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掲載:2024年10月04日更新:2024年10月04日

タイルをおしゃれに楽しもう!我が家をセンスアップするタイルの使い方

タイルをおしゃれに楽しもう!我が家をセンスアップするタイルの使い方

住宅の壁材の中でも根強い人気を誇るタイル。
水まわり空間や玄関だけでなく、リビングや寝室などの居室に使うケースも少なくありません。独特の風合いと目地との組み合わせによるデザインのバリエーションの豊富さが最大の魅力で、家づくりにタイルを取り入れたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、タイルの魅力や主なタイルの種類、おしゃれなタイルの使い方についてご紹介します。

1.ここが素敵!タイルの魅力とは

色や柄が豊富な点ではビニール壁紙も引けを取りませんが、タイルの場合は焼きものならではの味わいを感じられる点が魅力と言えます。タイルの種類にもよりますが、濃淡を出したりガラスの破片を混ぜたりすることで透明感や深みのある色を出せるのが特徴的です。

目地との組み合わせによって同じタイルでも表情ががらりと変わるのも魅力のひとつ
目地を入れず突き合わせて施工するパターンもあれば、目地を細く入れてタイルを目立たせたり、逆に目地を太くして目地の存在感を出すことでタイルとの絶妙なバランスを考えたり、カラー目地を使ってタイルとのカラーコーディネートを楽しんだりとさまざまな張り方が可能です。
さらにタイルの配置や角度によっても印象が大きく異なり、好みに合った張り方が選べる楽しさもあります。

そしてタイルは見た目だけでなく、使いやすい機能がある点も注目したいところ。
水に強いタイルはキッチンや浴室、洗面室、トイレ、玄関、アプローチ、外壁など水や湿気がたまりやすい場所で気兼ねなく使えます。外装用タイルだと水に濡れても滑りにくい加工や汚れを落としやすい加工が施してあり、お手入れも比較的簡単です。さらにタイル本体は耐久性があるので長期間使えるのも大きな魅力です。

最近は内装用タイルの素材も幅広くなり、陶器質や磁器質といった従来からある素材に加えてガラス製や多孔質タイプなども出てきました。
リビングなどの居室の壁仕上げ材として使われるケースも多くなり、タイルのある生活を楽しみやすくなってきています。

2.タイルの主な種類と特徴

タイルの種類は素材や用途によっていくつかに分けられます。
特徴に沿った使い方をしないとタイルの破損や劣化につながるので、タイルを選ぶ際には特徴を事前に把握しておくことが大切です。

素材による種類

代表的なタイルの素材は磁器質、せっ器質、陶器質の3つに分けられます。

磁器質は3つの中で吸水率1%以下ともっとも吸水率が低く、緻密で硬い素地を持っています。
せっ器質吸水率5%以下と中程度の吸水性があり、磁器質と同じく硬い素地です。
陶器質は多孔質なので吸水率は22%と高く、素地は他の2つよりもやわらかめです。

磁器質とせっ器質は床タイルや外装タイルに、陶器質は内装タイルに使われます。

用途による種類

タイルは用途によって内装タイル・外装タイル・床タイル・モザイクタイルに大きく分けられます。

内装タイルは建物の内部に使われ、美しい仕上がりを重視するため寸法精度が高い陶器質のタイルがよく使われます。
外装タイルは建物の外部に使われ、高い耐久性や耐候性と低い吸水性を持っています。
床タイル摩耗や衝撃に強いタイルで、水濡れによる転倒を防ぐため滑りにくい加工を表面に施してあるものが多いです。
モザイクタイルは小さな割りのタイルをシート状にしたもので、建物の内部・外部いずれにも使われます。施工性がよく曲線部分にも張りやすい一方で、目地が多くなるためお手入れには多少手間がかかります。

3.真似してみたい!おしゃれなタイルの使い方

ひと昔前は浴室の壁や床に一面タイルを張るという使い方が多かったのですが、最近は住宅のさまざまな場所にタイルを張るケースが増えています。タイル独特の色合いや質感を存分に生かしてお気に入りの場所をつくるのもおすすめです。

ここからは、タイルのおしゃれな使い方のアイデアをご紹介しましょう。

多角形タイルで床の表情を豊かに

床タイルというと正方形や長方形が主流ですが、個性を出したいなら多角形タイルを使うのがおすすめです。 連続する多角形が広がりを感じさせ、正方形や長方形にはないソフトな雰囲気も演出できます。

連続柄のタイルをつないでダイナミックさを演出

一般的なタイルは1枚1枚が同じタイルで濃淡が異なる程度ですが、つなぎ合わせることで柄が連続していくタイプのタイルだと広い壁面を使ったダイナミックな演出が可能です。
ラインに沿って視線が動くので実際の壁の幅よりも大きく感じさせる効果があり、空間全体を広く見せる効果を出せます。

長方形タイルを縦使いして天井を高く見せる

長方形タイルは横長で使うか縦長で使うかによって表情ががらりと変わります。
横長で使う張り方は一般的ですが、縦長で使うとよりスタイリッシュな雰囲気が強くなるのが大きな特徴です。タイルの長辺である縦部分が強調されるため、視線が上下に動きやすくなり天井が高い印象を与えやすくなります。
縦横の目地を揃えるとその効果がより高まりますよ。

同系色インテリアの中でモザイクタイルのニュアンスを楽しむ

複数の色を組み合わせたタイプのモザイクタイルは、ベースカラーを周囲の家具や建材と合わせれば大きなミスマッチは起きにくいです。
同系色でまとめたシンプルな空間の壁面に多色モザイクタイルを張ることで、モザイクタイルならではの豊かな表情が生かされ独特のニュアンスを楽しめるおしゃれな空間に。

タイル仕上げで空間にアクセントをプラス

周囲の壁面とは異なる色や柄の壁紙で仕上げる方法をアクセントクロスと呼びますが、壁紙の代わりに石目調のタイルを使うと重厚感が増します。
周囲の壁面のシンプルさとの対比が大きいほどアクセントの効果も大きくなるので、色や柄、質感をはっきりと変えるのがおすすめです。

タイルの張り方向を変えるだけでモダンな印象に

デザイン性の高いタイルを選ぶのは少し勇気が要りますが、実は張り方を変えるだけでシンプルなデザインのタイルでもスタイリッシュな仕上がりが可能です。

キッチンの腰壁部分をタイル仕上げにしてカフェ風に

高さ1m前後の対面キッチン腰壁部分は、タイルの部分貼りを楽しむのに最適な場所のひとつ。
インテリア全体になじむデザインにすると、抑え気味ながらセンスの良さがにじみ出るおしゃれな印象になります。人の視線よりも低めの位置なので大判タイプのタイルを選ぶのがおすすめです。

まとめ

色や柄、サイズ、質感などの違いが楽しめるタイルは、住宅の内外どちらにおいてもしゃれた雰囲気を簡単に出せる建材です。
異なるテイストのタイルを組み合わせるミックステイストもおしゃれですが、難易度が高く組み合わせによっては雑然とした印象になる可能性もあるので、まずは好みのテイストでまとめるのがよいでしょう。毎日生活する場所である住宅に採用するという点を考慮して、用途に合ったタイルを選ぶことは忘れずに。

今回の記事を参考に、おしゃれなタイルインテリアを取り入れてみてはいかがでしょうか。





著者(河野 由美子)プロフィール

住宅やオフィス・店舗などの設計およびインテリアコーディネート、新築分譲マンションの設計変更などを担当。
建築関連企業の社員研修外部講師、インテリアコーディーネーター資格対策テキスト監修、工務店の施工事例集ディレクションなどの実績も多数。

▼略歴
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リノベーション設計企画会社で10年勤務したのち独立。
主に住宅を中心としたリフォームやリノベーションを担当。
新築分譲マンションの設計変更やインテリアコーディネート業務にも携わる。

▼保有資格
二級建築士、インテリアコーディネーター、防災備蓄収納1級プランナー。



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