お洒落なショベルカーや巨大なタワークレーンなど!ラフな感じの北欧の建設現場を紹介
北欧を旅するようになり、その旅の目的が建築見学ということもあり、建築現場がとても気になります。
私の個人的見解ですが、北欧の建築現場は、全体的にラフな感じ。個人主義の北欧と日本の違いかもしれません。
そんな建築現場についてのお話です。
1.フィンランド・ヘルシンキ
北欧への旅をはじめた最初の頃に目にした現場。
店舗の改修ですが、ヘルシンキのメイン通りに面してローリングタワー移動式足場で、作業をしていたので驚きました。隣のカフェでは外のテラス席でお茶をしているお客さんがいるのに...。
びっくり!埃は気にならないのかしら?
ローリングタワーとは
移動式足場とも呼ばれている、高い場所での作業に用いる移動式の仮設足場。一般的には、2階建て程度の高さの作業時に使用する。
建設工事では、設備工事や内装工事、それ以外には、イベントの設置や清掃、電球交換で利用。
屋根は、木造。クレーン作業や看板などあまり日本と違わないように思えました。
クレーン作業の注意点
衝撃、荷振れ運転及び斜め吊りはしない。地切後一旦停止し、玉掛用ワイヤーロープの張り及び吊り荷の安定等を確認する。
吊り荷の下に作業者を立ち入らせない。強風等により危険が予想されるときは、作業を中止する。
ムンキニエミの現場近くで見かけたショベルカー。建設機械もお洒落なものが多く、さすがデザイン大国。
建設重機やトラックなどスウェーデンの高級車メーカーのボルボもよく見かけます。
2.フィンランド・セイナッツァロ
ヘルシンキからVR(フィンランド国鉄)で3時間半、フィンランド中部の湖水地方に位置するユヴァスキュラ。町からバスで行くこと約30分のところにあるのがアアルト設計の建物セイナッツアロタウンホール!
私が訪問時、タウンホール内で見学していたところドーンという音とともに振動が!
何が起こったかわからずに窓から外を見たら穿孔機が作業していました。何の工事かしら?
穿孔機とは
サドル付き分水栓を用いて、配水管を穿孔する機械で、確実に穿孔作業が出来る。
写真のものは、サーフェスドリルで岩盤補強や転石発破、基礎掘削、溝堀りなどの工事に用いられるようです。
セイナッツァロタウンホールについて
1952年完成アルヴァ・アアルト設計のタウンホール。
赤レンガを多用した建物の代表作。議会場・事務室、住宅棟、図書館が入り、1階には、銀行・本屋・美容室などのテナントが入る複合施設。
回廊状のプランは、中庭が見えるようになっている。
3.ノルウェー・オスロ
オペラハウスよりタワークレーン設置の建設現場(2016年)規模の大きさに驚きました!
オスロをはじめ北欧の国々では、近年都市部(駅周辺)の再開発工事をしています。
公立図書館のDeichmanBjorvikaダイヒマン・ビヨルヴィカ(2019年撮影)
オープン前でしたが隣のオペラハウスと似ている白の外壁が印象的でした。
オスロ公立図書館ダイヒマン・ビョルヴィカについて
国際賞も受賞した近代的な建築で地下1階地上5階建て。本はもちろん電子書籍や映画などおよそ450万冊の所蔵をしている。
ムンク美術館
オペラハウスの横に2021年オープンしたエドヴァルド・ムンクの美術館。作品、私物、蔵書や道具など28000点も所蔵。
ムンクの代表作「叫び」も展示されています。設計は、スペインの建築事務所ファン・ヘレロス。建物は、13階建て展示室は11もある。
4. ストックフォルム市庁舎改修
ノーベル賞の晩餐会で有名な、ストックフォルム市庁舎。
定期的に改修やメンテナンスをしているようです。私が訪れた2016年は一部改修中でした。
ストックフォルム市庁舎について
スウェーデン・ストックフォルムのメーラレン湖に面する、ストックフォルム市庁舎。建築家ラグナル・エストベリ設計で1923年完成。
ノーベル賞の晩餐会が行われる青の間、パーティが行われる黄金の間が有名。
5.アイスランド・レイキャビク
アイスランドは2023年のレイキャビクでは、中心部の工事(テナントビルやホテル)が終わっていました。市内各地で改修や新築など建築が盛ん。
ハルパとは
アイスランド・レイキャビクにあるコンサートホール&会議センター。デンマークの建築家ヘニング・ラーセン設計の建物で2011年に完成している。
柱状玄武岩をイメージしたガラスの外壁は、芸術品のような建築です。
北欧では、工事現場にガードマンは、あまり見かけなく(休工中かもしれません)、日本と違う点も多いので、現場の近くを通るときは充分気を付けてください。
日本の足場について
足場の設置基準は、労働安全衛生規則563条により:563条には、2mを超える高所で一側足場以外の足場を組む場合の制限項目が示されています。
● 足場は、40cm以上の幅にしなければならない。
● 床材の隙間は、3cm以下にしなければならない。
● 床材と建地の隙間は、12cm未満にしなければならない。
(厚生労働省足場のガイドライン参照)
6.デンマーク・コペンハーゲン
コペンハーゲンのタワークレーンの建設現場(2014年)にて、自転車専用道路を作っていました。
この先は、自転車専用道路。私は、この写真を写したあと来た道を引き返したため、地図を持って道を聞く人とニセ警官の二人組に遭遇して被害にあいそうになった思い出があります。
海外旅行のため治安が比較的いい北欧でも油断は禁物。ちなみに現地ガイドさんよるとよくある手口のようです。そのような場合は、逃げることが一番。本物の警察官は、蛍光カラーの制服でこちらから質問しない限り観光客には、話しかけません。(パスポートを見せることもありません)
タワークレーンとは
クレーンの一種。建設現場で使用される昇降可能な仮設重機 高い建物をつくるためにクライミングをする(登ることをクライミングと呼びます)。
クライミングの種類にフロアークライミングとマストクライミングがある。
その周りには、オペラハウス、デンマーク王立プレイハウスがあり、少し離れたところには、ブラックダイヤモンドとよばれている王立図書館もあります。
オペラハウスについて
デンマーク王立プレイハウスについて
王立図書館(ブラックダイヤモンド)について
建築家集団シュミット・ハマー設計。黒い大理石とガラスの印象的な建物。
まとめ
北欧の建設現場は、いかがでしたか?日本との違いはありますが、職人のみなさんは、気を付けて作業をしているようでした。
建設作業は、安全が一番。素晴らしい建築が出来るには、仮設や足場、建設重機も重要です。
仮設や安全管理、工事現場に携わっている方、作業や現場管理(監理も)の際は、どうぞお気をつけて!おつかれさまです
▼略歴
福祉系専門学校卒業後保育士1年勤務
役所で補償業務の臨時職員1年
ハウスメーカー、工務店で建築事務や建築設計、確認申請業務、宅地建物取引主任者、インテリアコーディネーターなどを30年経験
▼保有資格
二級建築士、宅地建物取引主任士、インテリアコーディネーター、カラーコディネーター2級、福祉住環境コーディネーター2級、整理収納アドバイザー2級、保育士