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コラム
コンクリートにおすすめの防水塗料と施工の基礎知識
コンクリートでできた外壁や基礎、塀、ガレージの床など。頑丈でお手入れいらずのように思われがちですが、少しずつ劣化していくものです。
そのまま放置すると亀裂から雨水が入ったり、内部の鉄筋がサビて爆裂が起きたりすることも。表面に「防水塗料」を塗って、耐久性を高めましょう。
今回はコンクリートに適している防水塗料を紹介するとともに、注意点や種類といった基礎知識を解説します。
そのまま放置すると亀裂から雨水が入ったり、内部の鉄筋がサビて爆裂が起きたりすることも。表面に「防水塗料」を塗って、耐久性を高めましょう。
今回はコンクリートに適している防水塗料を紹介するとともに、注意点や種類といった基礎知識を解説します。
1.コンクリートに防水塗装は必要?
打設直後のコンクリートは、pH12〜13の強アルカリ性です。このとき内部の鉄筋には薄い被膜ができており、腐食やサビから守られています。
しかしコンクリートが空気中の二酸化炭素に触れると、少しずつpHが下がって「中性化」していきます。さらに中性化した部分が鉄筋まで達すると、被膜が壊れてサビやすい状態に。鉄筋はサビると膨張するので、コンクリートが内側から押し出されるように激しく破壊されてしまうこともあります。
この現象を「爆裂」と言いますが、ここまで劣化が進んでしまうと大掛かりな補修工事が必要になります。コンクリートが剥がれ落ち、人に落下する危険もあるでしょう。
定期的に防水塗料を塗り、コンクリートや鉄筋の劣化スピードを緩やかにすることは、とても大切です。
2.コンクリートに防水塗料を塗る際の注意点5つ
コンクリートに防水塗装をする前に知っておきたい注意点を5つご紹介します。
注意点1.打設後すぐに塗布しない
コンクリートの塗装工事は「pH10以下、含水率10%以下」が目安です。
打設直後のコンクリート表面は強アルカリ性のため、1ヶ月前後の養生期間をとってから塗装します。
注意点2.既設コンクリートは下地を確認
既設コンクリートに防水塗装をする場合は、どの種類の塗料が使われているのか確認します。基本的に同じ種類の塗料を使うとよいでしょう。
注意点3.汚れや欠損をキレイにする
コンクリートの表面を確認し、以下の項目がないかチェックしましょう。
・レイタンス層
・漏水
・クラック
・欠損
・汚れ
・漏水
・クラック
・欠損
・汚れ
これらが見つかった場合は研磨や補修、清掃が必要です。そのまま塗布すると塗料のはがれや仕上がりが悪くなります。
注意点4.目荒らしをする
コンクリートの表面がツルツルしていると塗料が剥がれやすくなります。サンダーやポリッシャーなどで目荒らしをしましょう。
注意点5.下地(シーラー)を塗る
コンクリート面にいきなり防水塗料を塗るのではなく、先に下地(シーラー)を塗りましょう。
塗料の持ちがよくなるだけでなく、ムラができにくくなる、塗料の性能を最大限に発揮できるなど、たくさんのメリットがあります。 塗料の中にはシーラーを兼ねた商品もあるので、説明をよく読んで選ぶといいですね。
3.コンクリートの防水塗料の種類
1液・2液
防水塗料は1液と2液タイプに分かれます。1液とはひとつの塗料で完結するタイプで、2液は塗料と硬化剤を混ぜて使うタイプです。 1液は調合する手間がいらず初心者でも扱いやすい塗料ですが、2液よりも耐久性が低いものが多くなります。 2液は耐久性が高く、屋内から屋外までさまざまな場所に塗れます。ただし正確に調合して、きちんと攪拌しなければならず、さらに定められた時間内に使い切る必要があることから難易度が高くなっています。
水性、油性
さらに防水塗料を塗る際、薄める材料が必要です。その材料によって分類が変わります。 薄める材料 水性 水 弱溶剤(薄め) 塗料用シンナー 溶剤(強め) ラッカーシンナー ウレタンシンナー エポキシシンナーなど
グレード
防水塗料は上にいくほど耐久性が高くなります。 高 ↑ 耐久性 ↓ 低 フッ素樹脂 ラジカル樹脂 シリコン樹脂 ウレタン樹脂 アクリル樹脂 単価も耐久性に比例して高くなるので、用途に合わせて適切な塗料を選ぶことが大切です。
4.目的別おすすめの防水塗料
ここからは目的別におすすめのコンクリート防水塗料をご紹介します。
DIYなどで手軽に防水塗料を塗りたい場合は、下地と塗料がひとつになった商品がおすすめです。サラサラとした塗料なので、初心者でもハケやローラーで塗るだけで手軽にキレイなコンクリートに仕上がります。
外壁の塗装をするなら、家の要となる基礎部分もいっしょに塗装しましょう。基礎部分の中性化を抑制し、微細なクラックであれば防げます。トップコートも兼ねた塗料なら、施工期間もわずか1日。住宅の耐用年数向上に役立ちます。
美しいコンクリート打ちっ放しの外壁を守るなら、コンクリートの質感を変えない塗料がおすすめです。外壁に撥水性をもたらし、白華現象による劣化も防ぎます。
従来1液は簡単に施工できる反面、耐久性に劣ると言われていましたが、商品によっては長期に渡るコーティングが可能なものもあります。
食品を扱う場所では、臭い移りが少ない水性塗料が向いています。熱湯や消毒液にも耐えられる塗料で、床面のダメージを抑えましょう。
雨ざらしになり、たくさんの人が通行する屋外は過酷なとても環境。汚れも付着しやすいので、コーティング前の洗浄も重要です。
目的1.DIY
DIYなどで手軽に防水塗料を塗りたい場合は、下地と塗料がひとつになった商品がおすすめです。サラサラとした塗料なので、初心者でもハケやローラーで塗るだけで手軽にキレイなコンクリートに仕上がります。
目的2.基礎
外壁の塗装をするなら、家の要となる基礎部分もいっしょに塗装しましょう。基礎部分の中性化を抑制し、微細なクラックであれば防げます。トップコートも兼ねた塗料なら、施工期間もわずか1日。住宅の耐用年数向上に役立ちます。
目的3.一般家屋の外壁や床
美しいコンクリート打ちっ放しの外壁を守るなら、コンクリートの質感を変えない塗料がおすすめです。外壁に撥水性をもたらし、白華現象による劣化も防ぎます。
従来1液は簡単に施工できる反面、耐久性に劣ると言われていましたが、商品によっては長期に渡るコーティングが可能なものもあります。
目的4.食品工場や厨房の床
食品を扱う場所では、臭い移りが少ない水性塗料が向いています。熱湯や消毒液にも耐えられる塗料で、床面のダメージを抑えましょう。
目的4.屋外床
雨ざらしになり、たくさんの人が通行する屋外は過酷なとても環境。汚れも付着しやすいので、コーティング前の洗浄も重要です。
まとめ ~コンクリートには防水塗料を施して安全性と美しさを保とう~
強固なコンクリートも経年とともに劣化します。美しく強い状態を長期間保つため、防水塗装をしましょう。
建材ナビにもコンクリートの防水塗料や業者が多数紹介されています。コンクリートの防水塗料を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
建材ナビにもコンクリートの防水塗料や業者が多数紹介されています。コンクリートの防水塗料を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
著者(村田 日菜子)プロフィール
大学で建築を学んだ後、住宅専門のライターとして活動中。
主にWebコラムや住宅情報誌で、住宅購入やリフォームのノウハウ、マネー情報等の原稿執筆・編集をしています。
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