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掲載:2023年08月06日更新:2023年09月29日

無駄なく美しい動線と間取り


住んでみて、「この間取りは失敗だった!」と後悔してしまうことは、往々にしてあるかと思います。 間取りはその後の快適な暮らしをできるかどうかに大きく影響します。
それだけ家の間取りを決めるということは、とても難しいことです。

後悔のない間取りをつくり、ライフスタイルに合わせた間取りを考えられるよう、この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。


1.庭に面した開放的な玄関で一体感を


庭に面した開放的な玄関で一体感を

庭に向かって大きな開口部を設けることで、内外の一体感を高めることができます。
また、外とのつながりを強めるために、開口部にはリビングの床と高さをそろえた縁側を設置すると、より開放感を得ることができます。

どこに居ても庭が楽しめるコートハウス


どこに居ても庭が楽しめるコートハウス

たとえば平屋になると採光の確保が難しいことも多くあります。
しかし、中庭があれば家全体にじゅうぶんな光をとりこむことができます。

中庭を囲むようにコの字形に設計することで、中庭と建物が外壁に囲われることになるので、外部の視線が届かず視線が届かないプライバシーの守られた空間をつくることができます。

また、せっかくコートハウスをつくるなら、なにもない殺風景な庭よりも、綺麗なプランナーを設置したほうがコントラストの役割も生まれます。

プランターで中庭にメリハリを



さらに木製の大きな掃き出し窓を戸袋に納めれば、内外一体となり、中庭が第二のリビングとなります。
庭を中心とした設計のため、家中どこに居ても外の景色を楽しむことができます。


ダイニング床高は、中庭+330mmで、床面を庭のGLに近づけることでさらに開放的で一体感のあるダイニングになります。


2.内土間+外土間でおおらかに仕切る


内土間+外土間でおおらかに仕切る
内土間+外土間でおおらかに仕切る

アウトドアの趣味を持つ方なら、土間との相性は抜群です。
画像の土間は、木製建具などで内土間と外土間にわかれていて、作業や天候に応じて使い分けが可能です。
冬は薪ストーブの熱をしっかりと土間が蓄えるので、思ったよりも暖かいのが魅力です。

LDKは石張りの土間に



LDKを土間空間にしたいけれど、インテリアや家具のデザインに対してモルタル仕上げはラフすぎるかも…そんな場合は、石張りの床をお勧めします。

石は自然素材のため、無垢の木などとの相性も抜群。
空間全体を引き締める効果も生まれ、自然ならではの高級感と上質な仕上がりになります。

土間には蛇紋石を現場に持ち込み、その場で割ってバランスを見ながら張るとより自然感がでます。


3.テレビは気配を潜めさせる


テレビは気配を潜めさせる

リビング、キッチン、ダイニングがひとつながりの空間の場合、テレビの置き場は悩みどころかと思います。

あえてテレビをダイニングテーブルから見える場所に置かずに、袖壁の奥に隠すこともひとつの手です。
そのように配置すればLDKにいてもテレビの存在は感じられず、また玄関土間からダイニングに入った際もテレビが視界に入りません。

また、よりテレビの存在を小さくしたく、防音にも力を入れたい場合は、組み立て式防音パネルを設置することをお勧めします。


ホームシアター好きにもお勧めですし、テレビの背面に接する部屋への音漏れも軽減し、同じ室内でも音をクリアに拾うことができます。


4.帰宅の動線


帰宅の動線

コロナが大流行し、外から帰宅すると「そのままの服装や状態でリビングに入るのが嫌」、「すぐに浴室で汚れを落として着替えたい」という希望も多いかと思います。

PATTERN(1)玄関から浴室へ直線の動線


玄関から浴室へ直線の動線

玄関から洗面脱衣所や浴室に直行できる帰宅の動線を確保しておけば、家も体も清潔に保ちやすく、遊び盛りの子供がいる場合にも便利です。

上記画像のように、玄関から洗面脱衣所とリビング、それぞれへ直接アクセスできる配置だと、そのときの用途によって行動を選択することができます。 帰宅後すぐに浴室や洗面所で汚れを落とし、清潔な状態でリビングにはいることができます。

PATTERN(2)WICを介して浴室へ向かう帰宅動線


WICを介して浴室へ向かう帰宅動線

玄関と洗面脱衣室のあいだにWICを設ければ、コートや手荷物を収納して浴室へ向かえます。
朝の身支度としても活用できます。

子供のための動線


家のどこにいても子どもの存在・気配を感じられる一体感のある間取りはとても需要があります。
その一方で親と子どもの距離を近づけすぎず、一定の距離を保ちたい、という要望も多いです。 これらを両立させるために子ども部屋の位置を考慮し、そもそもの子どもと親の動線をわけることで解決できます。

PATTERN(1)LDKで動線を左右に分ける


LDKで動線を左右に分ける

家族全員が集まるLDKを中央に配置して、子どもと親のエリアに分割した間取りです。
互いの気配を完全に消すことなく緩やかに繋ぎたい場合には、階段や廊下をバッファーゾーンにすることをお勧めします。

PATTERN(2)子どものエリアを限定する


子どものエリアを限定する

子どもの遊び場や出入り口を玄関脇にまとめた間取りです。
子どもの活動エリアを限定した動線にすれば、子どもの友達が遊びに来るなどしても家族のプライバシーを守ることができます。 子どもは小さい子であればアポもなく突然友達を連れてくることも多いでしょう。 そういったパターンでもすぐに対応することが可能です。


5.アウトドアの動線


アウトドアの動線

庭をつくる、キャンプ、スポーツなど、アウトドアを趣味とする人は近年ますます増加傾向にあります。
屋外と屋内の中間にアウトドア用品の収納場所や作業空間があるとより便利です。 雨風をしのげるよう、壁や天井で囲われたアウトドア専用のスペースをつくれば、さらに趣味の時間が充実することは間違いないでしょう。

PATTERN(1)玄関土間を広げる


玄関土間を広げる

完全な室内空間でアウトドア作業を楽しみたい方もいるでしょう。
その場合、玄関土間を広げたり内土間を広めに設定したりすると、天気に左右されず、汚れを気にせず作業できます。

PATTERN(2)アウトドア用の玄関を設ける


アウトドア用の玄関を設ける

玄関とは別に、アウトドア用品を気軽に出し入れするための出入り口を用意すると便利です。 駐車場に直接出入りできるようにしたり、シャワー室を設けてもいいでしょう。
サーフィンを趣味とする方で、このような間取りにする方が個人的にはとても多いように思います。


まとめ


まとめ

アウトドアリビングの間取りは、ライフスタイルが広がる素敵なアイデアの一つであることは間違いありません。

用途が広いアウトドアリビングですが、過ごし方を決めないと結局使わなくなって後悔するケースもあります。 具体的な過ごし方が分からないと動線や広さが決められず、使いにくいレイアウトになってしまう可能性が高いです。

最初に用途をはっきり決めることで必要な広さや設備が見え快適なアウトドアリビングになります。
まずはアウトドアリビングで叶えたい時間やライフスタイルを話し合い、どうやって実現するのか考えていくことも大切です。 過ごし方に合わせてスムーズな動線を作り、快適&便利に使えるアウトドアな間取りに仕上げましょう。

アウトドアを生活の一部に考えるほど好きな方、理想のマイホームを目指すなら、ぜひ選択肢の一つとして検討してみてください。




著者プロフィール

建設会社にて2×4工法、RC造の建築物の設計・積算を担当。
住まいでの快適な暮らしや建築に関するニュースを執筆していきます。






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