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掲載:2020年12月11日更新:2020年12月11日

クロス以外にいい内装材ってないの?という時のウッドパネル

日本において大多数の家屋の内壁・天井に内装材として使用されるクロスは、コストパフォーマンスに優れ、デザイン的にも高品質なものが多く用意されています。 しかし、壁・天井用の内装材でクロス以外の選択肢をお探しなら「ウッドパネル」について調べてみるのはいかがでしょうか。

この記事では、

・内装材としてのウッドパネルの基礎知識
・ウッドパネルに使われる木材の種類
・ウッドパネルのメリットとデメリット

についてご紹介します。

ウッドパネルとはどんな内装材か


ウッドパネルとは板状の木製建材で、建物内外の様々な場所に活用されています。
ウッドデッキの床部分に施工するものやベランダデッキなど、エクステリアとして使用されるものとイメージされることの多い建材ですが、内装材としてのウッドパネルも多数あります。

内装材として壁や天井に使用するウッドパネルを説明するには、日本語で「羽目板」という言葉を使った方が伝わりやすいかもしれませんが、ウッドパネルは羽目板と比べて多種多様な形状・素材のものが販売されています。
または羽目板はウッドパネルの一種、と説明することもできるでしょう。

ウッドパネルによく使用される木材

内装用ウッドパネルには突き板や合板など加工木材製のものや無垢材の製品など様々ありますが、特に下記のような樹種のウッドパネルが高い人気を誇っています。
ウエスタンレッドシダー
ウエスタンレッドシダー材は、耐久性の高さに加えて保温・断熱性能の高さも特徴です。 木肌の色は薄いピンク色から茶褐色まで多様で、色調にばらつきがあります。
ウォールナット
ウォールナット材はチョコレート色の美しい木肌が特徴で、衝撃に対する耐久性が高く、狂いもあまり生じません。 ヨーロッパでは古来より家具用の木材として愛用されてきた木材です。
ウリン
ウリン材はその硬さと重さから別名「鉄の木」とも称される木材です。 野外の風雨にさらされる環境でも、何十年も持つ抜群の耐久性を誇ります。
スギ
日本人にとって最も親しみのある木材と言えるスギ材は、木肌の明るい色と、軽さ・柔らかさが特徴です。 同じ木から切り出した木材でも、心材の色はやや濃く、辺材の色は薄いという色調の差があります。 日本の固有種ですが、現在では海外で植林されており、輸入されたスギ材も多くあります。
ヒノキ
針葉樹の中では最も湿気や水に強いのがヒノキ材です。 ヒノキの香りは一般的によく知られていますが、この香りの主成分であるアルファ・カジノールには高い抗菌作用があることがわかっています。 ヒノキとスギはパッと見ただけでは区別が難しいほどよく似ています。




内装におけるウッドパネルの活用方法

ウッドパネルはクロスのように壁の全面に一様に張り付ける以外にも様々な張り方で活用することができます。 クロスよりも高額なウッドパネルを内装に効果的に活用するには、

・室内の1〜2面のみに張る
・腰壁の要領で床面から1m前後の高さまでのみ張り付ける
・垂れ壁やカウンター下など、限定的なスペースに使用する

などの工夫をすれば、施工費用をコントロールしやすくなるでしょう。

建材として壁に張り付けるものだけでなく、絵画のように額縁に収まった、純粋に観賞用としてのウッドパネルもあります。

超優秀な内装材「ウッドパネル」使用のメリット

木にしか出せない質感がある

ウッドパネルの多くには天然木が使用されているため、他の建材では代用できない高級な質感があり、コンクリート造の建築物でも内壁・天井をウッドパネルで施工すれば木の温もりや優しさを感じられる空間になります。 木はメンテナンスを適切に行えば、時間の経過とともにゆっくり質感が深みのあるものに変化していくので、ウッドパネルを使用すれば、その経年変化を含めて美しい住空間を長く楽しむことができるでしょう。


表情豊かな立体感を出せる

厚みの異なる木材を組み合わせたり、カットや加工の仕方を工夫したりすることによる凹凸(おうとつ)を際立たせた、立体感のあるデザインのウッドパネル製品も多く販売されています。 平坦にしかならないクロス仕上げの壁面と比較すると、立体感のあるウッドパネルの空間演出力は非常に高く、陰影を際立たせる間接照明などと併用してインテリア全体をコーディネートすれば、さながらデザイナーズホテルのクロークか高級レストランのような空間を作り上げることも可能です。

住まいがより健康的な空間になる

木材をふんだんに使用した建物の内部は、人間が健康に過ごしやすい空間になるようです。 人間が森林の中を歩くと感じる「心地よい」「リラックスする」という感覚は単に気のせいではなく、木が発散するフィトンチッドという揮発性物質による効果だとされています。 このフィトンチッドにはリラックス効果だけでなく、

・有害な菌類を不活性化させる
・アンモニア等による不快な臭いを消す ・血圧を安定させる

などの、人が快適かつ健康的に暮らす上で嬉しい様々な効果があることが確認されています。
フィトンチッドはカット・加工された後の木材も発しており、インテリアにウッドパネルのような木材を多用すれば、住空間はそれだけ人の健康にとって好ましいものになるでしょう。

また、フィトンチッドによる効果ではありませんが、ヒノキ・ヒバなどの木材は、頭痛やアレルギー反応を引き起こすシックハウス症候群の原因になるホルムアルデヒドを吸収して低減させる効果があることも確認されています。


ウッドパネル使用時のデメリット・注意点

ウッドパネルを施工する前には、下記のようなデメリットや注意点があることも覚えておくと良いでしょう。

日差しで変色しやすい

風雨にさらされるウッドデッキの天然木のように「白銀化」(灰色に褪色する現象)が起こるわけではありませんが、屋内の木材も日差しの影響で変色します。 変色のパターンは樹種によって異なり、日差しによって色が薄くなっていくものもあれば、反対に濃くなっていくものもあります。 ほとんどの場合、変色しない本来の状態の方が質感・風合いともに優れていますので、カーテンをこまめに閉める、窓の外にオーニングを設置するなど、ウッドパネルがなるべく紫外線の影響を受けないように工夫するとよいでしょう。

メンテナンスにこまめに気を配る必要がある

塗装されていない無垢材は液体を吸収しやすく、少量の水分の付着でも水染みができやすいので、メンテナンスには気を配らなければなりません。 少し水がかかっただけでも、すぐに拭き取るようにしましょう。 塗装されている天然木のウッドパネルでもどんな種類の汚れにせよ、付着したら直ぐに拭き取るのがベストです。

キッチンの内装には「準不燃材」以上の防火性能が必要。

建築基準ようにより、定常的に火気を使用するキッチンの内装は、壁・天井ともに準不燃材以上の防火性能を持つ内装材で仕上げなければなりません。
リビングやダイニングと同じ空間になっているオープンタイプのキッチンでは、同空間全体の内装に防火性能に関する同様の制限が課されるため、特に注意が必要です(※天井に50cm以上の垂れ壁が設置されている場合を除く)。 このような内装制限に引っかかるなら、不燃材の認定を受けているウッドパネルを選ぶようにしましょう。

まとめ

内壁・天井に内装材はクロス以外にも様々な種類がありますが、ウッドパネルは店舗建築や住宅など様々なインテリアに映え、高いデザイン性をもつ優れた内装材です。 クロス以外の内装の選択肢として、ウッドパネルを検討してみるのはいかがでしょうか?


著者(澤田 秀幸)プロフィール

CAD利用技術者1級、CADアドミニストレーター
住宅メーカの下請けとして木造大工作業を担当。
注文家具の製造と設置。製図補助を担当。
国内最大手インテリアメーカーの店舗で接客・販売を担当。






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