるでしょう。 また、コケやカビなどの根は、薬品を使うことで徹底して除去します。

費用相場は工法で異なります。
以下は1平方メートルあたりの相場です。

・水道水のみ:100~300円
・薬品を使う「バイオ洗浄」:200~400円

他に比べて安価でおこなえるメンテナンスが外壁洗浄です。

ひび割れ補修

年数がたつと外壁に「ひび割れ」が目立つようになります。
ひび割れの原因は主に2つあります。

・地震や大雨で地盤が沈むことで外壁自体にゆがみができる
・成型時にコンクリートが乾燥して縮んでしまいひび割れる

補修方法は「フィラー刷り込み」です。 「フィラー」は「詰め物」の意味があり、水の侵入を防ぐためにセメントやモルタルを使います。
費用相場は、1か所で1~2万円ほどです。 大きなひび割れや、補修箇所が多くなると10万円以上かかります。

壁面塗装

壁面塗装を考える状態とは、壁面にシミやカビが現れたときです。 シミやカビは、塗装されている防カビや防サビ塗料が剥がれているために出てきています。
補修方法は、古い塗料や汚れを落としてから新しい塗装をほどこすことです。 補修の費用相場は使用する材料で決まります。

・水をはじく撥水剤(はっすいざい):1,500円/平方メートル
・色付き塗料(カラークリヤー):3,500円/平方メートル

下地の状況に応じて業者と相談し、塗料を選びましょう。



5.コンクリート打ちっぱなしのメンテナンスに使う工法例

コンクリート住宅のメンテナンスに使うおすすめの工法例を3つ紹介します。 以下の工法を使えば安心してメンテナンスができるでしょう。

エバープロロング防水工法


日本プロロング株式会社のコンクリート防水工法です。 人体に害がなく、施工後は10年以上の長期にわたって効果を発揮してくれます。
コンクリートを薬剤でふさぐのではなく、「同化」することで高い防水性と持続性を確保します。 コンクリートの景観を変えることなく、防水処理を行いたいときにおすすめです。

ハイドロフィット工法

株式会社日本衛生センターによるコンクリート止水工法です。 ひび割れからの漏水が止まらないときに活躍します。 止水効果が施工した直後に現れやすく、海水や廃棄物の汚水にも対応可能です。 家の床下の狭いところや、斜面の土中に作った駐車場の天井など、特殊環境でも工事できます。


コンクリートひび割れ補修工法 水分浸透阻止

StoCretec Japan株式会社によるひび割れ補修です。 深くまでひび割れが発生しても補修できる工法です。 小さなひび割れでも対応可能で、1度の施工で十分な効果を発揮します。 ひび割れの周りに高圧力で樹脂を注入して、容積を増やすことでひび割れを修復します。


6.まとめ:コンクリート打ちっぱなしの住宅は熱の対策が重要!

コンクリート打ちっぱなしの住宅は熱が伝わりやすく結露が発生するため注意が必要です。 デメリットを把握して冷暖房の調節や断熱カーテンを使うことで対策を立てれば快適に過ごせるでしょう。 今回の記事を参考に、快適な住宅環境を実現してください。



著者(岡崎 康裕)プロフィール

塗装技能士2級
2年半の外壁塗装の職人経験
外壁、内壁塗装に関する知識と実務経験






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