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コラム
掲載:2023年03月09日更新:2023年03月09日

デンマークの名建築にはいつもルイスポールセンがかかっている

私が建築を観る旅の中で気づいたことです。

北欧建築や北欧インテリアに興味を持って建築雑誌や建築写真集を読んだ時にルイスポールセンの照明に出会いました。
今まで見たことのないような美しいあかりのデザインを一目見てみたいと憧れ続けて10年。最初に肉眼で見た時の感動は今も忘れません。
目を引くデザインなのにあたたかい雰囲気。ルイスポールセンの照明を撮りたくてミラーレスカメラを買ったほどです。

そんな憧れの存在ルイスポールセンの照明ですが最近は、日本の商業施設や住宅のモデルハウス、おしゃれな店舗などでもよくルイスポールセンの照明がかけられているのを見かけます。北欧インテリアの人気も続いていますね。
実際にデンマークの建築でルイスポールセンが使われているのかをご紹介したいと思います!

ルイスポールセンについて


1874年創業のデンマークの照明メーカー。
「形態は機能に従う」というコンセプトをもとに機能的でありながら美しい照明を作り出したルイスポールセン。

北欧らしい美しさと機能を兼ね備えた照明たちは世界中にファンがいます。その中で特に人気のデザイナーのひとりがポール・ヘニングセン。彼のPHシリーズは永遠の名作とも思える照明です。

ポールヘニングセンについて


1894年コペンハーゲン生まれの建築家であり作家、評論家、デザイナー。1925年からルイスポールセンでデザイナーとして活躍する。光と影、グレアの研究を重ねてPHシリーズを生み出す。照明分野のパイオニアとして数々の照明を作っています。



1.SASロイヤルホテル

SASロイヤルホテル
アルネヤコブセンが手掛けたホテルで有名です。コペンハーゲンの駅近くにある最高級5つ星ホテル。ガラス貼りの高層建築物。

ロビーには、大きなPHアーティチョークがお迎え。空間を豪華に見せる効果があり、天井の高い開放的な空間がよく似合います。

AJランプも置いてあるようですが私は見つけられず。あまりにもロビーが煌びやかだったので早々に退散しました。

PHアーティチョークについて


ポールヘニングセンがコペンハーゲンのレストラン“ランゲリニエ・パヴィリオン”のために作られた照明。72枚の羽根による光のハーモニーが美しい。
銅(ローズ)、ホワイト、銅、ポリッシュステンレス、真鍮などの色がある。サイズφ480~840、本体は9~27Kgと重い為ボルト工事が必要。

AJ Floorについて


アントチェアやセブンチェアをデザインした北欧の巨匠アルネ・ヤコブセンがデザインした照明。他にAJテーブルやAJウォールがあります。

シンプルでありながらおしゃれなインテリア照明です。最近は、カラーバリエーションが豊富で選ぶのが大変。


2.デンマークカストラップ国際空港

SASロイヤルホテル
北欧の空の玄関のひとつデンマークカストラップ国際空港。こちらにもPHアーティチョークの大輪の花たちが。

空港に到着後、旅行者を優しく包むような光でリラックスさせてくれます。デンマークに着くたびに照明がおかえりなさいと言ってくれているような優しい存在でもあります。
これだけたくさんの照明が並んでいても眩しくなく光が明るいから不思議です。

下から覗いても光源が直接見えないその作りは、時代を超えて愛される秘密かもしれません。


3.ルイスポールセン本社

ルイスポールセン本社
コペンハーゲンにあるルイスポールセン本社。外観はクラシカルな雰囲気でした。ショールームには、PH5がたくさんかけられているコーナーを発見。

写真は、会議室をイメージした展示です。うっすらと見えるパーテーションの奥は住宅をイメージした展示。 他にも照明ごとにいくつも展示があり照明器具選定の参考になります。

パンテラテーブルについて

ルイスポールセン本社

1971年ヴァーナ・パントンがデザインしたライト。ドーム型のランプは優しい光を放ち愛らしいフォルムが特徴です。写真は、電源コードを用いておりますがコードレスタイプもあり、いつでも一緒にいられます。

パンテラテーブルの光がやすらぎをもたらします。

PH5について


独特の曲線で作られたポール・ヘニングセンデザインの代表的なペンダントライト。グレアがなく影が出にくいので様々な所で活躍できる照明です。
種類は、真鍮・クラッシックホワイト・ブルー・グリーン・グレー・銅・モダンホワイト・ローズ・オレンジ・レッドなどのほか限定色もあります。
サイズは、PH5でφ500。PH5ミニは、φ300。重さ1.8〜3kg。

PH5の取り付け高さがいつも気になるので調べたところ。照明下端からテーブルまで60cmぐらいがおすすめだそうです。デンマークで掛けられているのを見た時はもっと低めについていた印象があります。

ちなみに私の自宅では高めに取り付けていてテーブル高さから80cmです。


4. デザインミュージアム

デザインミュージアム
コペンハーゲンにあるコーア・クリントが病院をリノベーションした博物館デザインミュージアム。
エントランスにはさりげなくPHアーティチョークがかけられていました。壁のPHウォールも素敵です。

デザインミユージアムには、アルネ・ヤコブセンアルヴァ・アアルトなど北欧を代表するデザイナーたちの照明や椅子などが展示されています。

PHウォールについて


こちらもポール・ヘニングセンのデザイン。銅ヘアライン仕上げで屋外使用可。どの空間にもマッチするブラケットライトです。サイズはφ450。



5.フィンユール邸

フィンユール邸
コペンハーゲンからエストー(近距離列車)に乗りバスを乗り継いだ場所にあるフィンユール邸(オードロップゴー美術館敷地内)。

自然豊かで広々とした場所にありました。ペリカンの椅子などで有名な建築家のフィン・ユールの寝室には、PHスノーボールが掛けられていました。
家具と照明の調和が美しい建物。

デンマークのフィンユール邸の内部は撮影禁止のため飛騨高山にあるフィンユール邸の写真です。

PHスノーボール

フィンユール邸

ポール・ヘニングセンのデザインE26ランプ(200W)相当と明るいので主照明としても使えます。サイズはφ400。



6.チボリ公園

チボリ公園
ディズニーランドのモデルになったともいわれるコペンハーゲンにある遊園地チボリ公園。

ポール・ヘニングセンが照明計画や設計にも携わったとされています。東洋風のデザインが取り入れられた照明が印象的でした。遊園地なのにとてもクールなところでもありましたよ。


7.日本で見つけたルイスポールセン

国内でもルイスポールセンの照明を使った建物を見かけたことは数知れず。

見つけた時は嬉しすぎてつい気持ちが舞い上がり、じっくりと観察したことがありません。
しかし、ミラーレスカメラを持ち歩いていることもあり即座に撮影しています。そんな中で印象的だった建築の写真をご紹介します。

JR九州 ブラッサム大分

JR九州 ブラッサム大分

PHアーティチョークがあるとやはり豪華な感じになります。


湯布院温泉フォレストインボン パンテラフロア

湯布院温泉フォレストインボン パンテラフロア

自然に溶け込むデザインの照明で非日常に誘います。

ハウスオブフィンユール(長野県白馬)

ハウスオブフィンユール(長野県白馬)

VL 45ラジオハウスペンダントとVL38フロア。

VL45ラジオハウスペンダントについて


デンマークの建築家ヴィルヘルム・ラウリッツェンのデザイン。拡散光を広げるペンダントライトで全般照明に用いられます。

VL38フロアについて


こちらもヴィルヘルム・ラウリッツェンの作品。ラジオハウスのために製作された歴史的ランプの復刻シリーズ。



まとめ

ルイスポールセン
デンマークの建築では照明を重視していることがよくわかります。

冬の日照時間の少なさから室内空間を充実させる文化。
“ヒュッゲ”という心地いい時間や空間を表す言葉があるようにやすらぎを大切にするデンマークには欠かせない存在の照明たち。特にルイスポールセンの照明は、照明の域を超えた芸術品でもあるように思えます。

建築の際にはひとつルイスポールセンの照明を取り入れてはいかがでしょうか?


著者(村上 佐記枝 )プロフィール

▼略歴
福祉系専門学校卒業後保育士1年勤務
役所で補償業務の臨時職員1年
ハウスメーカー、工務店で建築事務や建築設計、確認申請業務、宅地建物取引主任者、インテリアコーディネーターなどを30年経験

▼保有資格
二級建築士、宅地建物取引主任士、インテリアコーディネーター、カラーコディネーター2級、福祉住環境コーディネーター2級、整理収納アドバイザー2級、保育士






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