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掲載:2024年09月02日更新:2024年09月02日

ペットと過ごしやすい住環境づくりにおすすめの建材や住宅設備をピックアップ!

ペットと過ごしやすい住環境づくりにおすすめの建材や住宅設備をピックアップ!

大切な家族の一員であるペットと毎日快適に暮らせる住環境かどうかは、ペットを飼っている方にとって重要なポイントです。
ペットと一緒に過ごす時間はもちろん、外出中にペットだけが過ごす時間においても安全に、そして安心できる状態に整えておきたいというのが本音ですよね。

この記事では、ペットと過ごしやすい家づくりにおすすめしたい建材や住宅設備を室内・室外別にご紹介します。

1.ペットと過ごしやすい家とは?

ペットを飼っているとペットと一緒に過ごしやすいという飼い主側の視点から家づくりを進めてしまいがちですが、同時にペット側の視点も考慮することが大切です。
ペットは人間よりも寿命が短い、つまり早く老化するということ、そして飼い主の留守中にペットだけが過ごす時間があるということを念頭に置いておく必要があります。その上で、建材や住宅設備を上手に活用しながらペットとストレスなく過ごせる家をつくるためのヒントをまとめてみました。

足腰の負担を軽減する床材を選ぶ

家の床が硬いと、ペットの足の関節や股関節、腰などに負担がかかります。また表面がなめらかな床材は滑りやすいため、ペットが転倒しやすくなり怪我につながることも。
ペットの足腰の負担を減らしてあげるために、裏地にクッション素材が入った床材や表面に滑りにくい加工を施した床材を選ぶとよいでしょう

また、ペットが汚した部分だけを取り換えられるようパーツが分かれた床材も使いやすいですよ。
階段や玄関の式台など段差がある場所では、滑り止めマットを敷いたりカーペット仕上げにしたりするのもひとつの方法です。

エリア分けが簡単にできるフェンスを活用する

玄関や勝手口が道路に近い場合は、不意に飛び出して事故に遭わないようドアの内側に設置できるフェンスが便利です。置くだけで使えるタイプのフェンスだと、ガスコンロや包丁など危険物が多いキッチンや、濡れたタイルで足を滑らせる可能性がある浴室の入口にも簡単に移動して使うことができます。飛び越えられないようある程度の高さがある製品を選びましょう。

キャットウォークは壁面を活用すると圧迫感がない

最近は猫を室内飼いするケースが増えていますが、狩りをするという猫の本能を抑えすぎないことが大切です。室内で好きな時に自由に動き回れるようキャットウォークを設置するのがおすすめです。
吹き抜け空間があれば意匠梁をキャットウォーク代わりにする方法もありますが、一般的な天井高だと意匠梁は圧迫感が出てしまうので壁面を利用しましょう。年を取り運動能力が低下しても動けるよう考慮してレイアウトを考えることが重要です。

一定の室温を安定して維持できる空調設備は必須

ペットは人間よりも体温調節が苦手なため、体調を崩さないよう室温が上下しないよう安定的にキープできる空調設備が必要です。特に冬期は、火傷や衝突による火事などを起こさないようストーブや石油ファンヒーターなどは避けて、室内全体をふんわりと暖める輻射式暖房設備を取り入れるのがおすすめです。

ペット専用の洗い場は出入口近くに

犬を飼っているなら、散歩から帰った後汚れた足をさっと洗える専用の洗い場があると便利です。玄関や勝手口の近くに設置しておくと、洗ってすぐ室内に入れます。シャワー水栓を設置しておくと汚れが落ちやすく、全身が汚れた場合でもさっと水浴びできます。

爪とぎ防止シートで猫のストレスを軽減

猫は定期的に爪とぎをして自分のエリアを主張するマーキングの習慣があるので、壁や家具などで爪とぎをして傷つけてしまわないように防止シートを設置しておくとよいでしょう。猫が届く範囲の壁面や家具の脚まわり、ソファの側面や背面などに貼っておくと壁や家具の本体には傷が入りません。
同時に、目立つ柱や猫が気に入っているエリアに爪とぎを別途設置しておく必要があります。

2.ペットと過ごしやすい住環境づくりにおすすめの建材や住宅設備

ここからは、主に犬や猫を飼う場合を想定した住環境づくりにおいておすすめしたい建材や住宅設備をご紹介します。

素材による種類

保湿性や弾力性にすぐれたコルク製の床材はペットがいる家の床仕上げ材に適しています。吸音性も高いため集合住宅で使いやすく、傷がつきにくいのも特徴です。
カラーが選べる製品だとインテリアのバリエーションが広がり、好みのインテリアに仕上げやすいのでおすすめですよ。

施工性の高い床タイル

ペットがいる空間でも畳風の床仕上げにしたい場合は、畳を模した床タイルがおすすめです。和モダンのインテリアに合わせやすく、琉球畳のようなスタイリッシュな空間に仕上げられます。パーツが細かいため汚れた部分だけを交換しやすいのも大きなメリットですね。

腰壁シート

猫を飼っていると床に近い壁面で爪とぎをする可能性が高いため、床面から90~100cm程度の腰壁高さだけを傷や衝撃から守るシートを施工しておくと壁紙が傷つきません。腰壁パネルよりも厚みが薄いのでコンセントプレートが埋まることがなく、同じ面積を施工しても安価な工事費に抑えられます。

ペットドア

室内で飼っているペットが自分で動き回れるよう、ペット用の出入口がついた室内ドアを選択しておくと便利です。
ドア本体を開閉しなくても通れるので開けっ放しになることがなく、冷暖房中の室内の温度変化を防げます。飼い主が留守の間もペットが自由に動けるため、ストレス解消にもなるでしょう。

ペット用除菌脱臭機

ペットの脱臭機

ペット特有の臭いを室内に広げないことは、快適性を保つために不可欠な要素のひとつです。光触媒による脱臭方式でウイルスや臭いの原因物質を抑制することで空気を清潔に保ちます。
ペットが安心して過ごせる静音タイプなので夜間でも使える上に、邪魔にならない壁掛け式で見た目もすっきりとしています。

階段カーペットホルダー

ペットのために階段にカーペットを後敷きする場合、ずれによる転倒や転落が気になりますね。階段の段差に沿ってしっかりとカーペットを押さえるホルダーで、ペットが階段を昇り降りしてもカーペットがずれるのを防いでおくと安心です。
インテリアに合わせてデザインを選べるのもうれしいですね。

人工芝

庭の地面に人工芝を敷くことでペットの足腰への負担を軽減できます。踏み心地のよさだけでなく耐久性や防カビ性、遮熱性など地面に近い位置で活動するペットが快適に運動できる仕様になっている製品を選びましょう。簡単に水抜きができるタイプだとお手入れも楽にできます。

まとめ

まとめ

ペットとの生活は人生の大切な時間だけに、飼い主もペットも心地よい環境で暮らしたいものです。お互いの生活パターンができるだけ制限されない点や、お手入れにできるだけ手間がかからない点も考慮しながら双方にストレスがかからない距離感で過ごせる空間がつくれると、より快適性もアップするでしょう。

今回の記事を参考に、愛するペットとともに心地よく暮らせる空間づくりをぜひ実現してくださいね。





著者(河野 由美子)プロフィール

住宅やオフィス・店舗などの設計およびインテリアコーディネート、新築分譲マンションの設計変更などを担当。
建築関連企業の社員研修外部講師、インテリアコーディーネーター資格対策テキスト監修、工務店の施工事例集ディレクションなどの実績も多数。

▼略歴
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リノベーション設計企画会社で10年勤務したのち独立。
主に住宅を中心としたリフォームやリノベーションを担当。
新築分譲マンションの設計変更やインテリアコーディネート業務にも携わる。

▼保有資格
二級建築士、インテリアコーディネーター、防災備蓄収納1級プランナー。



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