COLUMN
コラム
テレワークを高効率化!作業環境の音をコントロールしよう
2020年の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、多くの企業がテレワークを採用するようになりました。
また、フリーランスとして在宅ワークを行うという選択肢も広がっており、「自室で仕事」は今や働き方の一つのスタンダードになりつつあります。
しかし、作業環境として整えられたオフィスとは異なり、在宅での作業はなかなか捗らない、と感じている人も多いかもしれません。
普段オフィスで行っていた業務を自宅で行う必要があるという場合、特に問題になりがちなのは「音」の環境です。
そこで、この記事では自宅の作業環境での「音」に注目し、
・騒音の基準についての基礎知識
・騒音が私たちの作業に及ぼす影響
・防音性を高めるためのアイデア
・騒音が私たちの作業に及ぼす影響
・防音性を高めるためのアイデア
についてご紹介します。
テレワークの作業性は音に大きく左右される
音が人間の心理や集中力などに大きく影響することはほとんどの人が経験則として知っていることですが、特に作業効率の向上を目的として音環境を改善したい場合、下記のようなことを知っておくと良いでしょう。
まずは知っておきたい「音の基準」
この音環境を作業に適したものにしていくためには、まず音の基準について理解しておく必要があります。
音は空気の圧力変化を人間の聴覚が感知するもので、気圧と同じパスカル(Pa)という単位で表すこともできますが、1Paの数万分の1単位の小さな変化も人間の聴覚には大きな音の変化として感じられるため、パスカルを人間の聴覚に合わせて2〜3桁でシンプルに表すために、デシベル(dB)という単位が使用されています。
私たちの身の周りの、目安となる騒音レベルをdBで表すと、およそ下記のようになります。
騒音を正確に測るのは難しいですが、最近ではスマホのアプリでも騒音を簡易的に測ることが可能ですので、自宅での作業は集中しにくいと感じているなら、一度身の回りの騒音をチェックしてみるとよいかもしれません。
音は空気の圧力変化を人間の聴覚が感知するもので、気圧と同じパスカル(Pa)という単位で表すこともできますが、1Paの数万分の1単位の小さな変化も人間の聴覚には大きな音の変化として感じられるため、パスカルを人間の聴覚に合わせて2〜3桁でシンプルに表すために、デシベル(dB)という単位が使用されています。
私たちの身の周りの、目安となる騒音レベルをdBで表すと、およそ下記のようになります。
・20〜30dB:深夜のような静かさ
・40dB:図書館のような静かさ
・50dB:通常の事務所程度の音
・60dB:走行中の普通車の車内程度の音
・70dB:賑やかな事務所程度の騒音
・80dB:地下鉄の車内程度の騒音
・40dB:図書館のような静かさ
・50dB:通常の事務所程度の音
・60dB:走行中の普通車の車内程度の音
・70dB:賑やかな事務所程度の騒音
・80dB:地下鉄の車内程度の騒音
騒音を正確に測るのは難しいですが、最近ではスマホのアプリでも騒音を簡易的に測ることが可能ですので、自宅での作業は集中しにくいと感じているなら、一度身の回りの騒音をチェックしてみるとよいかもしれません。
作業中にヘッドホン・イヤホンは効果的?
作業の妨げになる雑音・騒音を手っ取り早く解決するためにヘッドホン・イヤホンを活用しているという人も多でしょう。
確かに、ヘッドホンなどで好みの音楽を聴きながら仕事に取り組めば気分を向上させながら楽しく作業が進みそうにも思えますが、注意すべき点もあります。
ヘッドホン・イヤホンの使用について、世界保健機関(WHO)は聴覚の健康を保つためには最大音量の60%程度で使用することを推奨しています。 ヘッドホン・イヤホンを使用する一般的なポータブル・オーディオの最大音量はおよそ100〜120dBとされており60%を超える音量で音楽を聴くと、耳には70dBを超える大きな音圧による負担がかかることになり、健康な聴覚を保つ上で好ましいものではありません。
確かに音楽をかければ「音のマスキング効果(周波数が低い音が高い方の音を聞こえにくくする作用)」によって、騒音が緩和されているように感じられますが、長期的な視点では騒音そのものを低減させる方が、他の音でごまかすよりも有効です。
ヘッドホン・イヤホンの使用について、世界保健機関(WHO)は聴覚の健康を保つためには最大音量の60%程度で使用することを推奨しています。 ヘッドホン・イヤホンを使用する一般的なポータブル・オーディオの最大音量はおよそ100〜120dBとされており60%を超える音量で音楽を聴くと、耳には70dBを超える大きな音圧による負担がかかることになり、健康な聴覚を保つ上で好ましいものではありません。
確かに音楽をかければ「音のマスキング効果(周波数が低い音が高い方の音を聞こえにくくする作用)」によって、騒音が緩和されているように感じられますが、長期的な視点では騒音そのものを低減させる方が、他の音でごまかすよりも有効です。
集中力・作業効率と音の関係
音の種類
作業効率を向上させたい場合、音圧レベルだけでなく音の種類にも注目する必要があります。
例えば、同じ40dBの騒音がある環境でも、「40dBのエアコンの音」と「40dBの話し声」では、ほとんどの人にとって話し声の方がうるさく感じられます。
これらは「有意味騒音(意味を持つ音)」と「無意味騒音(意味を持たない音)」などとして分類され、「有意味騒音」には、
などがこれにあたります。 大抵の作業を行う際の「妨害感」、つまり“気が散らされる感覚”は無意味雑音よりも有意味雑音の方が強く感じられ、作業効率が下がってしまう傾向にあります。 作業効率が低下しているという自覚はない場合でも、有意味雑音の中で作業を続けると、静穏な環境で作業している時よりも余計に作業後の疲労感が残るということもあります。
例えば、有意味雑音が多くてもカフェで作業する方が作業がはかどる、と感じることがあるとしても、それを長時間続けていると、実は隠れた疲労が溜まっているということもあるので注意しましょう。
・人の話し声
・テレビの音
・工事の騒音・交通騒音
・雨や雷などの自然の音
・エアコンの音
・テレビの音
・工事の騒音・交通騒音
・雨や雷などの自然の音
・エアコンの音
などがこれにあたります。 大抵の作業を行う際の「妨害感」、つまり“気が散らされる感覚”は無意味雑音よりも有意味雑音の方が強く感じられ、作業効率が下がってしまう傾向にあります。 作業効率が低下しているという自覚はない場合でも、有意味雑音の中で作業を続けると、静穏な環境で作業している時よりも余計に作業後の疲労感が残るということもあります。
例えば、有意味雑音が多くてもカフェで作業する方が作業がはかどる、と感じることがあるとしても、それを長時間続けていると、実は隠れた疲労が溜まっているということもあるので注意しましょう。
排除したい音のターゲットを絞る
どんな騒音にせよ、排除してしまうのがベストかもしれませんが、完全な無音状態を目指すというのは現実的でないため、快適な作業環境のための防音を考えるなら、排除したい音のターゲットを絞るようにするとよいかもしれません。
防音を考える際には、
などを一度確認してみることをおすすめします。
防音を考える際には、
・作業の妨げになる音がどんな種類のものか
・どのぐらいの大きさの騒音か
・どこで発生している音か
・どのぐらいの大きさの騒音か
・どこで発生している音か
などを一度確認してみることをおすすめします。
集中力を引き出し、作業効率を高めるための防音の工夫
不快な騒音を防ぐ「防音」のアプローチには様々な方法がありますが、
に分けて考えると計画しやすくなります。
それぞれの性質の特徴を理解しておけば、作業に適した環境づくりは容易になるでしょう。
・音をさえぎる「遮音」
・音を吸収する「吸音」
・音の振動を打ち消す「制振」
・音を吸収する「吸音」
・音の振動を打ち消す「制振」
に分けて考えると計画しやすくなります。
それぞれの性質の特徴を理解しておけば、作業に適した環境づくりは容易になるでしょう。
作業環境の「遮音性」を向上させる
「遮音性」とは音を跳ね返してさえぎる性質のことです。
家屋の遮音性を高めると、外部からの騒音をカットすることができるため、遮音材は「外部の音が気になる」という場合、例えば、
といったケースの防音に有効です。
・交通量の多い道路に面している
・近隣に賑やかな施設がある
・近隣に賑やかな施設がある
といったケースの防音に有効です。
遮音材に適しているのは密度が高く、質量がある素材で、遮音材は一般的に硬く・重くなっています。
多くの場合、遮音材(遮音ボード・遮音シートなど)はフローリングの下に敷き込んだり、外壁の下地に貼り付けたりするような形で施工されますが、窓ガラスに貼り付ける遮音フィルムや遮音カーテンなど、簡単に追加できる防音グッズもあります。
大掛かりな工事になりますが、遮音性のある屋根・外壁塗装用の塗料もあるので、近々塗装リフォーム工事を行うことを検討しているなら遮音塗料も家の防音性能を向上させる有効な選択肢になるでしょう。
作業環境の「吸音性」を向上させる
「吸音性」とは音の振動を吸収して熱エネルギーに変換し、音圧レベルを下げる性質のことです。
つまり、吸音性を向上させることは
など、騒音源が室内側にあるようなケースの防音に特に有効で、吸音材を適切に設置すれば屋内の残響が減って音圧レベルが下がり、より静かで作業に集中しやすい環境になります。 吸音性のある素材は多孔質で、吸音材は一般的に軽く・柔らかくなっています。 壁や天井に設置する吸音材、デスク周りにパーティションのような形で簡単に設置できる吸音材などがあります。
・同居家族が生活していて、テレビの音や話し声が気になる
・複数名で同じ空間を共有しながら作業している
・複数名で同じ空間を共有しながら作業している
など、騒音源が室内側にあるようなケースの防音に特に有効で、吸音材を適切に設置すれば屋内の残響が減って音圧レベルが下がり、より静かで作業に集中しやすい環境になります。 吸音性のある素材は多孔質で、吸音材は一般的に軽く・柔らかくなっています。 壁や天井に設置する吸音材、デスク周りにパーティションのような形で簡単に設置できる吸音材などがあります。
まとめ
音環境が理想的な状態に整えられていれば、作業はよりはかどり、疲労感も残りにくくなります。
もし、テレワークや在宅ワークが捗らないとしても、原因は作業者の怠惰さではなく単に環境の問題かもしれません。
一度、作業環境の「音」に注目してみるのはいかがでしょうか。
著者(澤田 秀幸)プロフィール
CAD利用技術者1級、CADアドミニストレーター
住宅メーカの下請けとして木造大工作業を担当。
注文家具の製造と設置。製図補助を担当。
国内最大手インテリアメーカーの店舗で接客・販売を担当。
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