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掲載:2023年12月04日更新:2024年02月01日

お部屋も心も明るくする照明計画

住まいづくりを考えるとき、理想の暮らしを想像しながらいろいろなことを決めると思いますが、意外と見落としがちなのが「照明」です。照明の明かりは生活をするうえで欠かせないものですが、空間の雰囲気づくりにおいても重要な要素となります。飲食店や店舗などでも、それぞれのコンセプトや雰囲気に合った照明を使って素敵な空間をつくっていますよね。

今回は、照明器具の種類や特徴、選び方のポイントを解説します。

1.照明器具の種類

照明器具の種類

照明器具にはさまざまな形状や性能のものがあります。中でも住宅によく用いられている6点をご紹介します。

シーリングライト

シーリングライトは、天井(シーリング)に直接取り付ける照明器具です。
上から部屋全体を照らすことができるため、おもに主照明として用いられています。一般的によく使われる照明器具なので、知っている方も多いのではないでしょうか。

明るさが均一で単調になりがちなので、おしゃれな雰囲気を求める場所にはあまり向いていないといえるかもしれません

ダウンライト

ダウンライトは、天井に埋め込むタイプの照明器具です。
器具が見えないためすっきりとした印象になり、どんなテイストの部屋でも使うことができます。天井高が低い場所や、クローゼットなどの狭い空間でも圧迫感を感じません。光の向きや範囲を変えられるもの、調光機能が付いているものなど種類も豊富なので、設置場所や目的に合わせて選ぶと良いでしょう。

天井の工事が必要なので、事前にしっかりと照明計画を立てることが重要です。

ペンダントライト

アクセサリーのペンダントと同じく「吊り下げる」という意味のペンダントライトは、天井からコードやチェーンで吊り下げて設置します
照明器具の位置が低くなるので、目に入りやすく存在感があります。そのため、デザイン性が高い器具も多く、インテリアアイテムとしても人気があります。天井に付けるタイプの照明器具よりも照らす範囲が狭くなり、空間の雰囲気づくりにも向いています。
主照明というより補助的な役割が多いでしょう。

スポットライト

スポットライトは、部分的に明るくする照明器具です。
器具の角度や向きを変えることができ、壁の絵画やディスプレイ、キッチンでの手元など、照らす範囲を狭くすることで強調したい場所をピンポイントに照らすことができます
壁付けタイプや天井付けタイプ、スタンドタイプなど設置方法もさまざまで、主に補助的な部分照明として使われます。

ブラケットライト

壁や柱に設置するブラケットライトは、スポットライトと同じく補助的な役割を担っています。照明器具のバリエーションも豊富で、壁のアクセントやインテリアとしても魅力的な照明です。
光が放つ方向も、器具の上や左右などさまざまなタイプがあるので、部屋のテイストやつくりたい雰囲気に合わせて選ぶといいですね。

ブラケットライトは直接壁に取り付け、配線を壁の内側に収めるため、電気工事が必要になる場合が多く、照明器具の交換も容易にはできません。そのことを念頭に置いて照明計画を立てましょう。

スタンドライト

置き型照明器具のスタンドライトは、床置き型の背の高いものや、卓上型の小さなものなどいろいろな種類があります。
他の照明器具と違い配線工事の必要がないため、手軽に取り入れることができ、移動が楽なことも大きなメリットといえるでしょう。

2.部屋ごとの照明計画のポイント

次は、どのような照明器具をどのように使えばいいか、部屋ごとにおすすめの照明計画をご紹介します。

玄関

玄関は、お客様が家の中で最初に目にする場所であり、帰宅する家族を迎え入れる大切な場所です。照明で素敵な空間をつくりましょう。
おしゃれなデザインのペンダントライトは、点灯していないときもインテリアとして空間を彩ります。吹き抜けの場合は、吊り下げ型のペンダントライトで高さを活かすと、空間の広がりがより感じられるでしょう。
明るさが足りないときは、壁付けタイプのブラケットライトを合わせるのもいいですね。玄関が狭い場合は、埋め込み型のダウンライトにすると、見た目にもすっきりして天井が高く感じられます。

照明器具の明るさや設置する位置は、段差の上り下りや靴の脱ぎ履きに支障がないように考慮しましょう。

リビング

家族が集まり長い時間を過ごすリビングは、最も照明にこだわりたい場所ではないでしょうか。
リビングでの過ごし方はさまざまなので、照明器具もそれに合った使い方ができるよう、複数の種類を設置すると良いでしょう。普段はシーリングライトなど主照明を使って明るさを確保し、夜はスポットライトやブラケットライトなどの部分照明でリラックスした雰囲気をつくると素敵ですね。

照明器具の光が壁に当たるように設置すれば、反射して部屋が明るく広く感じられます。吹き抜けの場合は、玄関と同様に吊り下げ型のペンダントライトで高さを活かす方法も有効です。シーリングファンライトなら、空気を循環させることもできます。光の色は、用途や雰囲気に合わせて選びましょう。

ダイニング

食事をするダイニングは、食べ物が美味しく見える照明がいいですね。オレンジ色の電球色は、温かみもあり食べ物を美味しそうに見せる効果があります
テーブルの上にペンダントライトやスポットライトを設置すると、自然と視線が集まりやすく和やかな雰囲気がつくれるでしょう。

キッチン

細かい作業が多いキッチンは、雰囲気をつくるというよりも的確に安全に作業が行える明るさを確保することが大切です
キッチン全体を照らす主照明に加え、手元を照らす補助照明を設置すると良いでしょう。システムキッチンには手元灯が付けられていることが多いですが、吊り戸棚がないアイランドキッチンなどの場合は、ダクトレールにペンダントライトやスポットライトを取り付けると、作業性はもちろんデザイン性もUPします。

寝室

寝室は、ゆったりと安らげる空間づくりを心がけましょう。主照明はほどよい明るさのものや調光機能の付いたもの、光源自体が見えないダウンライトなどがおすすめです。ベッド脇のサイドテーブルに卓上型のスタンドライトを置くのもいいですね。
光の色は、活動的になるといわれる青みがかった昼光色ではなく、オレンジ色で温かみを感じる電球色温白色を選びましょう。柔らかい光は目に優しく、落ち着いた雰囲気になります。

子供部屋

子供部屋は成長に伴い、使い方が変化することが予想されます。複数の照明器具を設置し、フレキシブルに対応できるようにしておくといいですね。
青系の光には、集中力を高める効果があるといわれています。昼光色は長時間使用していると目に負担を感じることもあるので、昼間の太陽光に近く自然な光の昼白色がおすすめです。

まとめ

照明にはさまざまな種類があるので、それぞれの特徴を理解し、設置場所の用途や設置する目的合わせて選びましょう。
今回は室内の照明計画についてご紹介しましたが、住まいを考えるうえではポーチライトや門灯などの屋外の照明も欠かせません。照明は明るさを確保するだけのものではなく、生活や心を明るく豊かにしてくれるものです。





著者(おのみき)プロフィール

建築・インテリア系の専門学校卒業後、工務店にて建築業務に携わる。
福祉住環境コーディネーター2級。
二児の母。






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