トイレの小レバーは誰のため?トイレの小レバーは必要なのか?
大レバーと小レバーと使い道が2つあるわけだが、「小」レバーはどんなときに使うのだろう?
ツイッターで検索するとこんな投稿があった。
「トイレの小レバー使ったことないかもしれない」
「トイレを流す時小レバーを引けば、少しは節水になるの?」
「トイレの小レバー。気にしたことがない」
「トイレの小レバー大レバー。そもそも違いがわからない」
実際のところ、洋式トイレの小レバーを使うのはどんなときなのだろうか?
建材ナビ編集部は、メーカー3社に電話で話を聞いた。
当初は大レバーだけだった。
最初に聞いたのは、東京都千代田区霞に本社を置く「LIXIL」だ。
建築材料・住宅設備機器業界最大手の企業だ。
「小レバーと大レバーとは水量は違います。水量はタンクの品番によって異なりますね。
一番多いタイプですと、大レバーが5ℓ、小レバーが3.8ℓです。
小レバーは小をするときのみです。」
あっさりした回答だった。
では小レバーを使う目安はあるのか聞いた。
「2mまでのトイレットペーパーまでは小レバーで流れます。」
なるほど。トイレットペーパーの目安があるようだ。
次に、大阪府門真市に本社を置くの電機メーカー「Panasonic」に聞いた。
「うちでは取り扱いはありません」
ということだった。
たしかにPanasonicのホームページを見るとそもそも背面タンクのトイレはない。
以前は扱ってたそうだ。
では、大レバー、小レバーではないけど、今販売中のトイレには大と小という区別はあるのか聞いた。
「はい。今販売中のアラウーノですと、大は5.5ℓ、小は4.6ℓとなります。」
こちらもあっさり回答。
先ほどと同じように、小を使うときの目安はあるのか聞いた。
「トイレットペーパー3mまでなら流れます」
という回答だった。
どちらのメーカーも小レバーについては、
細かく聞くとトイレットペーパーのメートル数の目安があることを教えてくれた。
最後にトイレ界の巨人にも聞いてみた。
福岡県北九州市に本社を置く「TOTO」だ。
衛生陶器をはじめとする住宅設備機器などの製造販売を行うメーカーだ。
とても丁寧に答えてくれた。
「現行タイプでは、大レバーで4.8ℓ、小レバーで3.6ℓが多いです。 小レバーは、お小水だけの時、少量のトイレットペーパーの時に使います」
もう少し突っ込んで、少量とはどのくらいか聞いてみた。
「少量というのは、シングルタイプのトイレットペーパー3mまでとなります。 以前は「小」レバーをホールドした分だけ流れるCS140というタイプがございまして、 そちらですと大は8ℓ、小はホールドした分だけ流れる仕組みとなっておりました。 その前のタイプですと大レバーのみとなります」
さすがTOTO。すぐに明確な答えが返ってきた。
大レバーのみ
↓
大レバーとホールドタイプの小レバー
↓
大レバー、小レバー
と遷移してきていることがわかった。
では、ホールドタイプの小レバーはいつから出てきたのだろうか。
さらに聞いてみた。
「ホールドタイプ小レバーがいつ頃だったかの年代については、詳しい者がおりますのでお待ちください」
とのことだった。
15分ほど後に、別の女性担当から電話がかかってきた。
「最初は大レバーだけで、ホールドタイプの小レバーが登場したのは、1958年(昭和33年)4月に発売されたS570タイプのトイレからです。」
なるほど。
では、ホールドタイプが減ってきたのはなぜだろうか。
「ホールドタイプはホールドしている間は水は流れます。 それよりは決まった水量が流れるというタイプの方が生産が増えてきまして、いまではホールドタイプは生産してません」
どのメーカーも、トイレの小と大は水量が違うというのがわかった。
また小レバーにはトイレットペーパーのメートル数の設定があることもわかった。
歴史を振り返ると、もともとは「大レバー」だけだった。それが次第に必要な分だけ流すホールドタイプの「小レバー」が普及してきた。しかし時代とともに決まった水量がながれる「小レバー」の生産が増え、今のような「大レバー」「小レバー」になったということもわかった。
つまり「小レバー」はいらないというより、
利用されるようになってきたということだった。