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掲載:2024年05月01日 更新:2024年05月01日

家を彩る窓選び|窓の種類や選ぶポイントをご紹介!

住宅の内観でもあり外観でもある窓は、その家の印象に大きな影響を与えます。窓には採光や通風などさまざまな役割があり、窓の種類や配置は家の快適性にもつながるとても重要なポイントです。
今回は窓の種類や選び方について解説します。

1.窓の種類

窓にはたくさんの種類があり、それぞれに特徴や機能が異なります。
設置する場所や目的に合わせて選びましょう。

引き違い窓

2枚以上の窓ガラスを左右にスライドして開閉する引き違い窓は、一般的に多く使われている窓です。窓といえば、まずこのタイプを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
床から天井近くまである大きな掃き出し窓は、庭やバルコニーなどの出入り口によく用いられます。大きな面積が確保できるため、日光をたっぷりと取り入れることができます。開閉がしやすくサイズも豊富なので、さまざまな場所に使いやすいタイプです。 目的によって開口部分を調整できることも利点でしょう。

一方でシンプルな構造のため、デザイン性はあまり高くありません。防犯性能や気密性といった面でもやや劣るので、他の対策も一緒に考えると良いかもしれません。

滑り出し窓

滑り出し窓とは、窓の軸がスライドし回転しながら開閉する窓です。縦軸で左右に開閉する縦滑り出し窓と、横軸で上下に開閉する横滑り出し窓があります。狭い場所でも設置しやすく、スタイリッシュな形状で外観のアクセントにもなるため、近年では高い人気を誇っています。気密性が高いことも、断熱性能が求められる最近の住宅で多用されている一因でしょう。
他にも掃除がしやすいなどのメリットもありますが、開閉する方向にスペースが必要なため、屋外を含め設置場所を考慮することが大切です。

上げ下げ窓

上げ下げ窓は、2枚の窓ガラスを上下にスライドして開閉する窓です。片方の窓ガラスだけ動かせるタイプと、両方の窓ガラスが動かせるタイプがあります。デザイン性が高く、洋風の外観にマッチします。左右にスライドする引き違い窓と違い、上げ下げ窓は隙間がないため気密性が高く、断熱性能も優れています。上下に開閉するため、他の窓と比べてやや開けにくく感じるかもしれませんが、防犯面で考えれば利点ともいえるのではないでしょうか。

FIX窓(はめ殺し窓)

窓ガラスが窓枠に固定されているFIX窓(はめ殺し窓)は、主に採光や眺望、空間のアクセントとして用いられます。開閉できないため気密性が高く、シンプルな構造でコストを抑えられます。比較的サイズや形状を自由に設定できるので、設置場所やイメージに合わせて空間をデザインすることができるでしょう。

ただ、開けられないので掃除がしにくいことは考えておかなくてはなりません。特に天窓の場合は、雨漏りなどの点検も含めメンテナンスの必要性も考慮しておきましょう。

ルーバー窓

ルーバー窓

ルーバー窓は、細長い板状のガラスをブラインドのように複数並べた窓のことです。「ジャロジー窓」とも呼ばれ、アクリルやアルミ製のものもあります。ハンドルを回し、板ガラスの角度を変えることで風量を調整できるため、浴室やキッチンなど換気したい場所に多く用いられています。
最近のルーバー窓は機能的にも向上していますが、気密性や防犯性においては心配な面もあるので、設置場所や他の対策も併せて検討したほうが良いでしょう。

2.窓選びのポイント

窓は種類が多く、機能も異なるためどう選べばいいか悩んでしまいますよね。
次に窓を選ぶときや配置を決めるときに考慮したいポイントをご紹介します。

採光・通風

やはり、窓の大きな役割は採光と通風です。家のどの部屋にも十分に光が入り、風通しが良くなるようにしたいですよね。日当たりが悪い北側には大きめの窓を設置したり、西日が強い場所は窓の位置や高さを工夫すると効果的です。高窓や天窓を設置するのもいいですね。
風を取り込むだけでなく流れるようにするには、各部屋に窓を2つ以上配置すると良いでしょう。通風性に優れた縦滑り出し窓などがおすすめです。効率よく換気でき、湿気も溜まりにくくなります。

家具の配置

「窓から明るい光をたっぷり取り入れたい」と思う方も多いでしょう。
そこで窓をたくさん設置したいところですが、壁面が少なくなると家具を置く場所に困ることがあります。特に、テレビやソファなど大きな家電や家具が多いリビングでは注意が必要です。
事前に家具のレイアウトも考えながら、窓の数や設置する高さを決めましょう。

プライバシーの確保

大きな窓はとても魅力的で、外の景色や庭を絵画のように見立てたピクチャーウインドウも、空間をおしゃれに演出する方法として人気があります。しかし、設置場所によっては周辺の住宅や道路を歩く人から室内が見えやすくなってしまうケースもあります。外からの視線を気にしてカーテンやブラインドを閉めていては、せっかくの大きな窓も勿体ないですよね。
実際に家の周りを見て、人通りの多さや目線の高さなどを確認すると良いでしょう。視線を遮りながら十分な光が得られる曇りガラスを用いるのもおすすめです。

気密性・断熱性

窓は開口部が大きく外に接しているため、外気の影響を受けやすく、室内からの熱も逃げやすい部分です。そのため窓の数や大きさは、室内の快適性に大きな影響を与えます。先述のように、窓の種類によって気密性が異なります。
アルミサッシよりも気密性に優れた樹脂製サッシや木製サッシにしたり、複層ガラスにすると断熱効果が期待できます。通常の窓ガラスよりも費用がかかりますが、断熱性能に特化したガラスを用いるのもおすすめです。窓の断熱性を上げることで、冷暖房の効率も向上し光熱費の削減にもつながるでしょう。家全体の断熱を考え、各部屋の温度差を少なくすれば、ヒートショックなど体への負担も軽減できます。

防犯性

窓は空き巣などの侵入経路となりやすいため、窓が多いとそのリスクが高まるということも否定できません。侵入しやすい場所は窓を小さくしたり窓の位置を高くするだけでも防犯効果は期待できます。割れにくい窓ガラスにしたり、比較的防犯性能の高い上げ下げ窓やFIX窓(はめ殺し窓)を取り入れるのもいいですね。窓の設置と同時に防犯についても考えていきましょう。

外観のバランス

窓は機能性も大切ですが、デザイン性にも注目して選ぶと家の雰囲気が大きく変わります。住宅街などで素敵だと思う家は、窓へのこだわりが感じられることも多いのではないでしょうか。外観は家の顔ともいわれる重要な要素なので、窓とのバランスはとても大切です。窓の種類やサイズに統一感を持たせたり、規則的に配置するとすっきりとした印象になります。あえて窓サッシにカラーを取り入れて外観のアクセントにするのもいいでしょう。

まとめ

家を建てるときは決めることが多く、窓のことはあまり重視していないこともあるかもしれません。しかし、窓は暮らしやすい住環境をつくるためには欠かせない要素です。窓を選ぶときは周辺状況や立地も関わってきますし、部屋や目的によっても適した窓は変わります。機能性や使い勝手、デザイン性など考慮したい点はいくつもありますが、まずはどんな家がいいか、どんな暮らし方をしたいかをじっくり考えてみましょう。

あなたの家にぴったりの窓が自然と見えてくるはずです。





著者(おのみき)プロフィール

建築・インテリア系の専門学校卒業後、工務店にて建築業務に携わる。
福祉住環境コーディネーター2級。
二児の母。







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