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掲載:2021年06月10日更新:2021年06月10日

建築士なら知っておきたい珍しい建材の情報源

図面を見比べる限り大きな差異がなくても、使用する材料を変えるだけで建築物はまるで別物のような輝きを放つ芸術品に変化します。

仕上材の差だけで見た目のインパクトが強くなるのが建築の面白さの一つといっても良いでしょう。
汎用性の高い一般的な建材は使いやすい反面、見た目のマンネリ化を引き起こしがちです。

同じ建物を完成させるなら、他の設計士とは異なる印象を残す作品にしたいと願うのが建築士としての願望ではないでしょうか。

普段お目にかかれないような珍しい建材をアクセントに使うだけで建物のイメージは全く別のものに。 いざというときのために使える珍しい建材の情報が欲しいところです。

建築士なら抑えておきたい珍しい建材の情報源を紹介します。

1.建築物における見た目の重要性


2017年に流行語大賞を獲得した「インスタ映え」。

今ではすっかり有名になったSNSの「Instagram(インスタグラム)」に投稿した写真や動画が「映える」ことを指す言葉です。 食品や服・風景といったジャンルの写真や動画が多く投稿され、さまざまな話題を生み出しました。

人間の五感による知覚の割合は、視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚は1%といわれ、外部から受け取る情報のうち約8割は視覚からの情報です。
写真や動画の投稿が中心となるInstagramが流行るのは人間の本質といえるでしょう。

もちろん、建築の分野でも外観や内装といった「見た目」の部分は重要です。
見る人の関心を引き、インパクトを与えるという点において、見た目には強い訴求効果があります。

決してインスタ映えを目指すわけではありませんが、建築も視覚からの情報が大きなウェイトを占めるため、見た目の優れた建物やインパクトのある部屋を計画することは建築士の重要な役割です。

そこで必要になるのが「珍しい建材」の有効利用ではないでしょうか。

普段見かけないような珍しい建材をアクセントに使うだけでも、建築物の見た目は大幅に変化します。
珍しい建材を上手に活かし、センスの良い作品作りを目指しましょう。


2.珍しい建材を取り扱うサイト

建築士なら知っておきたい珍しい建材の情報源

珍しい建材を探す方法はオンライン検索が最も効率的です。
「珍しい建材」というキーワードで探すだけでもたくさんヒットします。
サイトを巡回するだけでも良い勉強になります。

珍しい建材を大きく分類すると「国産材料」と「輸入建材」になります。
国内の基準に準拠した国内材料は調達や取り付けの場合に非常に便利です。
もしものトラブル時もメーカーの対応があり安心です。
個人的に参考にしているサイトを2つほど紹介します。

1つ目は 「HAGS」です。
リノベーションの参考事例も掲載されているのでイメージしやすく、建材以外にも照明器具や家具もたくさん紹介されています。
法人も一般も登録できますので、参考の一つに利用しても良いでしょう。

2つ目はアンティーク水栓の「マチルダ」です。
日本製の水栓金具の技術者と海外のプロダクトデザインで生まれたブランドです。
一般の水栓金具とは一線を画すハイセンスなオールドアンティークデザインを楽しむことができます。
ワンポイントアクセントとして活用されてはいかがでしょうか。

輸入建材は名前のとおり海外の建材を輸入して国内で紹介しているサイトです。
「玄関ドア」「ドアノブ」「モールディング」「水栓金物」といったジャンルが中心に紹介されています。


3.建材ナビにも珍しい商品が目白押し


珍しい建材を取り扱っているサイトはたくさんありますが、商品点数が多く、安心して利用できるのは「建材ナビ」がダントツであるといっても過言ではないでしょう。
建築材料のみならず、建築用資材から工法や技術・システムまでさまざまな建築関連商品を紹介しています。

800社を超える建築建材メーカーの製品が、200以上のカテゴリーに分類されてわかりやすく、紹介されているサイトは他には類を見ない規模です。 資料請求も簡単で、建築士なら必ず抑えておくべき珍しい建材を取り扱う情報サイトです。
新着の情報も更新されるので、定期的にチェックしておくべきでしょう。

建材ナビの優れている点は、単に珍しい建材だけを紹介しているわけではないところです。
外構やエクステリア、土木関連の建材も紹介されているので、一般住宅から公共工事まで利用できる情報が盛りだくさん掲載されています。

建材別の検索だけでなく、目的から検索できるシステムも秀逸です。
材料紹介だけでなく充実したコンテンツが溢れているので、時間が許す限り隅々まで見ておいて情報をストックしておくことをオススメします。



4. 内装の主役的存在フローリング材


建材ナビにはたくさんの珍しい建材が紹介されていますが、建築士なら必ず抑えておきたいのが「フローリング材」ではないでしょうか。

新築からリノベーションまで幅広く活用する機会が多く、使用材料を変えるだけで大きく表情に変化を加えることが可能です。 まさにフローリング材は内装の主役的存在といえる部分でしょう。

フローリング材は大きく分類すると「無垢フローリング」と「複合フローリング」があります。
高級感や重厚感を活かし、設計士としてセンスの良さをアピールするには「無垢フローリング」をしっかり抑えておきたいところです。

材種、木目、色合いでフローリングはまるで別物の建材になります。 お施主様の趣味や意向をしっかりヒアリングし、最適なフローリング材を提案するだけで信頼感が飛躍的に向上します。
製品ページをしっかり閲覧し、カタログも必ず入手しておきましょう。

また、当然ですがメンテナンス面に優れた複合フローリングもしっかり情報収集してきましょう。
「モニカ」と呼ばれるベトナム産アカシアの節有りのフローリング材があります。
リピート柄にならない様に並列に貼るフローリングで、壁材として利用しても面白い材料です。

その他にもたくさんのフローリング材が掲載されているので、必ず一度は目を通しておくようにしましょう。


5.アクセントが重要な建材


服装がおしゃれな人のセンスを醸し出す人の特徴の一つは、全体的にシンプルにまとめてアクセントを取り入れる点です。 これは建築の分野でも同じです。
壁面のクロスをシンプルな物にして、ガラスやタイルを取り入れるだけで見違えるようなハイセンスな空間を作り出すことが可能です。

建材ナビには珍しいハイセンスな「タイル材」も豊富に紹介されています。

床材として石の繊細な模様と落ち着いた深みのある色合いが魅力の「マディソン」を利用しても面白いでしょう。 スペイン産の磁器質石目調タイルは、フローリング材とはまた異なった深い趣を演出してくれます。

壁面にタイルを利用するならイタリア製レザータイル「studioart」もオススメです。
ラグジュアリーな空間の演出には最適な建材です。

「もっとインパクトが欲しい」という要望には、濡れない滝を室内に演出する「AquawallPanel アクアウォールパネル」はいかがでしょうか。
「水の流れ」をパネルに封じ込めるという新発想のアクアパネルで、インパクトは絶大です。 室内にいながら滝を楽しめ、水の透明感や波紋の美しさを堪能することが可能です。

フォトギャラリーやイメージムービーもあるので、提案の一つとして活用してはいかがでしょうか。


6.まとめ

いかがでしたか?
探すと意外に多いと感じる「珍しい建材」ですが、利用には注意点があります。

「珍しい」「インパクトがある」という理由で多用すると、あまりにもゴチャゴチャな建築になり上品さが損なわれてしまいます。 利用はあくまでもアクセントとして活用することをオススメします。

また、珍しい建材は流通数が少ないため高額になりがちです。
リーズナブルに入手できるように類似の建材を見比べ、比較一覧表などを作成しておくと打ち合わせのときに便利です。

わずかな一工夫で大きな変化が起きるのが建築の楽しみです。
センスとユーモアを加えながら、ステキな提案ができる建築士を目指しましょう。




著者(田場 信広)プロフィール

・一級建築士、宅地建物取引士

・建築設計、工事監理、施工(大工)、戸建て木造住宅の新築からリフォーム全般、分譲マンションの内装改修、マンションの大規模修繕工事の設計・設計管理、警察署の入札仕事や少年院の特殊な工事も経験

・某資格学校にて2級建築士設計製図コースの講師を6年務める






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