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掲載:2020年01月24日更新:2020年01月24日

制震ダンパーの種類はどれを選ぶ?メリット・コストの違いを比較

制震ダンパーとは、壁や柱などの近くに設置することで、地震の揺れを吸収してくれる装置。古い家や耐震性が不十分な家も、地震に強い家にすることができます。DIYではなく業者による設置が必要ですが、2~3日ほどと短期間の工事で済むのも嬉しいところです。
制震ダンパーは、オイルやゴム、金属など、さまざまな種類があり、それぞれエネルギーを吸収する方法が異なります。
今回は、制震ダンパーの種類を選ぶために知っておきたい、それぞれの種類のメリットやコストの違いなどを解説します。


制震ダンパーとは?耐震・免震との違い

制震ダンパーは、家の中に設置することで、地震の揺れのエネルギーを吸収する装置です。「制震」のほかにも、地震動から建物を守る考え方として、「耐震」「免震」があります。この3つは似ているようで、考え方がそれぞれ違います。

制震ダンパーとは?

すべての建物に取り入れられているのが、「耐震」の考え方です。筋交いや耐力壁追加など、リフォームによる補強工事も可能です。 耐震補強工事については、「木造住宅の耐震リフォームにいくらかかる?耐震補強の種類と費用」でも詳しく説明しています。

免震は地震と建物とを切り離すため、地震がきてもそもそも建物が揺れにくくなります。家の損傷はもちろん、家具転倒防止にも効果的です。しかし、初期費用として数百万円という莫大なコストがかかるため、一般家庭ではほとんど取り入れられていません。
免震ほどコストはかからず、耐震よりも地震の揺れに強い家を作れるのが、制震の考え方です。耐震よりも建物の損傷を妨げて、地震だけでなく台風や強風などにも備えられます。

制震ダンパーの中でよく使われているのが、

「鋼材ダンパー」
「オイルダンパー」
「粘弾性型ダンパー」

です。それぞれの特徴やコストの違いを比較してみましょう。

制震ダンパーの種類①鋼材ダンパー

鋼などの金属を用いたダンパーです。金属が曲がるときの力を熱エネルギーに変換して、地震の揺れを抑えます。コストが安く、単純な構造なため定期的なメンテナンスが不要です。小さな地震には効果が低く、主に大地震への備えとして設置されます。
金属は何度も曲げるとエネルギーを吸収しなくなるので、巨大な地震に何度も遭遇すれば鋼材ダンパーも効果がなくなります。



制震ダンパーの種類②オイルダンパー

オイルが入ったシリンダ内を、ピストンが移動するときの抵抗を利用したダンパーです。小さな揺れから大きな揺れまで吸収するため、大地震から台風の揺れまで対応できるというメリットがあります。メンテナンスフリーのメーカーも多いですが、複雑な構造をしているためオイル漏れしていないか点検が必要です。鋼材ダンパーに比べて高価なものが多いですが、最近は普及とともに値段が下がってきています。



制震ダンパーの種類③粘弾性型ダンパー

ゴムのような粘弾性体の性質を使ってエネルギーを吸収するダンパーです。ゴムだけでなく、アクリルやシリコンなどさまざまな材料が使われます。比較的コストは安く、小さな揺れから効果が期待できます。しかし、温度によって硬さが変わるなど、モデル化や設計が難しいというデメリットが。大地震時に対しては鋼材・オイルダンパーより効果が低いため、他のダンパーと併用されることもあります。



著者(村田 日菜子)プロフィール

住宅専門ライター






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