外壁塗装で使える助成金・補助金を調べる方法と具体例を紹介
一見すると補助金と助成金とは同じものと思われがちですが、実は大きな違いがあります。
補助金は、募集期間内にあなたが申請をして審査を受けた上で支給されるものです。
一方で、助成金は一定の条件を満たせば必ず支給されます。
両者とも返済の必要がありませんが、違いをしっかりと理解した上で申請する必要があります。
この記事では、外壁塗装で利用できる助成金や補助金について紹介します。
1.外壁塗装で受けられる助成金・補助金の種類
外壁塗装では自治体の助成金や補助金が適用できるものがあります。
外壁塗装における助成金と補助金には、以下の2種類があります。
リフォーム全般に使える助成金・補助金
特定の条件下であればリフォーム全般で使える助成金・補助金です。
代表的なものとしては「リフォームなら何でもOK」という自治体のほか、介護保険住宅、子育て支援、空き家の活用で外壁塗装を行う場合などに適用することができます。
遮熱塗料で使えるエコ対策の助成金・補助金
助成金や補助金の中には、エコ対策によって支給されるものが数多くあります。
「遮熱塗料」や「断熱塗料」を使用することでエコ対策をおこなっていることとなり、助成金や補助金が支給されます。
2.あなたの家が助成金・補助金を使えるのか調べる方法
外壁塗装で助成金や補助金を適用できるかは、住んでいる地域によって大きく異なります。
理由としては、助成金や補助金は各自治体レベルで決められている場合が多いためです。
適用できる助成金や補助金は以下の方法で調べる事ができます。
• 自治体の役所に問い合わせる
• ネットで「助成金 〇〇市 リフォーム」と検索する
• 地元の業者に相談する
より安く外壁塗装するためにも、施工を依頼する前にしっかりと調査や確認をすることが重要です。
3.外壁塗装で助成金・補助金を受け取る手順
外壁塗装で助成金や補助金を得る手順は以下のようになります。
1. 申請の準備
2. 助成金・補助金を申請
3. 工事を開始する
4. 工事完了後に報告書を提出
5. 助成金・補助金の支払い
それぞれのステップについて、詳しく解説します。
1.申請の準備
最初のステップとして、外壁塗装を依頼する業者を選定します。
業者を選定する際には、単純に施工費用が安いなどの要素だけを見るのではなく、助成金や補助金を適用した実績があるかどうかで探すことが重要です。
業者を選択したら、担当者と相談しながら助成金や補助金の申請に必要な書類の準備を行います。
必要書類の例としては以下があります。
• 工事内容が把握できる見積書
• 建物の所有者が確認できる書類(固定資産税通知書、課税明細書、建物登記簿謄本の写しなどが該当)
• 委任状(施工業者による代理申請の場合)
自治体や制度によって必要な書類は変わります。
助成金や補助金の申請には見積書も必要になるので、ある程度時間がかかることを理解しておきましょう。
2.助成金・補助金を申請
必要書類が準備できたら、各自治体に助成金や補助金の申請を行いましょう。
注意点は、工事前に申請をおこなわなければいけないことです。
業者と契約する前に申請しなくてはいけない場合もあります。
この場合、業者との契約日を申請が認められた日より後にする必要があります。
工事前に助成金や補助金を申請した場合、支援金は受け取れないので注意しましょう。
助成金や補助金は予算額が決まっており早期に終了となることもあるため、申請できる準備が整ったら早急に申し込むようにしましょう。
3.工事を開始する
助成金や補助金の申請が認められて決定通知が届いたら、業者と契約して工事を始めます。
実際に施工を進めると、申請内容とは違う追加工事が必要となることもあります。
しかし、申請していない工事を行うと助成金や補助金は受け取れません。
申請内容と異なる工事が必要になった場合は、追加工事についても申請がその都度必要となるので注意しましょう。
4.工事完了後に報告書を提出
外壁塗装が完了したら、各自治体に工事の完了報告書を提出します。
報告書では、領収書や請求書、工事の内訳書、工事前・工事中・工事後の写真などの提出を求められることがあります。
提出内容は各自治体か業者に確認しましょう。
書類の提出が完了したら、決定通知が届くのを待ちます。
5.助成金・補助金の支払い
申請した助成金や補助金は、支払いまでに数カ月間かかる可能性があります。
助成金や補助金はあなたではなく工事業者に支払われることもあるでしょう。
業者に支払われた場合は、助成金や補助金を組み込んだ値引きが見積もり段階でされているケースもあります。
4.外壁塗装で使える助成金・補助金の具体例を紹介
助成金や補助金は、各自治体によって内容が大きく異なります。
ここでは、外壁塗装に関連する助成金や補助金の事例を紹介します。
東京都大田区「住宅リフォーム助成事業」
東京都の大田区でバリアフリーや環境への配慮、防犯・防災対策、住まいの長寿命化のためなどにおこなう住宅リフォーム工事に適用できる助成金です。
大田区が定める以下のいずれかの工事
・バリアフリー化
・環境への配慮
・防犯・防災対策
・住まいの長寿命化
なおかつ以下の条件をすべて満たしたもの
・総工事費用が税抜きで10万円以上
・大田区に本社を置く中小企業に工事を依頼
・申請者が大田区民
・特別区民税・都民税を滞納していない
・申請対象の住居に住民票がある
外壁や屋根のリフォーム工事ならほとんどが対象となる希少な助成金です。
外壁塗装・屋根塗装は「住まいの長寿命化」に該当します。
総工事費用の10%で、上限は20万円
東京都台東区「高反射率塗料施工助成金制度」
東京都の台東区で高反射率塗料(遮熱塗料)を使った工事に支給される助成金です。
以下の条件をすべて満たす塗料を使ったリフォーム工事であること
・「日射反射率」が近赤外域で50%以上の商品
・有害金属類を添加していない塗料
・従来型の溶剤系塗料よりもVOC含有量を低減した塗料
なおかつ以下の条件をすべて満たしたもの
・台東区にある建物の工事
・住民税や法人税、事業税、所得税を滞納していない
・台東区による施工後の状況に関する調査に協力する
・助成金の交付決定から3か月後までに工事代金の支払いを終える
・助成金の交付決定から3か月後までに工事の完了報告書を提出する
・助成金の交付決定から3か月後までに台東区による完了検査を受ける
遮熱塗料を使ったリフォームにのみ適用できる助成金制度です。
以下のうち価格がもっとも安い金額
・2,000円×助成対象塗装面積
・税抜きの総工事費用の5割
上限額は15万円です。
埼玉県川口市「川口市住宅改修資金助成金」
埼玉県の川口市で住宅の改修工事をした際に受け取れる助成金です。
川口市内の個人が所有する住宅の改修工事全般が対象です。
以下の条件をすべて満たした場合にかぎられます。
・総工事費用が税抜きで20万円以上
・川口市内に本社を置く企業に依頼する
・蓄電池や家電に関する工事ではない
塗装リフォームならすべて対象となりうる助成金です。
改修工事費の5%で、上限額は10万円
5.助成金・補助金以外で外壁塗装の費用を安くするコツ
外壁塗装では、補助金や助成金以外に次の方法で費用を抑えることができます。
火災保険の適用
火災保険は、火災が発生した場合に適用される保険と思われがちです。
実際には自然災害による損害も保険の対象となります。
塗装工事だけだと申請は通りにくいですが、破損した屋根や外壁を補修する際におこなう塗装なら火災保険で工事ができる可能性があります。
火災保険には「住宅総合保険」と「住宅火災保険」の2種類があります。
「住宅火災保険」だと水害や水濡れ、物体の飛来などで破壊された外壁を補修する場合は保険が適用外となるでしょう。
自宅の保険がどちらかは、外壁の工事前に火災保険の契約書で確認しておきましょう。
火災保険は「風による災害」で、施工費用が20万円以上かかる補修の場合にのみ適用できます。
リフォーム減税の適用
外壁塗装をする場合、リフォーム減税の適用を受けることができます。
リフォーム減税とは、その年に支払ったリフォーム費用の一部を使って翌年に減税する制度です。
主な条件としては、外壁塗装をおこなうためにローンを組み、年末のローン残高が残っている必要があります。
リフォーム減税は、年末までのローン残高のうち1%が所得額から控除される制度であり、控除期間は10年間と長めです。
最大控除額も400万円までと手厚い内容ですが、外壁塗装だけでローンを組むのはなかなか難しいので、他のリフォームと合わせて利用するのがベターでしょう。
6.まとめ:外壁塗装で助成金・補助金を申請するなら業者に依頼しよう
外壁塗装で助成金や補助金の申請をおこなう場合、自分で手続きをするのは大変なものです。
該当の助成金や補助金の適用実績がある業者に任せて、確実かつ効率よく支給を受けましょう。
興味がある人は、エコリフォームの助成金や補助金で使える「遮熱塗料」について調べておくとよいでしょう。
遮熱塗料を使えば真夏の室内を涼しくすることが可能です。
どのような遮熱塗料があるかについては「外壁用遮熱塗料(屋根・屋上等)をご覧ください。
塗装技能士2級
2年半の外壁塗装の職人経験
外壁、内壁塗装に関する知識と実務経験