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竣工写真の撮り方 注意すべき4つのポイント【設計者向け】
竣工写真は、建物が完成した際に撮影する写真のこと。設計者にとってご自身の作品を紹介する宣材写真になり、クライアントにとっても大切なPR写真となります。つまり竣工写真はただの記念写真ではなく、今後の宣伝活動に関わる重要なアイテムなのです。しかしながら竣工写真の撮り方に関しては、学校や職場で教わらない業務。とくに若手設計者の場合、設計者としての「視点」を何も伝えずに、プロのカメラマンさんへ委託することが多いのではないでしょうか。
そこで当記事では、「竣工写真の知識をつけたい」と考えている設計者向けに、「竣工写真を撮る際に注意すべき4つのポイント」を紹介します。この記事を読むことで、竣工写真の基本知識はもちろんのこと、設計士として準備すべきことが理解できるでしょう。
<当記事を読んで得られること>
- 竣工写真を撮るときに注意すべきポイントがわかる
- 竣工写真に関する基本知識が身に付く
- 竣工写真を撮る際に設計士としてやるべきことがわかる
- 竣工写真を撮るときに注意すべきポイントがわかる
- 竣工写真に関する基本知識が身に付く
- 竣工写真を撮る際に設計士としてやるべきことがわかる
竣工写真を撮る目的とは?
そもそも竣工写真とは、建物の工事が完了した段階で撮影する写真のことで、いわば建物が一番新しい状態で撮影する写真です。工事が完成した記念として撮影する意味も含まれていますが、それよりもクライアントが行うプレス発表などの宣伝活動のために撮影されます。
つまりクライアントにとって竣工写真は重要な写真であり、「どのような画角で撮影したいか」などの要望は、設計者が事前にヒアリングしておく必要があるのです。
もちろん業務委託をする場合、撮影するカメラマンは建物を撮るプロですが、現場を実際に見るのは初めてで、空間のよさを把握するには時間がかかるでしょう。だからこそ設計者がリードして撮影することが重要になるのです。
つまりクライアントにとって竣工写真は重要な写真であり、「どのような画角で撮影したいか」などの要望は、設計者が事前にヒアリングしておく必要があるのです。
もちろん業務委託をする場合、撮影するカメラマンは建物を撮るプロですが、現場を実際に見るのは初めてで、空間のよさを把握するには時間がかかるでしょう。だからこそ設計者がリードして撮影することが重要になるのです。
なぜ竣工写真を撮るのか?
竣工写真を撮るポイントをおさえる前に、まずは「なぜ竣工写真を撮るのか?」という目的を再確認しておきましょう。
- 建物の一番よい状態を記録しておくため
- クライアントのPR写真として利用するため
- 自身の実績写真として利用するため ※許可が必要
- クライアントのPR写真として利用するため
- 自身の実績写真として利用するため ※許可が必要
まず一つ目は「建物の一番きれいな状態を記録しておくため」です。多くの建築物は長い歳月をかけて完成しますが、実際に利用され始めるとだんだん劣化が始まります。そのため建物の一番きれいな状態は、竣工後の短い期間しかないのです。竣工写真を撮影することは、その建設に関わった全ての人にとっての大切な記録となり、後世に語られる際に使われる重要な資料となるのです。
次に二つ目は「クライアントがPR写真として利用するため」です。パースよりもリアルな写真の方が宣伝効果が高いため、多くのクライアントは竣工写真を使って宣伝活動を行います。つまり竣工写真の見え方は重要で、今後の発展を左右する鍵といえるでしょう。
そして三つ目は「設計者自身の実績写真として利用するため」です。設計側で費用負担をして撮影を行うと、竣工写真のデータ権利は設計側が得ることになります。つまり写真を自由に使用できるようになり、自身の実績紹介などで使用が可能となるのです。そのため自費で撮影したい場合は、その旨をクライアントに相談してみるとよいでしょう。
次に二つ目は「クライアントがPR写真として利用するため」です。パースよりもリアルな写真の方が宣伝効果が高いため、多くのクライアントは竣工写真を使って宣伝活動を行います。つまり竣工写真の見え方は重要で、今後の発展を左右する鍵といえるでしょう。
そして三つ目は「設計者自身の実績写真として利用するため」です。設計側で費用負担をして撮影を行うと、竣工写真のデータ権利は設計側が得ることになります。つまり写真を自由に使用できるようになり、自身の実績紹介などで使用が可能となるのです。そのため自費で撮影したい場合は、その旨をクライアントに相談してみるとよいでしょう。
竣工写真の撮り方 4つのポイント
ここでは、建築設計や空間設計に携わる設計者に向けて、竣工写真の基本的な撮り方を紹介していきます。
1:被写体は正面から
建物の正面となる構図は必ずおさえるようにしましょう。建物正面から撮影した写真はクライアントのPR活動で使用する写真にも使われることが多く、最も重要な写真となります。撮り方に不安がある場合は、数パターンを撮影してクライアントに選んでもらうとよいでしょう。
2:立体感を演出する場合は斜めから
建物正面の面積がせまい場合は、斜めから撮影すると建物面積が増えて立体感のある写真が完成します。また外観の仕上げ材に凹凸があるときは、斜めから撮影したほうが建物の面白さが伝わる写真となるでしょう。このように設計のディティールがわかる写真は、ご自身の実績紹介で使用しやすい写真となります。
3:水平・垂直を意識する
竣工写真撮影をプロに委託せず、個人で撮影する場合は「水平・垂直」を意識して撮影しましょう。建物写真の時に一番重要な点は、この「水平・垂直」で撮影できているかどうかです。水平器を使いきちんとレベルを測ってから撮影することをオススメします。撮影後に微調整することはできますが、あまりにもズレていると精度の低い竣工写真となってしまいます。
4:建物外観を撮影する場合は「昼・夜どちらも」がベター
建物の外観は昼と夜で、写り方が大きく異なります。クライアントがどちらの写真を使用するか悩んでいるようであれば、どちらも撮影をしておいたほうがよいでしょう。
ただしプロに委託する場合、その分拘束時間が増えることを意味するので、事前に相談して撮影者の予定をおえておく必要があります。
ただしプロに委託する場合、その分拘束時間が増えることを意味するので、事前に相談して撮影者の予定をおえておく必要があります。
竣工写真の撮影で注意すべき要素とは?
以下では竣工写真を撮影する際に、設計者として注意しておくべき3つの要素をお伝えします。
竣工写真撮影代として、予算調整を行う
竣工写真の撮影費用は依頼する業者や建物の大きさによって異なりますが、大体の相場が15万円〜40万円くらいです。さらに依頼するカット数や拘束時間によって変わりますが、建築物の竣工写真撮影は決して安いものではないということを記憶しておきましょう。
工事金額が確定したあとに追加相談してしまうと、クライアント側の予算調整が難しく、竣工写真にお金を使えない・・・なんてことにもなりかねません。工事金額を調整しているタイミングで、クライアントと竣工写真の予算感を調整し金額を把握するようにしましょう。
工事金額が確定したあとに追加相談してしまうと、クライアント側の予算調整が難しく、竣工写真にお金を使えない・・・なんてことにもなりかねません。工事金額を調整しているタイミングで、クライアントと竣工写真の予算感を調整し金額を把握するようにしましょう。
できるだけパースに近いカットを撮影する
クライアントが必要とする写真は、建物の全体像がわかるパースのような写真です。逆にディティールがわかる詳細写真はPR活動に使用しないため、できるだけパースに近いカットを多く撮影するようにしましょう。
カメラマンと写真イメージの打ち合わせを事前に行う
建築物の竣工写真の場合カット数が多いので、撮影当日に打ち合わせが発生すると1日では終わらなくなってしまいます。多くのカットを依頼する場合は、事前に現場で打ち合わせを行い、撮影の当日は写真撮影だけに集中できる環境を整えましょう。
竣工写真に向けて、設計段階で注意しておくべきこととは?
竣工写真はすべてが完成したときに撮影するものだからこそ、撮影現場での修正は一切できません。つまり「実際に出来上がる空間を想像して、いかに設計していくか」が鍵となります。とくに設計上のトラブルで多いのが「イメージと実物の色味が違う」ということ。このようなイメージの相違を発生させないためには、実際に使用する素材を実際に使用する色温度の照明のもとで確認することが重要になります。サンプルチェックは、案件の出来栄えにも大きく影響する工程。そのため、使用する建材はすべて確認するようにしましょう。
(建材ナビ)などのWEBカタログを使用すると、手軽にサンプルを取り寄せることができます。サンプルチェックを行い、竣工写真を見据えた設計を心がけてみてはいかがでしょうか。
(建材ナビ)などのWEBカタログを使用すると、手軽にサンプルを取り寄せることができます。サンプルチェックを行い、竣工写真を見据えた設計を心がけてみてはいかがでしょうか。
まとめ
竣工写真はただの記念写真ではなく、クライアントのPR活動にとって非常に重要な写真となります。そして竣工写真を美しく撮るためには、設計者として各マテリアルの見え方を徹底的にチェックし、それらを美しく納める画角をカメラマンに指示する必要があります。
設計者は他の業務に追われることも多く、「写真は後回し・・・」となってしまいますが、竣工写真は物件の集大成です。最後まで全力で行いましょう。
設計者は他の業務に追われることも多く、「写真は後回し・・・」となってしまいますが、竣工写真は物件の集大成です。最後まで全力で行いましょう。
著者(田原 政耶)プロフィール
二級建築施工管理技士
空間ディスプレイ会社で現場監督職兼プロジェクトマネージャー
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