ベランダの外壁塗装・防水塗装の費用や業者の選びかたを解説
「ベランダが劣化してきたけれど塗装方法がわからない」
「ベランダを塗装する費用相場はいくら?」
上記のように、ベランダの塗装に関する知識を持っていない人は多いでしょう。
この記事ではベランダの塗装に関する内容を紹介します。
具体的には、以下について解説しています。
・ベランダの塗装種類
・ベランダの塗装に必要な費用相場
・ベランダを塗装する時期とは?
・ベランダを塗装する場合のポイント
読むことで、ベランダに必要な塗装方法や費用の相場がわかるようになります。
1.ベランダ塗装の種類は2つ
住宅のベランダを塗装する場合、2つの方法があります。
1. 外壁塗装
2. 防水塗装
同じ塗装でも、外壁塗装と防水塗装では役割が全然違います。
「外壁塗装」は、住宅の外壁材を紫外線や雨から保護し、美しさを維持する塗装です。
「防水塗装」は、ベランダや屋上の床を保護します。
住宅の壁は外壁塗装ですが、床だけは防水塗装を使います。
外壁塗装
外壁塗装で使う主な塗料には以下の4種類があります。
1. ウレタン塗料
2. シリコン塗料
3. ラジカル塗料
4. フッ素塗料
それぞれの特徴、耐用年数、単価などを解説していきましょう。
耐用年数は8〜10年で、単価相場は1平方メートルあたり2,000〜3,000円です。
外壁塗料としては価格が安いですが、耐久性が低いためコストパフォーマンスが悪いです。
耐用年数は10〜15年で、単価相場は1平方メートルあたり2,600〜4,000円が多いです。
コストパフォーマンスに優れており、日本で最も利用されている外壁塗料です。
耐用年数は14〜16年で、単価相場は1平方メートルあたり2,800〜4,300円です。
非常に高性能な塗料ですが、登場して間もないだけあって実績が少なく、耐用年数や性能の信頼性に疑問が残ります。
耐用年数は15〜20年で、単価相場は1平方メートルあたり3,600〜4,800円が多いです。
東京スカイツリーや公共施設にも利用している塗料で、メンテナンスの手間が省けるメリットがあります。
防水塗装
防水塗装は、ベランダや屋上に厚塗りする雨漏り防止用の塗料です。
防水用の塗料には2種類が存在します。
塗りやすく価格が安い一方で、塗りムラが起こりやすいことが問題となります。
耐用年数は10〜13年で、1平方メートルあたりの単価は4,000〜7,000円が多いです。
とにかく価格を抑えて防水塗装をしたい人に適しています。
ウレタン防水塗料の例としては「アートプルーフU-ONE/U-TWOα」があります。
摩擦や衝撃に対する耐久性が高くて見栄えがよいメリットがありますが、値段が高額という問題があります。
耐用年数は10〜13年で、1平方メートルあたりの単価は5,000〜8,000円が多いです。
耐久性が高いベランダ防水をしたい場合に適しています。
FRP防水工法の例としては「コロテクトシステム」があります。
2.ベランダの塗装に必要な費用は5〜50万円
ベランダの塗装に必要な費用の相場は5〜50万円程度です。
費用相場は、ベランダのどこを塗装するかによって大きく変動します。
金額の目安としては以下を参考にしてください。
・ベランダの外壁塗装+防水塗装の工事価格で15〜50万円
・ベランダの外壁塗装だけの工事価格で15〜30万円
・ベランダの防水塗装だけの工事価格で5〜30万円
上記は塗装工事にかかる費用だけを計算しています。
「ベランダの床をモルタル部分から作り直す必要がある」といった構造部分の補修なら、費用が50万円を超えることがあります。
ベランダを外壁塗装する費用の相場
外壁塗装をする場所としては、外壁、軒天井、庇、手すり、柱などが考えられます。
部分補修であれば数万円で工事ができることもありますが、全体的な外壁塗装をする場合は15万円以上が必要となるでしょう。
ベランダを防水塗装する費用の相場
ベランダの防水塗装には「トップコート」と「防水層」の2種類があります。
「トップコート」は床の表面の塗装、「防水層」は水の侵入を防ぐ内部の塗装です。
劣化が少ない場合はトップコートの塗り替えだけで十分なケースもあります。
トップコートは、防水性能よりも防水層を紫外線や雨から保護する役目が重要なため、費用は安いです。
上記の価格にはトップコートの塗装も含まれます。
3.ベランダ塗装の時期を判別する劣化症状
ただし、年数は目安でしかありません。
実際の塗装時期は外壁や床の劣化状況から判断するのが確実です。
ベランダの塗装を塗り替える目安となる劣化には以下があります。
1. 外壁・防水塗装のハガレ
2. 外壁・防水塗装の浮き
3. 外壁・防水塗装のひび割れ
4. 床に水たまりができる
5. 外壁・床の雨漏り
症状を詳しく見ていきましょう。
1.外壁・防水塗装のハガレ
外壁や床の塗装がはがれて下地が見えてしまう症状です。
はがれた部分をすべて削り落として塗り替えなくてはいけません。
2.外壁・防水塗装の浮き
外壁や床の塗装がぷくりと浮いてくる症状です。
内部に水や空気がたまっているため、時間が経過するとはがれてきます。
浮いた部分をはがしてから塗り替えが必要です。
3.外壁・防水塗装のひび割れ
外壁・床の塗装や下地がひび割れる症状です。 ひび割れた部分から雨水が侵入するため、隙間を埋めて塗り直さなくてはいけません。
4.床に水たまりができる
ベランダの床に水たまりができる症状です。
床には傾きがあり、排水口に水が流れるようになっています。
水たまりができるということは傾きが正常ではないため、防水塗装をはがして床の構造部分を補修しなくてはいけません。
5.外壁・床の雨漏り
外壁や床から室内に雨漏りしている状態です。
ひび割れや破損した部位から雨が侵入しているため、該当部位を特定して修理をしなくてはいけません。
すでに起こった雨漏りは塗装をしても解決しません。
雨漏りの専門業者への依頼が必要です。
4.ベランダの外壁・防水塗装をする際のポイント
ベランダを塗装する場合には3つのポイントがあります。
1. 外壁塗装と防水塗装は違う業種である
2. 相見積もりをして詐欺業者を回避する
3. 費用を安くするなら自社施工の会社に依頼する
上記を守ることで工事に失敗する危険性が格段に下がるでしょう。
1.外壁塗装と防水塗装は違う業種
両方を依頼する場合は外壁塗装の会社に依頼しても構いませんが、防水専門の職人がいるかどうかは確認したほうがよいでしょう。
2.相見積もりをして詐欺業者を回避
相見積もりとは、複数の業者に同じ工事条件で見積もりを依頼することです。
相見積もりには詐欺業者を見抜きやすいというメリットがあります。
一方で、複数の会社に依頼する手間がかかるというデメリットもあります。
相見積もりでは以下の3つをチェックしましょう。
・価格が高すぎて詐欺ではないか
・価格が安すぎて手抜きをされないか
・塗料や足場の面積が「一式」と表記されていないか
上記を確認してから依頼するだけで、悪徳業者にだまされるリスクを抑えることができます。
3.費用を安くするなら自社施工の会社に依頼
下請け会社を使う業者は仲介料がかかるため工事費用が高くなりやすいです。
一方で、依頼と工事の両方を請け負う自社施工の会社なら、余計な費用はかかりません。
どちらに依頼しても工事品質は変わらないため、費用を抑えられる自社施工の会社を選ぶとよいでしょう。
自社施工の会社は、塗料や道具を保管する倉庫を事務所の隣に構えているケースが多いです。
会社の所在地をGoogleマップで検索して、倉庫があるかどうかをチェックしてみるとよいでしょう。
5.まとめ:ベランダ塗装の費用は5〜50万円!安いのは自社施工の業者
自社施工の会社に依頼すれば、仲介料がかからないため費用を安くできるでしょう。
ベランダが劣化している場合は住宅の外壁全体も塗装時期である可能性が高いです。
「サイディング塗装の費用は約80万円!工程別・塗料別の価格」では、サイディング外壁を塗り替える費用相場を紹介しているため、外壁塗装を検討する場合の参考にしてみてください。
塗装技能士2級
2年半の外壁塗装の職人経験
外壁、内壁塗装に関する知識と実務経験