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掲載:2024年6月24日 更新:2024年6月24日

ウッドデッキ・庭・駐車場の防犯|ルーバー・フェンス・シャッターで大切な家族と財産を守る

ウッドデッキや庭、駐車スペースなどで住まいは開放的・機能的になりますが、防犯を考える上ではそのような場所のプライバシーを確保する方法も検討しておく必要があります。

この記事では、

● ウッドデッキ・庭の防犯性能に配慮するべき理由
● ウッドデッキ・庭の防犯を上手に計画するための3つのアイデア
● 自宅でも注意したい、自動車盗難を防ぐ方法

についてご紹介します。

ウッドデッキ・庭が防犯上とても大切な理由とは?

侵入犯罪は多くの場合、庭や窓が侵入経路となります。
警視庁の統計「令和4年版東京の犯罪」によると、

● 東京都で起きた犯罪のうち、侵入犯罪の認知件数は2,111件
● そのうち、空き巣・忍び込み・居空きの合計は40%以上

となっています。
「忍び込み」は夜間就寝中に侵入する手口、「居空き」は人が在宅しているが食事や昼寝などの隙に忍び込む手口をさします。

窓・縁側・ベランダは泥棒などに狙われやすい!


侵入窃盗の統計情報から、発生場所比率は下記のようになっています。

● 一戸建て住宅…15.1%
● 3階建て以下の共同住宅など…18.3%

戸建住宅や、低層階の住宅が標的になりやすいという状況が見えてきます。
また侵入犯罪は多くの場合、下記のような経路が悪用されます。

● 出入り口からの侵入…57.1%
● 窓からの侵入…42.4%

このような犯罪では出入り口だけでなく窓、特に居室・縁側・ベランダなどあらゆる場所が侵入経路として狙われるということがわかります。

住まいの防犯性アップの大切なポイントは「目隠し」!


窃盗犯の多くは、狙った家をしっかり下見した上で犯行に及ぶことがわかっています。
住まいのセキュリティを向上させ、安心して過ごせるようにするためにはウッドデッキや庭のような開放的なプライベート空間のプライバシーを守る、つまり「外部からの視線を遮ること」が重要なポイントとなります。

住宅の塀や庭、ウッドデッキや窓の周りなどに目隠しになるものが設置されていると、窃盗犯は「防犯対策がとられていて侵入しにくい家」と判断し、標的になりにくくなります。

ウッドデッキや庭の目隠しを設置する場合、防犯性とデザイン性のバランスも大切です。下記のようなポイントに配慮しましょう。

● 家の外部から見て、拒否的で無機質な印象を与えないデザインにする
● 家の内部から見てリラックスできるもの、美しさや楽しさが失われないデザインにする

このようなポイントを押さえた目隠しを計画すれば、住まいの景観とセキュリティーの両立させることが可能です。

ウッドデッキ・庭をおしゃれに目隠しできる3つのアイデア

外部・内部からの景観に配慮しつつ、ウッドデッキや庭をおしゃれに目隠しするには、

● フェンス・ルーバーなどを活用してプライバシーを守る
● 屋根・タープ・オーニングで上部からの視線を遮る
● 植栽を上手に取り入れ、フレンドリーな雰囲気を保つ

などのアイデアがあります。ひとつずつご紹介しましょう。

アイデア①:DIYでも後付けできるフェンス・ルーバーを使う


地上からの視界を上手に遮るには、フェンスやルーバーの設置を検討してみましょう。これらのアイテムは比較的かんたんにDIYで設置でき、素材・デザインの選択肢も豊富です。

フェンス・パーテーション


フェンスは庭の外周など広範囲を目隠しするのに役立ちます。コンクリートブロック造や石造などの塀の上にフェンスを設置するなど異なる素材・構造を組み合わせる方法も人気があります。

パーテーションは大型の窓の周囲、ウッドデッキの特に一眼につきやすい面など、部分的に視界を遮るのに有効です。
フェンス・パーテーションで景観を損ねないよう上手に目隠しするには、

● 天然木・人工木・竹など、温かみを感じる自然素材を使用したもの
● ポリカーボネートなど、光をある程度透過する素材を使用したもの

などがおすすめです。
プライバシーを確保しつつも視界を完全に遮らないようにするなら、近隣に対するフレンドリーな雰囲気を損なうこともありません。


ルーバー


ルーバーとは細長い羽板を平衡に並べたもので、鎧戸(よろいど)などとも言われます。
フェンスのように塀として設置するよりは、窓・玄関などの開口部や、ベランダ・バルコニー周辺によく利用されます。

隙間が多いため視線を完全に遮ることはできませんが、穏やかにプライバシーを確保したい場合に有効な選択肢です。


アイデア②:パラソル・オーニングなどを設置する


市部に立つ家など、立地条件によっては高い位置からの視線を遮るなら、プライベートスペースのセキュリティーは向上します。 ウッドデッキの屋根や長く張り出した庇などは上部の視線を遮るのに役立ちますが、かんたんに後付けできるものとしては、パラソル・オーニングなどの選択肢があります。

パラソル・オーニングは視線を避けるとともに、日除け・雨よけとしても活用できるため、ウッドデッキや庭で快適に過ごすのに役立ちます。

パラソル・オーニングを選ぶ場合は、

● 風に対して十分な強度があるもの
● 使用するテント地に十分な防火性能があるもの

がおすすめです。

パラソル


パラソルとは傘のように開閉できる日除けのことです。ビーチなどのレジャーで使用するような持ち運び式のパラソルはサイズに限界がありますが、据え置き型で大型のパラソルであれば、ウッドデッキや庭のテーブルをしっかり覆うことができます。

オーニング


パラソルが屋根のように広がるのに対し、オーニングは張り伸ばすタイプの日除けです。
オーニングはヨーロッパのカフェテリアのテラス席などによく使用されていますが、個人宅のウッドデッキや庭にも目隠しとして設置できます。必要に応じて閉じられるというメリットもあります。

アイデア③:植物を配置する


目隠しとして植栽を利用するという方法もあります。植栽単体でも目隠しとして機能しますが、塀・フェンス・ルーバーなどと植栽を組み合わせて、それぞれの目隠しとしての弱点を補いながらバランス良く配置すると、ウッドデッキ周りや庭はより魅力的な景観になります。

プライバシーの確保という目的に適した植栽を選ぶ時には、下記のようなポイントに注目しましょう。

● 目隠しには常緑樹が有利(葉が枯れたり散ったりすると、プライバシーの確保は難しくなる)
● 同じ種類の木を並べて植えると、隙間が少なくなりプライバシーを守りやすり
● ある程度、背丈が高くなるものを選ぶと視線を効果的に遮ることができる

植栽の背が高くなりすぎたり、葉や枝が密になりすぎたりすると日照の妨げになるかもしれません。
適度なサイズに成長する、剪定などの世話に手間がかかりにくいものを選びましょう。
景観を美しく保つため、庭の雰囲気に合う樹種を選ぶというのも大切なポイントです。
洋風の庭には、

● カイヅカイブキ
● シマトネリコ
● アオキ
● フェイジョア

などがよく似合います。

和風の庭には、

● 竹
● サザンカ
● ツゲ
● ヒイラギモクセイ

などがよく似合います。

自動車の盗難犯罪も増加中|大切な愛車を守るには?

警察庁の令和5年の犯罪の統計を見ると、建物の中に侵入する窃盗以外に、自動車の盗難事件の発生件数も増加傾向にあります。 令和5年の自動車盗の認知件数は5,762件。1日平均15台以上の自動車が被害に遭っている計算になります。

自動車の窃盗の大きな特徴の一つは、その犯罪が組織的に行われることが多いと言う点です。
自動車盗は組織的な犯罪ゆえに手口も高度化、複雑化しています。施錠された状態の車であっても、下記のような方法で車が盗難に遭う可能性があります。

● リレーアタック
● CANインベーダー
● キーエミュレーター

これらの手口ではスマートキーからの電波を完璧にコピーする、またはスマートキーのシステムの暗号を解読して解錠とエンジン始動を行うという高度なテクノロジーが悪用されます。
警察庁の統計では、盗難に遭う車の約75%がキーなしで被害に遭っているようです。

盗まれた車は戻ってくる?盗難後の車のゆくえは?


盗まれた車はどうなるかについてはいくつかの可能性がありますが、一般的なのは「解体される」という流れです。 盗難車はヤードと呼ばれる解体工場に運び込まれ、解体された後はパーツとして転売されるか、解体した別の車と合体させて海外へ輸出されるといった手口があるようです。

このような組織的で複雑な手口のため、自動車盗の検挙率は40%弱にとどまります。これは令和5年の重要窃盗犯の検挙率51.4%と比較しても10%以上低い数値です。 盗まれた車が元の持ち主に戻ってくる確率はさらに低く20〜25%ほどと言われています。 1度盗まれてしまうと、戻ってくる確率は残念ながら決して高くないといえるでしょう。

車体以外にも、盗難の標的になる意外なパーツとは?


自動車の窃盗では、車体以外にもカーナビやタイヤ・ホイールなど高額で取り外しやすいパーツに加え、ナンバープレートが盗まれることもあります。 盗まれたナンバープレートは偽造ナンバープレートに使用されるか、発見されにくいように他の盗難車に取り付けられるようです。

自動車の窃盗犯罪、最も狙われやすい意外な場所は?


自動車が窃盗に遭う場所としては、駐車場や路上がイメージされるかもしれませんが、実は自動車盗の発生場所として最も多いのは「一般住宅」。約4割が住宅に駐車している時に被害に遭っているのです。 もし愛車を基本的に自宅の敷地内に駐車しているなら、何らかの防犯対策を検討するのが賢明かもしれません。

大切な愛車を守るアイデア


大切な車を自動車盗の高度で組織的な犯罪から守るには、下記のような方法があります。

● スマートキーを玄関に置かない(玄関の外からでも電波をコピーされる恐れがある)
● リレーアタックやCANインベーダーなどを防ぐ、専用の防犯装置を設置する
● 不審者が車に近づけないようにする

このうち、不審者が車に近づきにくくするためのガレージ、シャッター、カーゲートなどの設置は、車を買い換えても有効なおすすめの方法です。 カーポートやシャッターなど、車の防犯上有効な選択肢には下記のような製品があります。

ヨドカーポ「PSパワードタイプ」(株式会社淀川製鋼所)


ヨドカーポ「PSパワード」は、防犯上有利なパイプシャッター付きのカーポートです。 視界を完全に遮らない、風通しの良い軽やかなデザインで街の景観にも溶け込みやすくなっています。 連棟や敷地に合わせたサイズ変更にも対応します。

アルミ電動横引きシャッター「ベルティコ 連窓タイプ」(アルラックス株式会社)


ベルティコはやや珍しい横引きタイプのアルミ製シャッターです。 天井部分の使用スペースを51mmに収められ、シャッターを設置するスペースを確保できない場所にも設置可能です。 高度な意匠性に加え、軽量で堅牢、なおかつ静音性にも配慮した製品となっています。

電動木製ガレージドア「ウッディ」フラッシュタイプ(日本ドアコーポレーション株式会社)


電動木製ガレージドア「ウッディ」は木製素材のガレージドアです。 木材特有の温かみのある表情と複数のカラーバリエーションでオリジナリティあるガレージが生まれます。 駐車場の防犯にも配慮しつつ、温かみのあるデザインを持たせたい場合に最適な選択肢と言えるでしょう。

まとめ

ウッドデッキや庭そして駐車スペースを、家族が楽しく安心して過ごせるように配慮しましょう。 十分に防犯対策がなされた住まいは、空き巣・忍び込み・居空きなどの侵入犯罪の標的となりにくくなります。 外側・内側のどちらから見ても美しく、なおかつ視線を上手に遮ってプライバシーを確保できる空間を目指しましょう。


著者(澤田 秀幸)プロフィール

建築科を卒業後、住宅メーカーの木造大工、大手インテリアメーカーの店舗勤務などを経て、現在はWebメディアを中心にフリーライターとして活動中。



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