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掲載:2020年01月22日更新:2020年01月22日

木造住宅の耐震リフォームにいくらかかる?耐震補強の種類と費用

地震大国と言われる日本では、地震に強い家をつくることが欠かせません。中でも日本で多く建てられている木造住宅は、耐震性が大きな課題。1981年以前に建てられた旧建築基準法の家は、倒壊のリスクが高いものが多いのが現状です。
しかし、すぐに家を建て替えたり住み替えたりするのは、現実的ではありません。今住んでいる家の耐震性に不安がある場合は、リフォームでも対応可能なのです。
そこで、木造住宅の耐震性を高めるリフォームには、いくら必要なのか、どのような種類があるのかをお伝えします。

1.耐震補強工事は約165万円が目安!


首都直下型地震や南海トラフ巨大地震など、地震はいつどこで起こるか分りません。しかし、日本の古い木造住宅の耐震診断をしたところ、約9割もの住宅が現行の耐震基準を満たしていないことが分かりました。また、そのうち約7割の住宅が倒壊の可能性が高いという結果が出ています。
大地震が来る前に、耐震性に優れた家に住みなおしたいですが、費用面から考えると現実的ではありません。そこでおすすめしたいのが、耐震補強工事です。今住んでいる家に様々な補強工事を行うことで、倒壊のリスクを下げることができます。
しかし、気になるのが費用。木耐協のデータによると、平均築年数37年の住宅の耐震補強工事の平均費用は、「約165万円」となっていました。新築や住み替えよりもグッと現実的な価格です。では、耐震補強工事は、どのようなことをするのでしょうか。次で詳しく見ていきましょう。



2.耐震補強の種類と費用

耐震補強工事にはどんなものがあって、それぞれいくら必要なのかをまとめてみました。

筋かい追加

壁が少なかったり、弱い壁だったりすると耐震性が落ちる原因になります。そこでしておきたいのが、筋かいの追加。筋かいとは、柱と柱の間に金属や木を斜めに取り付けたもの。横揺れに強くなり、耐震性を高める効果が。さらに、斜めの片筋かいよりも、交差するたすき掛けの方が強度が高まります。また、筋かいを追加するのと同時に、壁の面積を増やしたり、耐力壁を追加したりすると耐震性が高まるので、予算に応じて検討するとよいでしょう。

費用:約25万円/1間(182cm) ※壁の補修代を含む




耐力壁追加

いくら柱や梁が強くても、壁が脆弱だと建物が倒壊するリスクが高まることも。耐力壁という横からの力に強い壁に置き換えることで、耐震性が高まります。また、ガラスが多く壁が少ないのも耐震性を低下させる要因です。ガラスの部分を耐力壁に変更することも、耐震性を高めることにつながります。しかし、壁が増える分、採光性が低下することが考えられるため、施工前に建築士と話し合うことが大切です。

費用:約7~12万円/1ヵ所






柱や梁、土台の補強

柱、梁、土台は家の強さを決める重要なもの。耐震性を高めるには、金物の追加が必要です。例えば、従来の工法では柱と土台が地震の影響で抜けやすくなっています。(これをホゾ抜けと言います)ホゾ抜けを防ぐために、柱と土台の接合部分に金物を取り付けると耐震性が高まるのです。そのほかにも土台や梁に制震プレートを取り付けたり、柱と梁に補強金物を取り付けたりすることで、耐震性が高まります。

費用:約3,000円/1ヵ所







屋根の軽量化

昔ながらの住宅は、重い瓦のものが多くなっています。瓦が重いデメリットは、重い分地震のエネルギーを受けやすくなり、揺れも大きくなってしまうこと。屋根を瓦から、軽量の金属やスレートに変更すると、揺れが少なくなり倒壊のリスクを下げることができます。

費用:約1万円~/㎡ ※足場や野地板の張り替えなどで別途費用が必要です






基礎に鉄筋を入れる

基礎は家を支える大事な部分。基礎が脆弱だと倒壊のリスクがより高まります。既存の基礎の内側、または外側に増し打ちをして、鉄筋を入れて耐震性を高めましょう。

費用:約2~3万円/m


3.まとめ


あれもこれもと気になるかもしれませんが、全ての箇所をリフォームすると予算オーバーをしてしまいます。予算が間に合わないから…と耐震リフォームを諦めてしまうと、いつかやってくる大地震から身を守れないかもしれません。まずは信頼できる業者に耐震診断をしてもらい、本当に必要な箇所から耐震リフォームをしていきましょう。また、自治体から補助金が出ることもあるので、窓口に問い合わせてみることをおすすめします。必要最低限でも耐震リフォームを行い、安心して暮らせる家にしておきたいですね。



著者(村田 日菜子)プロフィール

住宅専門ライター






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