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掲載:2022年06月01日更新:2022年06月01日

コンセント計画で忘れがちな場所をまとめました

コンセント計画で忘れがちな場所をまとめました

現代の生活は、ありとあらゆるものが電気で動いています。家に置いておく家電の量もグンと増えました。それに伴い、必要なコンセントの数も増えてきました。
一昔前の家と比べたら倍以上?現場で配線されたコードの束をみると、「こんなに家じゅう配線が張りめぐらされているのか!」と驚くほどです。

住み始めた後に「ここにもコンセントが欲しかった!」と気付き、追加で増設するには手間もお金もかかってしまいます。
「せっかく家を建てるなら、必要な場所にすべてつけておきたい。」そんな風におっしゃるクライアントさんも多いです。
どんな場所にコンセントがあると便利か。今は必要なくても将来必要になる場所はあるか。

提案に見落としがないよう、忘れがちなコンセントの場所についてまとめてみたいと思います。


1.シューズクロークには絶対につけたいコンセント


靴や子どものおもちゃ、アウトドアグッズにコートなど、通常のシューズボックスでは収まりきらない量の物があるときには、シューズクロークを用意します。

シューズクローク内にも必ずコンセントを用意しましょう。どのような場面でコンセントを使うかというと…

①電動自転車のバッテリー充電器

最近の育児グッズのマストアイテムが電動自転車。車文化の地域を除いては、どのお家にも1台はあります。場合によっては、高校生が通学に使う自転車が電動であることもあります。

コンセント計画で忘れがちな場所をまとめました

②靴の乾燥機

洗った靴や、雨でぬれた靴を乾かす場所がないので、乾燥機を使っているご家庭も少なくありません。

コンセント計画で忘れがちな場所をまとめました

③スマホの充電スポット

会社から貸与されているスマートフォンを、カバンなどと一緒にシューズクロークにおいている方もいます。収納しながら充電もできるようになっていると便利です。


シューズクロークを上手に利用すると、リビングに散らかりがちなものを玄関で食い止めることができます。
収納のどのあたりに何を置くのかを先に決めておき、その近くに必要なコンセントを用意しましょう。



2.人数分以上に必要になる、スマホやタブレットの充電スポット


今、小中学校において、ICT教育の推進が急ピッチで進んでいきます。コロナ禍も手伝って、1人一台タブレット所有はもう当たり前。通信教材も紙ベースのドリルではなく、専用タブレットを使ったものが人気です。
そうなると、子ども1人当たりのタブレットが2台あっても不思議はありません。更に、スマホも1人一台持っているのが当たり前になりなりました。充電器をさしておくコンセントを用意しておかないと、家のあちこちの空いたコンセントを使う、というちぐはぐな状況になっていまいます。

子どもが小さいうちは、子ども部屋にスマホやタブレットを持ち込ませることに抵抗があると思うので、リビングダイニング周辺に「充電スポット」をかならず想定しておきましょう。

コンセント計画で忘れがちな場所をまとめました

そして、大人のスマホは寝室で寝ている間に充電することが多いとおもうので、ベッド回りにもコンセントが必要です。
ベッドの近くにコンセントを設置する場合は高さに注意!ヘッドボードの高さにかぶらないように、ベッド本体のサイズを確認しておくと確実です。

ちなみに、最近では壁付けのUSBコンセントがあることはご存じですか?充電器をコンセント指す場合は、アダプターをかませる必要がありますが、壁付けコンセント自体がUSB型になっていれば、アダプターが不要になります。アダプターがない分コンセント回りがスッキリしますよ。


3.ダイニングテーブル回りにもコンセントは必須


家族が集まるダイニングテーブルの役割は、食事をとるだけではありません。子どもが勉強したり、遊んだり、家族がノートパソコンを開いたり。意外とコンセントが必要になる場面があります。

もし、壁が近ければコンセントを壁に用意しておきましょう。壁から離してダイニングテーブルを置く場合、床にアップコンセントを用意しておくと便利です。

コンセント計画で忘れがちな場所をまとめました


アップコンセントは業務用だと、無骨なシルバーになってしまいますが、家庭用だとカラーバリエーションがあります。フローリングの色に合わせて、なるべく目立たないものがいいですね。

アップコンセントの位置は、なるべくテーブルの中心の位置に来るように計画します。木造住宅の場合は、大引きや梁などと干渉することもあるので、最終的にどの位置に出せるのかは、現場での調整が発生することをクライアントに了承いただきましょう。



4.掃除機も充電式や自動掃除機が主流


以前は、コンセントをさしてつかう有線のキャニスター型掃除機が主流だったので、家の中心に空きコンセントが1つあると便利とされていました。最近では、ダイソンやマキタなどの充電式スティッククリーナーや、ルンバなどの自動掃除機が人気となっています。そのため、掃除機の収納場所にコンセントを用意しておく必要があります。

充電式スティッククリーナーにも2つのタイプがあります。

①本体にコードを接続して充電するタイプ

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②バッテリーが取り外せて、充電器で充電するタイプ

コンセント計画で忘れがちな場所をまとめました

どのタイプの掃除を想定されているのかを事前に確認しましょう。それにより、コンセントの取り付け位置や高さも変わってきます。


5.インターネットの引き込み位置は収納の中がオススメ

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固定電話を置く家庭が減り、インターネットは光ファイバーが主流です。あまり、インターネットを使わない家庭だと、ホーム用Wi-fiを置くだけという場合もあるようです。

固定電話を置かない場合は、リビングダイニングに機器を並べておく必要がありません。そのためインターネットの引き込み位置は収納の上方、棚の上などに設置するのがオススメ。
収納の中なので、埃もたまりにくく、視覚的にもスッキリします。

引き込み位置には、光回線の端末装置(ONU)とルーター、電話アダプターなど、複数の機器がならびます。そのためのコンセントの口数は、少なくとも2口は必要ですが、余裕をみて4口にしておいてもいいと思います。


6.番外編 今必要とされている“あえて有線LAN”を用意すること

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コロナ禍の影響により、仕事や学習のオンライン化が一気に進みました。状況が落ち着けば、対面に戻ることも多いと思いますが、そのままオンラインが定着することもあると思います。

もし、ホームオフィスを想定する場合は、LANケーブルを有線で引いていくことをおすすめしています。通常使用でしたら、Wi-fiが多少不安定でも「今はつながらない」で済むと思いますが、仕事となるとそうもいきません。安定したインターネット環境が必要であれば、パソコンを有線LANでつなぐのが一番です。もちろん、コンセントとセットで用意しましょう。

LANケーブルにも種類があり、Cat5、Cat5e、Cat6、Cat6a、Cat7といった表記で識別できるようになっています。数字が大きいほど通信速度が速くなりますが、その分価格も高くなります。この先、インターネットのデータ通信量は増える一方だと思うので、速度が速いに越したことはありません。予算と比較しながらも、なるべく速度の速いものを提案しましょう。


7.まとめ


コンセント計画を提案するためには、クライアントの生活をしっかり想像し、この先どのようなタイミングでどのような家電が増える可能性があるのかを想定できるようになる必要があります。

日々、新たに発売される家電情報や、デジタルガジェットの動向を知っておくことが大切です。自身の生活においても、どの位置にコンセントがあると便利か意識しながら生活すると、よりリアルな提案ができるようになりますよ。


著者(和田さや子)プロフィール

一級建築士/ライフオーガナイザー/建築カラープランナー
注文住宅の設計を続ける傍ら、ライフオーガナイザーとして整理収納セミナーも開催している。 建築士として住宅設計を続けて18年。 サスティナブルな家づくりがこだわり。

ブログ「子育て世代・共働き夫婦のための片づけに悩まない家づくり」 





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